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歴史と伝統が受け継がれる国内コンシューマー部門の最重要行事

パナソニック、「2024年度優秀ご販売店様感謝状贈呈式」を開催。374店が栄誉に輝く

公開日 2025/06/13 11:44 編集部・竹内 純
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迎えて72回。入賞50回超は1店増で69店に

パナソニックは、優秀な成績をあげた系列店に感謝と敬意の意を表する「2024年度優秀ご販売店様感謝状贈呈式」を開催した。歴史と伝統のなかで受け継がれる国内コンシューマー部門の最重要行事と位置付けられ、パナソニックホールディングス・津賀一宏会長、楠見雄規社長をはじめ役員、幹部が列席して執り行われた。

1954年に「第一回優秀連盟店表彰」としてスタート、今回で72回を数える 

「優秀販売店様表彰制度」は、系列店の日頃の支援、協力に対して感謝の意を表するとともに、さらなる飛躍を期して設けられたもの。195212月に「総合連盟店制度」が発足した後、1954年に「第一回優秀連盟店表彰」としてスタート、今回2024年度の表彰で72回を数える。業容を拡大し、経営を革新していく観点から、1992年に「クレジット・リース賞」、2018年に「パナソニックホームズ賞」が新設されている。

津賀会長、楠見社長ら幹部が入賞者を会場入り口で出迎える 

各系列店にとってはまさに晴れの舞台であり、2024年度は374店が入賞。各賞の代表者には壇上で楠見社長から記念のトロフィーが手渡された。入賞374店の内訳は、特別優秀店賞116店、優秀店賞74店、優良店賞98店(計288店)、「クレジット・リース」最優秀店賞20店、優秀店賞21店、優良店賞25店(計66店)、「パナソニック ホームズ」優秀店賞20店。

楠見社長から記念のトロフィーが手渡された 

挨拶に登壇したパナソニックホールディングス・楠見社長は「優秀ご販売店様感謝状贈呈式は今回で72回目の表彰となり、2024年度は優秀な成果を収められた374店様がご入賞されました。また、50回を超えた販売店様は新たに1店様を加えて累計で69店様となりました。心よりお祝いを申し上げます」と感謝の意を述べた。

374店が栄誉に輝いた 

「この厳しい環境のなかで、事業領域の拡大やお客様へのお役立ちの強化に積極的に取り組まれ、素晴らしい成果をお収めいただきました。たゆまぬ努力に敬服しますと同時に、皆様が長年にわたって弊社を支え続けてくださっていることを実感しております。本当にありがとうございます」。

家電事業の持続的成長へ、強い商品を世界で戦える価格で提供

楠見社長は続けて、24日に発表した経営改革について、「グループのそれぞれの事業が業界のトップとなり、10年後も20年後も成長している姿を目指す上では、今、この改革を進めることが必要不可欠。覚悟を持って実行して参ります」と語り、家電事業の改革骨子と目指す姿を説明した。

楠見社長 

「弊社グループが将来にわたって社会の発展に貢献し、社会からなくてはならない存在であり続けるために、経営改革を断行することを24日に発表しました。競争がますます激化する家電事業で皆様と共に成長を果たすためには、お客様へもっともっとお役立ちを果たして、そこでいただく収益をもとに競合以上に投資をしていくことが必要です」。

お客様の暮らしの質の向上と社会課題の解決に将来にわたり貢献し、持続的に家電事業のよりよい未来を切り開くために必須としたのが、収益性を高めること。「営業利益率10%以上を達成する目標を掲げました。これからも家電事業をご販売店の皆様との共存共栄で、お客様お一人お一人に寄り添いながら持続的な成長を目指す上での目標設定とご理解いただきたい」。

国内の家電業界では大きな業界構造の変化が起きていると指摘する。「例えば中国のコスト構造を日本の市場に持ち込んで価格競争力を高めると同時に、販売やサービスの効率性を向上させ、その結果、量販でのシェアを高めています。このように事業環境が変化するなか、私どもが皆さんと一緒にテレビを含む家電事業を継続し、お客様の暮らしにお役立ちを果たし続けるために、 抜本的な改革に取り組みつつあります。まず大きなところでは家電事業に関わる事業会社体制の変更です」。

パナソニック株式会社は、暮らし領域でのシナジーを狙って5つの分社を傘下にして発足。黒物家電はパナソニックエンターテインメント&コミュニケーション株式会社が担当している。しかし、2026年度からパナソニック株式会社を発展的に解消する。

「東芝ブランドなどが中国の会社の傘下に入って価格競争力を身につけました。幸い私どもはこの5年でその力を私たちの中国での事業を通じて培うことができました。その力をグローバルで家電事業に展開し、家電事業全体を新たにスマートライフ株式会社として束ねることにしました。これがメディアに “パナソニック解散” という報じられ方をして驚かれた方も多いかと思います。これは家電事業を力強く再生することが目的であることをご理解いただきたい」。

白物家電で培ったコア技術、くらしの知見、中国で磨きをかけたコスト力、スピード、黒物事業の軽くて速いものづくりという強みを統合。日本の商品に求められる品質や機能を、世界で戦えるチャイナコストで実現していく。

リソースの適正化や業務の効率化も同時に推進し、「これまで以上に強い商品を世界で戦える価格で提供し、家電事業を持続的に成長させて参ります。これが、今回の経営改革における骨子であり、ご理解を賜りますようにお願いします」と力を込めた。

少人数世帯の琴線に触れる小世帯家電で需要創造

パナソニック株式会社 コンシューマーマーケティングジャパン本部長・堤篤樹氏からは、「パナソニックの取り組み」について説明が行われた。「人づくり」「客づくり」「店づくり」の3づくりで、地域社会への貢献を果たし事業成長を図る専門店チャネルの目指す姿は不変であると語り、3つのテーマを取り上げた。

1つめは、専門店チャネルの持続成長に向け新たに開講した「PS次世代経営創成塾」。カリキュラムを1stステップ「夢・目標設定」、2ndステップ「客・店づくり」、3rdステップ「人づくり」、4thステップ「商圏戦略」、5thステップ「経営計画」に体系化し、1年間を通して無理なく実践できるという。

「全テーマにおいて、経営理念を “自分ごと” として深く理解していただける中身になっています。お店のご子息だけでなく、従業員の皆さんにも一緒にご参加いただきたい」。全国で108163名の申し込みがあり、中部エリアを皮切りにスタート。「実施後のアンケートでも高いご評価をいただいています」と手ごたえを掴む。

堤本部長 

2つめは、「需要創造型ものづくり」。「日本の人口は残念ながら減少していきます。しかし一方では、単身世帯や夫婦のみ・ひとり親と子という二人世帯が伸びています。また、住宅ローンにおいては、都市部での土地価格の上昇や生活スタイルの多様化から狭小住宅が増加しています」とマーケットトレンドの変化を指摘。

こうした小世帯化を背景にして、消費財やサービスにおいてはコンパクトニーズに対応した変化が顕著に表れており、さらに社会背景やライフスタイルの変化もあり需要はさらに高まりを見せていると説明する。「こうしたニーズにしっかりと取り組んで参ります」。

昨年12月に発売したコンパクトドラム「SDシリーズ」は、単にコンパクトなドラム式洗濯機というだけではなく、フラグシップモデルに搭載されているテクノロジーを搭載、デザインにも磨きをかけ、その結果、購入者分析では小世帯(1人または2人)の構成が約8割、さらに、最初の洗濯機としても関心を集めているという。

同様にコンパクトベーカリー「SD-CB1」でも小世帯が74%を占め、購入者からは「自分の暮らし、自分の家庭に合ったコンパクトなサイズがうれしい」「少人数で食べきれる量ができて満足」といった声が寄せられているという。

「既存のファミリー層に向けた本質価値を追求するモデルや、美容意識・健康意識の高まりにこたえた理美容家電などのパーソナル需要に加え、多数派になった小世帯に向けた需要創造型商品により、ライフスタイルに応えた商品を群で揃え、それぞれのターゲットにヒットする最適な提案で暮らしの質を向上していきたい。是非ご期待いただきたい」と力を込めた。

3つめは、クレジットカードとパナソニックホームズの取り組み。クレジットカードでは、クレジット会社と販売会社の連携を一層強化し、サポート体制も充実。販売店の経営良化に向けたパナカードの一層の活用を訴えた。

パナソニックホームズによるお役立ちでは、「住まいに対するお悩み事は多く、皆様からの積極的なお声がけがお客様のお困りごと解決につながります」と指摘。パナソニックの店でも住まいの相談ができることを伝えるPRワッペンや店頭PRによる認知度アップ、住まいの点検・ご相談シートなどによる情報収集の取り組みを紹介。さらに「私のからぜひお薦めしたい」とモデルハウスを活用した個展や周年祭を開催するイベントの重要性について説明した。

「さらに魅力のある業界にしていきたい。引き続き、皆様方のご支援をお願いします」と力強い決意を訴え、説明を締めくくった。

パナソニックは共に成長を志すビジネスパ−トナー

「優秀ご販売店様活動事例発表」では、福島県の株式会社ナカオ 代表取締役社長・中尾勉氏が登壇。「家業から企業へ〜時代の変化に適応し、さらなる成長を!〜」と題し、発表を行った。

中尾社長は、松下幸之助商学院を修業した1999年に父親が創業した中尾電器に入社。2019年に事業を承継し、社長に就任した。福島青年会議所に所属して他業界の先輩経営者から多くの学びを得るなかで、これまでの家族経営から脱却し、企業として成長していきたいとの思いが強くなったと語る。その後、従業員を毎年採用、続々と支店をオープンして事業を拡大した。

中尾社長 

これからのさらなる成長へ向け、「社会は日々変化し、そのスピードは年々加速している。会社も自分も時代の変化にいち早く適応することが重要」と訴え、デジタルツールの活用にも注力する。

「お客様に当店がどんな店なのかを知っていただき、お気軽にお問い合わせいただきたい」との狙いから、2010年にいち早くホームページを開設。現在はお客様向けのLINE公式アカウントも開設し、「お店の情報」「スタッフ紹介」「よくある質問」「特売情報」などを発信するとともに、デジタルポイントカードを発行して購買行動の喚起と来店促進に結びつける。LINEでは社内におけるすべての情報(スケジュール管理、現場管理、営業管理、電話・来店管理、日報管理など)も共有し、効率的な業務推進を実現している。

「人づくり」にも力を入れる。「ここ数年、電器店に限らずどこも人手不足。せっかく採用した社員もすぐに辞めてしまう離職率の高さも問題。お客様は神様、そして、社員も神様です」。

Z世代向けには専用の求人票を用意し、リクルート用のパンフレットを活用して、楽しく働きがいのある会社であることをアピール。また、離職率を下げる環境づくりとして、完全オリジナルの「人事評価ポイント制度」を構築。23カ月に1度の社長面談で社員から直接話を聞く場も設ける。「トップダウンではなくボトムアップ。みんなで決める会社を目指しています」。

これからのあるべき姿として中尾社長は「地域専門店はこれまでずっと、パナソニックのシンボル的な役割を担ってきました。これからもそうあるべきだと思います。私たちが頑張らないと、パナソニックも成長しません。我々が地域でパナソニックの広告塔となり、パナソニックグループの輪をさらに広げていきたい」と訴える。

「この先、条件付き販売制度が社会に定着し、価格が安定してくると、インターネットや量販店で商品を購入するメリットはあまりなくなってくるのかなと思っています。そうなると、同じような価格で様々なサービスを受けられる地域専門店での購入が見直される、そんな時代がすぐそこに来ていると思います」。

パナソニックとの関係性については、「昔はパナソニックにおんぶに抱っこでした。しかし、現在は共に成長を志すビジネスパ−トナーです」と変化を指摘。「昔と比べればサポートの形も変わり、そこに不満をお持ちの販売店も少なくないかもしれません。しかし、改めて自分たちの今の立場を考えてみると、他系列の販売店と比較すれば手厚いサポートをしていただけています。他業種ではメーカーなどサポートしてくれる存在がなく、営業販促や研修会などもすべて自社でやらなきゃいけない。そういった企業さんがたくさんあります」と恵まれた環境であることを改めて認識する。

「我々はパナソニックというブランドに守られて商売ができ、さらに、多くのサポートをしてもらっています。共に成長を志すビジネスパートナーとして、感謝の気持ちを持ち、これからもお世話になりたいと思います。多大な恩恵を受けていることを決して忘れずに、松下幸之助創業者も大事にしてきた共存共栄の精神を持ってWin-Winの関係を目指して進んでいきましょう。全国の地域電器専門店が元気になるよう頑張っていきましょう」。

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