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将来のモビリティに実装が予測される最新テクノロジー

ドラレコ×ChatGPTや車載プロジェクター、モビリティ向けエンタメの新提案。オートモーティブワールド開催中

公開日 2025/01/23 17:25 筑井真奈
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自動車関連の最先端技術やハード/ソフトウェア、各種パーツなどの専門展示会である「オートモーティブワールド2025」が、1月22日(水)から24日(金)までの3日間、東京ビッグサイトにて開催されている。

BtoB向け展示会「オートモーティブワールド」開催中

BtoB向けの展示会となっており、将来のモビリティに実装が予測される興味深い展示がいくつか見られた。主にAIの活用やSDVの新たな可能性、サステナブル社会のための提案などがメインとなるが、特にオーディオ・ビジュアルなど車内エンタメの可能性に繋がりそうなものをレポートする。

日本精機は、車の天井やインパネ、ガラス窓などをスクリーンとする「超短焦点プロジェクター」を展示。車の天井全面を使った映画鑑賞や、映像を流して車内をパーティールーム的に使うといった、新しい楽しみが広がる提案となっている。

車の天井をスクリーンとした没入感のある車内空間を実現

担当スタッフによると、同社のプロジェクターは非常に小型で車内のような狭い空間にも自由度高く設置できること、また斜めからの描写でも綺麗に投影できることが大きな特徴だという。実際に天井に投影されているプロジェクターは車の後方の隅に設置。解像度には限界があるため地図等の表示はまだ難しいが、エンタメコンテンツなどは十分に没入感ある体験ができるとアピールする。

車の天井に取り付けられるくらいの小型サイズが特徴

車のインパネもスクリーンとして投影できる

またJVC KENWOODは、「ドラレコ」に新たな付加価値をもたらす様々なサービス提案を行なっていた。煽り運転などの社会問題を受け、安全と防犯を担うドライブレコーダーの市場は大きく成長している。そこに新しいサービスや体験の可能性を広げようという取り組みとなる。

ドライブレコーダーに新たな付加価値を提案するJVC KENWOODのブース

会場ではドラレコにChatGPTを組み込み、会話をしながら道案内やおすすめのスポットなどを教えてくれるデモンストレーションも行われていた。会話の流れも自然で、同乗者とおしゃべりしながら運転しているようなリラックスしたドライブ環境が実現できそうだ。

ChatGPTを搭載し、気軽なおしゃべりを楽しみながらのドライブが実現できる

また「クルマトペ」というサービスは、救急車のサイレン音など緊急性の高い音を認識したときに、それを手元のディスプレイに視覚的に表示してくれるというソリューションとなる。高齢者の聴覚補助といった役割も期待できるため、車載だけではなく自宅用への展開も検討しているという。

緊急性の高い音を視覚化する「クルマトペ」

別のブースでは、会場限定でビクターの一体型ウッドコーンシステム「EX-B5」の販売も行われていた。CDやUSBメモリからの再生ができる一体型システムで、スピーカー部分はすべて手作りで製作されているため、一般販売はせず会場限定での販売とのこと。アコースティックな音色の豊かさに、思わず足を止める来場者も多くみられた。

職人による手作りの「ウッドコーン」システムも会場限定で販売

コーンズテクノロジーのブースでは、audiokineticというオーディオ再生のためのミドルウェアシステムを展示。車内に配置されたスピーカーシステムを制御して、ドルビーアトモスなどの空間オーディオを楽しめるためのミドルウェアとなっている。

車内オーディオ環境のためのミドルウェア・audiokinetic

音楽再生以外にも、自動車の動きに応じたエンジン音などを「わざと」生成することも可能。EVは車内環境が静かになった反面、エンジン音がなくて運転の醍醐味が失われた…と感じるドライバーの声もあると聞く。そこで、あえて加速と連動した車らしい音を楽しみたい、といった需要にも答えられるという。また加速時には音楽のBPMをあげたり、右折の際には音が右から聞こえてくるといったギミックも可能とのこと。audiokineticは、もともとはゲーム用のオーディオ制御技術からスタートした会社とのことで、リアルタイムの音声制御に強みがあるという。

また、オーディオ用アクティブボード「響 -HIBIKI- 65」を展開する倉敷化工もブースを展開。彼らの “本業” である、人間には検知できない超極小レベルの振動を検知、除去できるボードを展示していた。通常は電子顕微鏡での作業や半導体開発などで使われる技術であるが、そういったナノレベルでの振動対策が、オーディオにも意外な形で生かされてることを改めて教えてくれた。

倉敷化工のナノレベルの振動を検知、除去できるアクティブボード。オーディオ向け製品にも活用されている

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