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“フルディスクリート・フルバランスデザイン”

Cayin、DAC/LPF/ヘッドホンアンプにディスクリート回路を採用したDAP「N7」

公開日 2023/03/07 20:00 編集部:川田菜月
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コペックジャパンは、同社が取り扱うCayinブランドより、フルディスクリート設計の1bit DAC回路をはじめとする“フルディスクリート・フルバランスデザイン”を採用したDAP「N7」を3月7日より発売する。価格は289,850円(税込)。

「N7」

Cayinでも初の試みとなる、DAC/LPF(ローパスフィルター)/ヘッドホンアンプをディスクリート回路で構成する“フルディスクリート・フルバランスデザイン”を採用したDAP。トランジスタや抵抗器などのディスクリート部品により回路設計を行うことで、細部にいたるまで音質を追求したとする。また設計においては、左右対称の両面基板を採用し、干渉を最小限に抑え、信号経路のレイアウトや長さを可能な限り統一するように配慮したという。

DAC/ローパスフィルター/ヘッドホンアンプをディスクリート回路で構成し、音質を追求した

DACには、128個(4×32)の高精度薄膜抵抗を組み合わせた超小型1bit DAC回路を搭載。FPGAでデジタル信号を拡張し、L+/L-/R+/R- デジタルビットストリーム出力を行うことで、フルバランスデコーディングを実現した。またオーディオブリッジにより、DSDはパススルー、PCMは1bit変換してDAC回路に伝送する。

128個の高精度薄膜抵抗を用いた抵抗ネットワークによりデジタル - アナログ変換を行う1bit DAC回路

ローパスフィルターは、NPN+PNPバイポーラトランジスタのデュアル構成による対称型A級プッシュプル増幅回路を採用。ボードの省スペース化を実現し、低消費電力/放熱性能で高い実力を発揮するという。

ヘッドホンアンプは、低ノイズオーディオグレードのJFETを差動入力段に、BJTを電圧増幅/最終出力段に使用した4チャンネル・ディスクリート回路を採用。低インピーダンスのインイヤーモニターやポータブルヘッドホン向けに最適化したハイパワー・ローノイズ出力を実現したとする。

また、位相ノイズの小さい2つのフェムト秒クリスタルオシレーターを採用し、高精度かつ低ジッター再生を実現。デジタルオーディオ再生において音楽性を保ち、自然さを向上するとしている。

アンプの動作モードを切り替えられる「デュアルアンプ・オペレーションモード」も搭載。プルダウンメニューからA級/AB級を切り替え、それぞれ異なる音色を楽しめる。なお、ディスクリート部品の個体差を補正し、完全に安定して動作させるため、調整用抵抗による手作業での微調整も施しているとのこと。

「デュアルアンプ・オペレーションモード」により、2種類の音色を切り替えて楽しめる

アナログ端子は、4.4mmバランス/3.5mmシングルエンドのヘッドホン出力、4.4mmバランス/3.5mmシングルエンドのラインアウト兼プリアウトを装備。デジタル端子は、USB Type-C(USB3.1)、I2S(Mini-HDMI)を装備。USB Type-C経由での同軸デジタル出力やUSB Audio入出力にも対応する。

ラインアウト/プリアウトは専用ラインドライバーにより制御され、プルダウンメニューから切り替えが可能。ラインアウトモードでは、ボリュームをバイパスした固定電圧出力となり、同ブランドの真空管ヘッドホンアンプ「HA-3A」とライン入カモードで接続が可能。プリアウトモードでは、高精度アナログボリューム付き可変電圧出力となり、同ブランドのポータブルアンプ「C9」とプリ入カモードで接続ができる。

電源供給システムは、デジタル回路/アナログ回路を分離し干渉や効果を最小限に抑えるマルチスレッド方式を採用。一次フィルター回路にPOSCAPタンタルポリマーコンデンサー、電源システム全体にプレミアムセラミックコンデンサーを採用するなどして、パフォーマンスの向上も図った。

SoCにはQualcomm Snapdragon 665、システムにはカスタマイズしたAndroid 12を搭載。デフォルトの再生アプリとしてCayin MusicとHiBy Musicを採用し、HiBy Cast機能によるスマートフォンからのリモート操作にも対応する。

OSはカスタマイズしたAndroid 12を採用

Google Playをプリインストールし、好みのアプリをダウンロードすることも可能。DTA(Direct Transport Audio)により、ローカル再生時はすべてのアプリでサンプルレート変換をバイパスし、ビットパーフェクトな音楽再生を楽しめるとする。内蔵ストレージは64GB、外付けカードスロットは最大1TBのMicroSDに対応する。

Bluetoothはバージョン5.0。受信モードでは192kHzまたは96kHzのワイヤレスDACとして機能する。対応コーデックはSBC/AAC/LDAC/UATで、後日アップデートによりaptXおよびaptX HDもサポート予定。MQA再生にも対応し、16倍のMQAデコードをサポートする。

Wi-Fiは2.4GHz/5GHz IEEE 802.11a/b/g/n/acをサポート。アルミニウムフレームをワイヤレスアンテナとして使用することで接続を強化し、安定したストリーミングが可能だとする。

音量調整用として、真鍮製ボリュームノブとJRC製低ノイズ・低歪み電子制御抵抗ラダーアナログボリュームを採用。ボリュームノブには炎をイメージしたエンブレムを刻印することで、エレガントな印象を持たせるだけでなくグリップカも高めたとする。筐体はサンドブラスト加工を施したCNCアルミニウム製で、ボリュームノブのほか、電源ボタン、音楽再生コントロールボタンも搭載する。

ディスプレイには5インチ(1,080×1,920)TFTマルチポイントタッチスクリーンを採用する。下部中央にはホームボタンを配置し、マルチカラースマートLEDによりサンプリングインジケーターとしても機能する。

電源は3.8V 9000mAhのリチウムバッテリーを内蔵し、3.5mmシングルエンド出力で最大10時間、4.4mmバランス出力で最大8.5時間の連続再生が可能(いずれもAB級動作時)。急速充電に対応し、20%から80%まで約2時間で充電できるとのこと。外形寸法は77.8W×142H×22.2Dmm。質量は約380g。

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