HOME > ニュース > ソニー、独自の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」に初対応した7.1ch・AVアンプ「STR-AN1000」

ワイヤレスリアスピーカーとの接続も対応

ソニー、独自の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」に初対応した7.1ch・AVアンプ「STR-AN1000」

公開日 2023/02/21 13:06 編集部:長濱行太朗
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ソニーは、独自の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」をはじめ、映像信号の8K/HDRの入出力、「360 Reality Audio」の再生に初対応した、7.1ch・AVアンプ「STR-AN1000」を3月18日に発売する。価格はオープンだが、120,000円前後(税込)での実売が予想される。

「STR-AN1000」

本モデルは「STR-DN1080」の後継機種として位置づけられており、搭載された7chアンプの実用最大出力は165W(6Ω)/ch、定格出力は100W(6Ω)/chとなっている。スピーカーは、最大で5.1.2ch/7.1chのシステムを組むことができ、さらにスピーカーアサインの変更によって、サラウンドバック/ハイトスピーカーのアンプをフロントスピーカーのバイアンプ接続、マルチルームのZONE3用のスピーカーに割り当てることも可能だ。

スピーカーアサインの調整によって、スピーカー端子の「サラウンドバック/ハイト」をフロントバイアンプやZONE3スピーカーに割り当てられる

今回、AVアンプで初搭載となった「360 Spatial Sound Mapping」は、同社のホームシアターシステム「HT-A9」やサウンドバー「HT-A5000」などでも採用されている立体音響技術。バーチャルで音声を作り出すのとは異なり、AVアンプに実際に接続された複数のスピーカーの音波を合成し、改めてスピーカーからの音を理想的な位置に再配置することで、ファントムスピーカーとして臨場感を高めた音場空間を創出できるというものだ。

新たな自動音場補正機能「D.C.A.C. EX」の設定画面

「360 Spatial Sound Mapping」は自動音場補正を行うことで楽しめる機能となるが、自動音場補正機能も、STR-DN1080に搭載された「D.C.A.C. EX」から「D.C.A.C. IX(Digital Cinema Auto Calibration IX)」へと進化。付属の測定マイクによって、各スピーカーの距離/音圧/周波数特性/角度を3次元で測定し、スピーカーの配置を精密に補正する。

「D.C.A.C. IX」では、測定マイクと新たなマイクスタンドによって、垂直方向だけでなく、高さ方向の測定も可能となり、立体的に音場補正を行える。測定回数が増えており、1回目はマイクスタンドの上部で測定し、2回目はマイクを90度回転させてマイクスタンドの下部に設置して測定。本機能はDolby Atmos/DTS:Xにも対応する。

付属の測定マイクとマイクスタンドを用いて、スピーカーの3次元位置の測定を行う

そのほか、全スピーカーの位相特性を揃える「A.P.M.(オートマチック・フェーズ・マッチング)」をはじめ、スピーカーの音源位置を理想の位置と角度に再配置する「スピーカーリロケーション」、5.1.2chのスピーカーで7.1.2ch相当のサラウンド再生を可能とする「ファントム・サラウンドバック」やセンタースピーカーの音を上に引き上げる「センタースピーカーリフトアップ」といった機能も継続して搭載している。

スピーカーの音源位置を再配置する「スピーカーリロケーション」

センタースピーカーの音を上部に引き上げることができる「センタースピーカーリフトアップ」

SRT-AN1000では、デジタル系の回路基板を一新。8K/60p、4K/120pの入出力に対応し、さらにDolby Vision、IMAX Enhanced、HDR10、HLGといったHDRフォーマットもカバーする。HDMIは、入力端子を全6基(8K対応×2基、4K対応×4基)、出力端子を全2基(8K・4Kの両対応)を装備。HDMI 2.1搭載のため、ALLMやVRRにも対応している。

さらに音声信号処理を1チップで行う32bitプロセッシングのSOC(System on a Chip)を新採用。高い処理性能を持つだけでなく、シンプルな構成で信号回路も短くできることも大きなメリットで、「D.C.A.C. IX」やイコライザー、各種サウンドフィールドなどの音質のグレードアップを実現している。

前モデルでは32bitプロセッシングのDSPを3基搭載していたが、STR-AN1000では32bitプロセッシングのSOCを1基搭載することで高処理と経路のシンプル化を実現

デジタル系回路基板には、放熱用に大きなヒートシンクを採用。フィンが共鳴しないように不均等にすることで音質劣化を防いでいる

対応する音声フォーマットも拡充されており、Dolby AtmosやDTS:Xといった立体音響フォーマットに加え、同社のオブジェクトベースの360立体音響技術を用いた「360 Reality Audio」にも新たに対応。ハイレゾ音源も、最大でPCM 192kHz/24bit、DSD 11.2MHz/1bitの再生が可能だ。また、AI技術によって圧縮音源をハイレゾ相当にアップスケーリングする「DSEE Ultimate」も搭載した。

スピーカーケーブルを使用せずにリアスピーカーやサブウーファーと接続できる機能として、同社のワイヤレスリアスピーカー「SA-RC5」「SA-RC3S」、ワイヤレスサブウーファー「SA-SW5」「SA-SW3」との接続に対応。リアスピーカーはペア1組まで、サブウーファーは同機種を2台まで同時接続できる。

ワイヤレスリアスピーカー「SA-RC5」

ワイヤレスサブウーファー「SA-SW5」

同社のテレビ “ブラビア” との連携機能「アコースティックセンターシンク」も装備。センタースピーカーと組み合わせて、ブラビアからもセンタースピーカーの音を出力することで、映像と音がより一致した音場再生を実現する。また、対応ブラビアのクイック設定からSTR-AN1000の「サウンドフィールド」の変更や「360 Spatial Sound Mapping」のオン/オフの切り替えも可能だ。

ネットワーク機能は、「Works with the Googleアシスタント」「Chromecast built-in」「Spotify Connect」「Apple AirPlay 2」「works with SONOS」「Roon Tasted」などに対応。コントロールアプリ「Music Center」からの操作も行える。GUIも新デザインにブラッシュアップされており、操作の快適さも高めた。

GUIもブラッシュアップされている

そのほか、主な入出力端子として、光デジタル音声入力×1、同軸デジタル音声入力×1、アナログRCA×4、ヘッドホン出力(ステレオミニ)×1、USB-A×1、コンポジット入力×2、コンポジット出力×1などを備える。サブウーファーアウトを2系統備えているが、L/Rに分かれているわけではなく、同一信号を2つの端子から出力できるため、信号処理はあくまでも7.1chまでの対応となっている。

STR-AN1000の背面端子部

リモコンに搭載された「360SSM」のボタンで、「360 Spatial Sound Mapping」のオン/オフが可能

スピーカー適合インピーダンスは6〜16Ω、全高調波歪率はフロント0.09%以下(6Ω負荷、100W+100W、20Hz〜20kHz)、周波数特性は10Hz〜100kHz、S/N比は105dB(LINE)。消費電力は240W(待機時は0.5W)、外形寸法は430W×156H×331Dmm、質量は10.3kgとなる。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック