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12月1日よりお台場と新宿でサービス開始

映画館のプレミアム化が加速。日本初「フレックサウンド」と新宿エリア初「ドルビーシネマ」を一足先に体験してきた

2022/11/30 永井光晴
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■「日本初」と「新宿エリア初」のシネコンサービスが12月1日から登場



2022年12月1日から、東京のシネコン2サイト(新宿/お台場)に、新たな観賞サービスが導入される。ひとつは新宿エリア初の「ドルビーシネマ」が新宿バルト9に、もうひとつは日本初登場となる「FLEXOUND Augmented Audio(フレックサウンド・オーギュメント・オーディオ)」がユナイテッドシネマのアクアシティお台場に導入される。11月29日、それぞれの事前内覧会が行われたので、その概要をレポートする。

新宿バルト9に「ドルビーシネマ」が導入

ユナイテッドシネマ アクアシティお台場には日本初の「FLEXOUND Augmented Audio」が登場

■新宿エリア初の「ドルビーシネマ」はバルト9のスクリーン6が改装



まずは新宿バルト9に導入される「ドルビーシネマ」から。ご存じ「ドルビーシネマ」はすでに国内に7スクリーンあり、新宿バルト9への導入で8番目となる。新宿バルト9は東映系の「T・ジョイ」とTOHOシネマズの共同経営で2007年にオープンして15周年である。T・ジョイにとっては、2018年11月にT・ジョイ博多に日本初のドルビーシネマを誕生させ、今回で4館目となる。なお、T・ジョイ博多のオープン時に現地レポート記事(https://www.phileweb.com/news/d-av/201811/21/45730.html)も掲載しておりドルビーシネマの概要などにも触れているので、そちらも一緒に参照してみてほしい。

2022年11月現在のドルビーシネマ導入劇場一覧


新宿バルト9のスクリーン6に導入されたドルビーシネマ

新宿バルト9のロビーフロア

新宿バルト9のドルビーシネマは、9階メインロビーからエスカレーターで昇った11階の「スクリーン6」が改装されて導入された。ドルビーシネマでお馴染みとなったシアターエントランスの映像アプローチ「AVP(Audio Visual Pathway)」が美しく迎えてくれる。スクリーン内の座席に向かう気持ちが高ぶる演出だ。

3フロア構成になっている新宿バルト9の、中間フロアにあたる11階にドルビーシネマが導入されたため、上階フロアの来場客は退場時に、否が応でも、ど派手なAVPが目に飛び込んでくることになる。

ドルビーシネマのエントランスの映像アプローチ「AVP(Audio Visual Pathway)

■ドルビーシネマの3要素「ドルビービジョン」「ドルビーアトモス」「シアターデザイン」



内覧会に登壇したドルビージャパン株式会社の代表取締役社長の大沢幸弘氏は、冒頭の挨拶につづいて、ドルビーシネマの3要素をおさらいした。「映像のドルビービジョン」と「音響のドルビーアトモス」という2つの独自技術と、最適化された「シアターデザイン」である。

ドルビージャパン株式会社 代表取締役社長 大沢幸弘氏

ドルビービジョンのコントラスト比「1,000,000対1」は、従来の映像フォーマット「1,800対1」の約500倍。ドルビービジョンが可能にする驚異的な輝度、深い暗部の表現、ビビットな色彩が壮大なインパクトをもってあらゆる瞬間を余すことなく映し出す。「ドルビーアトモス」は、頭上を含むあらゆる場所に音を縦横無尽に移動させ、今まで体験したことが無いような没入感を味わうことができる。そして洗練された「シアターデザイン」が一体となって作り出される空間が「ドルビーシネマ」である。驚くほど鮮やかでリアルな映像・サウンドで、まるで映画の世界に入ったような、劇的な進化を遂げたシネマ体験ができる。


司会を担当した元NHKアナウンサーの堀尾 正明氏、ドルビージャパンの大沢社長、ゲストの女優・小林涼子氏。 小林氏は、日本映画初のドルビーシネマ作品となった「轢き逃げ 最高の最悪な日」(2019/水谷豊監督・脚本)に出演している。
大沢氏の挨拶でも“映画の世界に没入する”というキャッチフレーズが語られた。最近はIMAXも類似した紹介解説が上映時に流れるが、圧倒的なスクリーンサイズが魅力のIMAXと、トータルバランスのなかでの最高クオリティを目指すドルビーシネマは、それぞれ優位点がある。

■ドリンクホルダーは隣席と共有



あえて大騒ぎすることでもないのだが、ドルビーシネマといえば、先行導入館で特徴的だった「左右のひじ掛けに独立のドリンクホルダー」だったが、今回のバルト9は隣席と共有で、いわゆる普通の映画館と同じである。ひじ掛けの仕様でシアターの席数はおのずと変わる。国内屈指のターミナル駅のシネコンにとって総席数は譲れない問題なのだろう。

どの席でも見やすく設計されたリクライニングシート。肘掛けにドリンクホルダーはひとつ。

バルト9のドルビーシネマの鑑賞料金は、「通常鑑賞料金+600円」である。また3D上映方式は「ドルビー3D」となる。そもそもバルト9はドルビー3Dを国内初で導入したシアターであり、同館のデファクトとなっていたので、他スクリーンがReal-Dといった併用にはならないのはいい。

■『THE FIRST SLAM DUNK』『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』などの注目作がドルビーシネマで上映予定



大沢社長はまた、最新のドルビーシネマ採用状況について、「ドルビーシネマを採用している興行社は世界14カ国28社。世界のドルビーシネマ設備が導入された(される予定の)映画館は450スクリーン以上。ドルビービジョン、ドルビーアトモスが採用された(される予定)の作品数は470本」と紹介した。

注目の作品は『ブラックアダム』『THE FIRST SLAM DUNK』『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』『JSB3 LIVE FILM / RISING SOUND』

新宿バルト9で、これから公開されるドルビーシネマ作品は、12月2日公開・ドウェイン・ジョンソン主演のDCコミック原作作品『ブラックアダム』。12月3日公開で10日からドルビーシネマ上映となるアアニメ作品『THE FIRST SLAM DUNK』。12月16日公開の歴代世界興行収入1位の前作から続く3D作品『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』。そして1月13日全国公開に先駆けて1月6日にドルビーシネマで先行公開される、三代目 J SOUL BROTHERS初のライブフィルム『JSB3 LIVE FILM / RISING SOUND』 と続く。

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