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新機能「環境センシング」で最適画質に自動調整

シャープ、mini LED搭載4Kテレビ「AQUOS XLED」“EP1ライン”。量子ドットリッチカラーで高度な色表現力

公開日 2022/10/25 11:00 編集部:松永達矢
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シャープは、mini LEDバックライトを搭載した4Kテレビ「AQUOS XLED」の新製品“EP1ライン”5モデルを11月19日(土)から順次発売する。ラインナップは下記の通り。

「AQUOS XLED」4K“EP1ライン”は全5モデルを展開する

・75V型「4T-C75EP1」予想実売価格:税込73万7,000円前後/23年1月28日(土)発売
・70V型「4T-C70EP1」予想実売価格:税込57万2,000円前後/11月19日発売
・65V型「4T-C65EP1」予想実売価格:税込49万5,000円前後/11月19日発売
・60V型「4T-C60EP1」予想実売価格:税込44万円前後/11月19日発売
・55V型「4T-C55EP1」予想実売価格:税込36万3,000円前後/11月19日発売

2021年12月から販売開始された、従来LED1/10サイズのmini LEDを搭載する4Kテレビ「AQUOS XLED」の“DP1ライン”の後継となるモデル。前モデルでは65型と55型の2サイズだったが、75型、70型、60型を追加してラインナップを拡充。5インチ刻みで画面サイズを揃えることで「設置スペースで1番大きな画面をジャストサイズで選んでいただける」と説明する。

最大画面サイズとなる75V型「4T-C75EP1」

「AQUOS史上最高の輝きと色の表現力」を掲げ、従来の同社液晶テレビと比較して約72倍の数になるmini LEDを搭載し、高密度に配置。これを1,000以上の多分割エリアごとに駆動する「アクティブmini LED駆動」技術により、3倍以上(4T-C65EP1の場合/22年発売液晶モデル「4T-C65EN1」比)のピーク輝度を獲得したとアピールする。

色表現能力は、前モデルより量子ドット素材を刷新した「量子ドットリッチカラー」を導入。量子ドットを用いて光波長変化を行うことで、通常のLED光源よりも純度の高い三原色を生成。従来の同社液晶テレビと比較して、色再現範囲は約20%向上する。

「量子ドットリッチカラー」を導入する本モデル(写真右)と、非搭載となる2021年発売のminiLED搭載機(写真左)との比較

従来の同社液晶テレビと比較して、色再現範囲は約20%向上する

今回の新モデルでは変換で作り出す赤色の波長を変更し、赤と緑の色成分を明確に分離。ディスプレイ側のカラーフィルターと最適化を図ることで、さらに色再現範囲を拡張することができたという。mini LEDによる高輝度の映像描画と合わせることで、これまで再現が難しかった「艷やかに輝く原色」も鮮明に表現できるようになったとアピールする。

miniLEDによる高輝度の映像描画と合わせることで、これまで再現の難しかった「艷やかに輝く原色」も鮮明に表現

mini LEDを制御し黒を引き締め、輝き感を高める「フレアブライトネス」機能も前モデルから継続して搭載。映像に合わせ1,000以上のエリアごとに細かく輝度を設定し、近接するエリアとの相互連携を実施。LED制御では再現できない黒表現については、映像エンジンを用いて処理することで、局所的な輝きや高い黒の表現能力により精細なコントラスト表現を実現したとのこと。パネルには照明などの映り込みを抑えながら、つややかな黒を表現する「N-Blackパネル」を採用する。

画像処理エンジンには第4世代となる「Medalist S4X」を搭載。視聴環境の明るさに応じて自動でコントラスト、輝度を最適化する新機能「環境センシング」は、周囲の明るさに応じて明暗や色の感じ方が変化する視覚特性(明/暗順応)に応じて作られたものとなっている。

新開発の映像エンジン「Medalist S4X」を搭載

例えば、明るい部屋では見えにくい暗部の階調レベルを上げ、輝度のダイナミックレンジを拡大することで、視認性を高める。これに対し暗い部屋では、過度な明るさを抑制し、暗部階調をなめらかに調整。質感を重視した自然な映像に補正するとのことだ。なお、本機能はデフォルトでオンの状態となっているが、本体「プロ設定メニュー」の「アクティブコントラスト」項目にてオフ設定にすることができる。

視聴環境の明るさに応じて自動でコントラスト、輝度を最適化する「環境センシング」を搭載(写真右)

「環境センシング」機能における照度センサーは画面下部に備えられている

映画やドラマ、スポーツなどの放送ジャンル情報と、人の顔や空などのオブジェクト情報を掛け合わせ、映像パラメーターを調整する「AIオート」をmini LED機に初採用。本機能は22年夏モデルから同社テレビに採用されたもので、mini LED機用にカスタムチューンが施された上で搭載されている。

従来機同様に、地上デジタル放送、ブルーレイディスク、ネット動画など様々な映像を約830万画素の4K解像度にアップコンバートする「4K超解像アップコンバート」、映像信号に含まれる被写体の動きや輪郭をリアルタイムで検知し、本来の精細感やコントラストを復元する「オブジェクト プロファイリング」機能を備える。

音響面では、ハイトトゥイーター2基、ハイトミッドレンジ2基、トゥイーター2基、ミッドレンジ4基、サブウーファー1基からなる、5種類計11基のスピーカーユニットを備えた「AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS」を搭載。テレビを取り囲むように上下にスピーカーを配置し、ハイトスピーカーは斜め20度の傾斜を付けて前面に音を放出するなど、画面の真ん中から音が出てくるような「ファントムセンター定位」により、絵と音が一致する高い没入感を備えた視聴体験を提供するとアピールする。

ハイトスピーカーは斜め20度の傾斜を付けて前面に音を放出する

画面後方にサブウーファーを搭載。スリット状の部位より音を放出する

本システムも前モデルから継続となるが、ミッドレンジとサブウーファー部分の素材をフェライトからネオジウムに変更。軽量小型でありながらパワフルなサウンドを実現する高効率スピーカーユニット「パワーボイススピーカー」を新たに搭載することで、低音の量感が増すとともに、中域の解像度向上によるセリフなどの表現がよりリアルに感じられるようになった。

ミッドレンジとサブウーファー部分の素材をフェライトからネオジウムに変更。写真左が前モデル。写真右がネオジウムを使用する本モデルのスピーカーユニット

立体音響フォーマットDolby Atmosへの対応のほか、空間全体の音響パワーの変化をとらえてチューニングする音響補正技術「Eilex PRISM」を搭載する。

ソフトウェア面ではGoogle TVを内蔵。Googleアシスタントに対応しており、付属リモコンの内蔵マイクによる音声操作やGoogle TVのハンズフリー操作機能を使い、テレビ本体に向かって声を掛けることで操作することもできる。外付けのUSBカメラを使用して大画面で楽しめるビデオ通話アプリ「Google Duo」、テレビ画面を鏡やカメラのように使用する「リビングカメラ」もサポートする。

付属リモコンには、Netflix/Prime Video/U-NEXT/Hulu/ABEMA/Paravi/YouTube/ Disney+と8つの映像配信サービスへのダイレクトボタンを搭載。同社独自の生活情報アプリ「COCORO VISION」へのアクセスボタンも備える。

会場では、液晶、有機ELとの比較展示も行われており、有機では難しい画面輝度、液晶の不得手とする黒の締りを両立したminiLED搭載機ならではのポテンシャルを確認できた

HDR規格はHDR10、HLG、Dolby Visonの3つをサポート。チューナーは、BS4K・110度CS 4Kチューナーを2基搭載する。

接続端子は、HDMI入力が4系統(入力3がeARC/ARC対応、入力3/4が4K120Hz入力およびVRR/ALLMサポート)、AV入力/入力2用音声入力兼用が1系統、デジタル音声出力(光)が1系統、ヘッドホン出力が1系統、USBは3系統(録画用1端子/メモリー用2端子)、LANは1系統を装備する。

外形寸法/質量(スタンド含む)は、75V型の4T-C75EP1が1667W×1014H×335Dmm/約46.5kgで、70V型の4T-C70EP1が1550W×962H×335Dmm/約43.5kg、65V型の4T-C65EP1が1442W×896H×304Dmm/約38.5kg、60V型の4T-C60EP1が1334W×838H×304Dmm/約32.5kg、55V型の4T-C55EP1が1225W×774H×304Dmm/約28.5kgとなる。

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