HOME > ニュース > <CEATEC>JVCケンウッドの注目はマルチアングル配信技術/メタバース空間が堪能できる「METAVERSE EXPO」も開催

AGCは5G向けソリューション

<CEATEC>JVCケンウッドの注目はマルチアングル配信技術/メタバース空間が堪能できる「METAVERSE EXPO」も開催

2022/10/17 編集部:伴 修二郎
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
IT・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC 20222」が、明日10月18日(火)から21日(金)にわたり千葉・幕張メッセにて3年ぶりにリアル開催される。本稿では、本日10月17日に実施されたプレス向けの事前公開から、注目ブースの模様を紹介する。

JVCケンウッド

ケンウッドでは、中期経営計画「VISION2023」において成長を支える新規事業の新規領域「IoTプラットフォームサービス事業」と、隣接領域「リモートカメラシステム」「ポータブル電源」の具現化に向けた技術開発を紹介する。

ブースの様子

IoTによる同社開発のマルチアングルストリーミング配信システムを活用したデモを展開するのが、自動車のオンライン商談。別会場に設置された自動車のマルチアングル映像をリアルタイムで配信することで、別ブース内でそれを見ながら商談することができるというもの。

マルチアングルストリーミング配信システムを活用した、自動車のオンライン商談デモ

撮影は自動車の周囲に4K PTZリモートカメラ「KY-PZ510N」を3台、車内には360度カメラを設置。これにより、車の側面や後ろ側、360度カメラによる車内の内観を確認することが可能。アングルは顧客が自由に切り替えられ、商談時に便利なボイスチャット機能やサイン契約機能にも対応する。

各アングルに切り替えが可能

4K PTZリモートカメラ「KY-Z510N」も絵tンジ

本システムは元々、音楽配信を想定して開発されたもので、担当者によれば「今回は自動車のオンライン商談を想定した展示となっているが、今後はスポーツ配信なども視野に入れるとともに、本イベントの参加者の反応もみながら、新たな分野への展開も検討していきたい」とさらなる用途の拡がりが期待されている。

ボイスチャットにも対応

リアルタイムに3Dデータを生成、共有することが可能なインターフェース「R2モデリングシステム」は、ブース内で撮影された人や物の映像からリアルタイムで3Dデータを生成し、バーチャル空間に持ち込めるというもの。新技術により、さらにリアルな色や形状を再現できるという。

リアルタイムに3Dデータを生成する「R2モデリングシステム」

リアルタイムで撮影!

実際の人間や人形が仮想空間上でリアルタイムに3Dモデルとなって動いている様子を、ヘッドマウントディスプレイや裸眼3Dモニターで体感することができる。R2モデリングシステムで出力した立体データを、イノラックス ジャパン社のN3Dディスプレイで再現したデモも展示されている。

ヘッドマウントディスプレイで実際に体感できる

N3Dディスプレイで再現したデモも

日産自動車、フォーアールエナジー社と共同開発したのは、電気自動車「日産リーフ」の再生バッテリーを活用したポータブル電源。開発試作品およびバッテリーモジュールを展示している。

電気自動車「日産リーフ」の再生バッテリーを活用したポータブル電源試作品

ポータブル電源は同社が設計とデザイン、日産自動車が企画立案と車載使用に向けたノウハウ提供、フォーアールエナジー社が再生バッテリーを二次利用するための開発を行っている。

自動車用に開発されたリユースバッテリーを活用することで、一般的なバッテリーと比べ、さらに幅広く使用できることを目指しているとのこと。今後も低炭素社会およびサステナブルな社会の実現に向けた取り組みを行っていくとしている。

AGC

AGCはSociety 5.0実現への貢献を目的とした同社グループの技術と製品を「モビリティ」「スマートシティ」「ライフサイエンス」の3つのテーマで紹介する。今回はその中でも社会インフラ、交通システム、工場などをスマート化する重要な情報通信基盤として注目を集める「第5世代移動通信システム」向けのソリューションについて紹介してもらえたので、その模様をレポートしたい。

基地局からの電波が直接届かない不感領域に、電波を反射させることで迂回経路をつくり電波を送り届けるのが「透明リフレクタフェンス」。反射時の電波の入射角と反射角が等しいノーマルリフレクタと、両者が異なるメタリフレクタの2タイプが紹介されている。

「透明リフレクタフェンス」

ノーマルリフレクタのサイズは1,000mm×2,000mm。電子機器工場の安全防護柵などのフェンスとして利用が可能で、ミリ波とSub6の両方に対応する。一方、メタリフレクタのサイズは700mm×700mmでミリ波のみに対応。反射特性は任意に設定することが可能だ。

ミリ波を反射する方向を、電気的な仕組みで自在に変えることができる電気制御式反射板「Reconfigurable Intelligent Surface(RIS)」は、下方向、左右方向それぞれ±60度の範囲で反射角を変えることが可能。透明リフレクタフェンスと同様に、屋内だけでなく屋外での利用も想定している。

「Reconfigurable Intelligent Surface(RIS)」

家の窓ガラスから5G電波を取り込み、家の隅々まで送り届けるための「FWA用アンテナ」も参考出品されている。5G通信を屋内で実現するためには、通常は建物の屋根や屋上にアンテナを立て、有線で屋内に引き込む方法が代表的であるが、設置工事が必要となるため相応の手間やコストが発生してしまう。

「FWA用アンテナ」

今回のFWA用アンテナは、近くの基地局に面した窓に取り付けることで、基地局との間の5G通信を安定化することが可能。既存の窓ガラスにFWA用アンテナを貼り付けるだけで、屋内の不感領域の問題を解消できるという。通常の窓ガラスだけでなく、断熱性の高いペアガラスにも対応可能だ。

柱の表面にアンテナの機能を付加して基地局のアンテナを目立たなくする「オンポールアンテナ」も登場。景観を害することなく基地局アンテナを設置することが可能で、薄型で曲面への設置も可能なため、電柱や街灯などの柱の見た目を変えることなく基地局化することを実現する。

「オンポールアンテナ」

「METAVERSE EXPO JAPAN 2022」

CEATEC 2022内では、Meta社を中心に「METAVERSE EXPO JAPAN 2022」を開催する。同会場最大級のブースにて、各社最新のメタバース関連のサービスやプロダクトが展示されている。注目ブースをいくつか紹介していきたい。

「METAVERSE EXPO JAPAN 2022」

凸版印刷のブースでは、1枚の顔写真から短時間でフォトリアルな3Dアバターを自動生成できるサービス「MetaClone Avatar」を紹介。顔写真をアップロードし、身長や体重など必要事項を入力すると約1分でアバターが完成。まばたきや口を開くことも可能で、自然な表情も表現できるという。生成は低解像度、モノクロ写真などでも対応可能とのこと。

短時間でフォトリアルな3Dアバターを作成可能

企業の製品や住居空間などを忠実にメタバース上で再現するサービス「MiraVerseショールーム」は、住宅展示場や自動車のショールームといった空間を高精細に再現し、様々な商品プロモーションにて展開ができる。バーチャルモールアプリ「Metapa」も紹介された。

Metaブースでは、Instagramブースにてバーチャル会議室「Meta Horizon Workrooms」を展開した。オールインワンVRヘッドセット「Meta Quest2」を着用することで、3次元的に再生される音声やハンドトラッキングにより、その場にいるかのような没入感が味わえる。

バーチャル会議室「Meta Horizon Workrooms」を展開

バスキュールのブースでは、JAXAと共同で国際宇宙ステーション(ISS)の飛行位置をリアルタイムにシミュレーションしたメタバース空間のデモを実施。ISSに滞在している宇宙飛行士と同じ地球の光景を眺めることやリアルな宇宙空間が体験できる。

ブース内は多数のデモ参加者で賑わっていた

ソフトバンクのブースでは、バーチャル空間に3DオブジェクトでPayPayドームを再現する「バーチャルPayPayドーム」を展示。3Dアバターを操作して来場体験ができるほか、試合中のピッチャーの投球を解析し、リアルタイムにボールの軌跡を再現する「リアルタイム投球体験」を楽しめる。

「バーチャルPayPayドーム」

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック