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医療器具不足解消へ

ジャパン・メディカル・カンパニー、最先端3Dプリント技術活用の医療用フェイスシールドを医療現場に無償提供

公開日 2020/04/14 16:10 PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
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■医療器具不足の解決策として注目集める3D プリンター

最先端の3Dプリント技術を用いた製品開発を行う医療ベンチャー、株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーでは、新型コロナウイルスの感染拡大による医療器具不足の解消に向けた取り組みのひとつとして、3Dプリンターを用いた医療用フェイスシールド(顔面保護具)の製作を開始した。4月14日(火)から医療現場に試作品の無償提供を実施する。初回は500個の供給を予定している。

東京慈恵会医科大学での試作品着用風景

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、医療器具の不足が深刻な問題となっている。顔面全体を覆い、眼部・鼻腔・口腔粘膜を同時に防護するフェイスシールドもそのひとつ。医療従事者や未感染の患者を新型コロナウイルスの脅威から守る上で非常に重要な医療器具となる。

需要増加に伴い、供給が追い付かない状況に陥いる中、ジャパン・メディカル・カンパニーでは、同社の最先端3Dプリント技術を用いた医療従事者向けフェイスシールドの製作を開始した。素材には、シールド部分に適した透明度の高いPETを使用するコクヨ社のレールクリヤーホルダーの採用を予定している。

■医療機関からフェイスシールド提供希望の受付スタート

フェイスシールドの提供を希望する医療機関からの受付を、4月14日(火)から同社企業ホームページ内のお問い合わせフォームにより開始。希望のあった医療機関には製品の準備が整い次第、順次提供を行っていく。初回は試作品500個の提供が予定されているが、新型コロナウイルスの感染拡大が終息するまで、医療機関からの要望に応じて第2弾以降の展開も検討している。

今回の医療機関に向けたフェイスシールドの無償提供にあたり、試作品のテストに協力した東京慈恵会医科大学 外科学講座 統括責任者・大木隆生氏は「全国の医療現場では医療者防護のフェイスシールドが全く不足しています。ジャパン・メディカル・カンパニーのフェイスシールドはかけ心地が良く、安定感もあります。コクヨのホルダーは透明度が高く、曇らず使い勝手が良い。このプロトタイプは十分実用に耐えるもので、多くの医療者、ひいては患者を守ることでしょう。我々現場の要望に迅速に、品質の高いフェイスシールドを製造することで応えてくれた同社に感謝申し上げたい」と今後の取り組みに大きな期待を寄せる。

同社代表取締役CEO・大野秀晃氏は「フェイスシールドの無償提供は、ベンチャー企業である弊社ができる唯一の貢献です。弊社の3Dプリンターで可能な限りのフェイスシールドを生産し、無償提供についても最大限の対応を行って参ります。医療従事者・医院の皆様からのご連絡をお待ちしております。最前線のあなたをものづくりの現場から支え続けます」と最先端の3Dプリント技術を活かし、医療ベンチャーとしてできる最大限の取り組みを実行していく構え。なお、3Dプリント技術は医療器具不足の解決策として注目を集めており、同社では今後、マスクや人工呼吸器の製造についても検討していく。

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