パナソニックショップへの取り組み概要

ショップ価値向上へ確かな実績。消費増税直前、需要をつくり販売力強化を推進

Senka21編集部 徳田ゆかり
2019年09月06日
パナソニックコンシューマーマーケティング(株)(以下、PCMC)LE社は、地域電気専門店(パナソニックショップ)チャネルに対する「ショップバリュー政策」と、今年の秋冬商戦の取り組み内容について説明会を開催。本年4月よりLE社 社長に就任した片山哲也氏が説明を行った。

パナソニックコンシューマーマーケティング(株)LE社 社長 片山哲也氏

パナソニックショップは全国約15,000店。「パナソニックショップ様と一緒に取り組み、顧客満足を最大化できる」とその重要性をあらためて強調し、位置付けを3つのポイントで説明した。
1.共存共栄のパートナー「パナソニック(旧 松下電器産業)創業者の松下幸之助氏の経営理念を共有。精神的なつながりをもち、親子のように切っても切り離せない存在」。
2.有力な販売網「ビジネスの有益なパートナーでもある。地域社会の暮らしを支え、高齢社会が進展するにつれますます存在価値が高まる存在」。
3.貴重な顧客接点「販売、配送、設置、施工、修理まで請け負う立場として、商品に対する評価をフィードバックしてくれる存在」。


パナソニックからのパナソニックショップに対する政策は、1935年に開始された連盟店制度以来時代に合わせ変遷し今に至る。現在では、1店1店のショップバリューを高め地域社会でのお役立ち向上を目指す「ショップバリュー政策(SV政策)」が2017年より実施されている。

@「ショップバリュー政策」の内容
1.販売網戦略:
将来にわたる店の継続をめざした、事業承継の取り組み。
2.増客戦略:増客を目指し顧客接点活動を増やすための、戦力強化(従業員採用)の取り組み。
3.商品戦略:パナソニックショップの顧客である60-70代をターゲットとしたショップ限定商品の取り組み。


@「ショップバリュー政策」取り組みの具体
1.販売網戦略

事業承継として想定されるパターンは3つ。その1つである親族への承継では、後継者養成機関「松下幸之助商学院」で、1年間の全寮制での合宿研修を通じ、一級経営者・地域一番店をめざす後継者を育てている。もう1つのパターンである従業員への承継では、店長や後継者を対象とした「幹部養成講座」、新入社員らを対象とした「ビジネスチャレンジ150・300研修」などさまざまな研修を実施している。


さらにもう1つのパターンは、他店への承継。これをサポートする「安心リレープログラム」を実施している。高齢化や後継者不足などの理由で廃業を考える店と、事業拡大・商圏拡大に意欲的な店とのマッチングを促す。実施して2年、PCMCの社員が現場を回って店の意向を常に確認中で、プロのコンサルタントも入って引き継ぎや契約のサポート、商圏の分析などを行いつつ実施していく。引き継ぎ店がなかなか見つからないのが課題だが、事業承継による成長戦略を提案するセミナーなどを通じてメリットを説明していく。


販売網戦略の成果として、店の引き継ぎ・事業承継が確実に進んでいることが報告された。

2.増客戦略
増客につながる第一歩は店の戦力強化として、人材採用を支援する。人材募集広告をweb・モバイル、駅貼りポスターで展開、大学や専門学校とも連携するなどして実績につなげている。

固定客増を促すのは、日々の丁寧な仕事と心得てさらに推進する。新規顧客を増やすのは、定期的な情報発信。商圏への情報誌配布や、個展(パナソニックフェア)開催を支援していく。「商品バースデーを設定しての点検や、エアコンフィルターの掃除など、各店で自主的に接点をつくり活動の場を広げている」。店のHPやSNS活用の支援も行う。さらに書籍や新聞、テレビCMなども活用してマルチな媒体でパナソニックショップの認知度向上を促進する。



増客の重要政策の1つが「パナカード」。三井住友トラスト・パナソニックファイナンス(株)との提携による、パナソニックショップでのみ使用できるクレジットカードである。店の現金回収のリスクを軽減、売掛金減少・資金繰り良化につながる。お店の会員カードとして訴求し、顧客の囲い込みを促進する。特別金利の期間や延長保証の設定、プレゼント賞品など特典も用意して会員獲得を推進している。


増客戦略は着実な成果をあげ、新規顧客を増やし、既存客の自然減カバーにつながった。

3.商品戦略
パナソニックショップ限定商品を設定し、パナソニックショップのブランド価値向上につなげる取り組みである。限定商品は、パナソニックの通常商品に、パナソニックショップの中心顧客である60代-70代にアピールする価値を付加している。商品数は2011年度の9カテゴリーから、2018年度には16カテゴリーに拡大した。さらに2018年度からは全パナソニックショップを契約対象とし販売を推進している。


ブランドショップ構想
パナソニックショップのブランド価値向上につなげるテストマーケティング展開として、PCMCが2018年4月から「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」内のショッピングモール「湘南T-SITE」で展開している店舗「クラシンク」の近況も報告された。1年目の取り組みでは、店舗の認知拡大と地域のコミュニティ醸成を推進した。来店人数は累計で12,197名で、うち会員となったのは579名。パナソニックショップへの取り込みを狙う30-40代の顧客層が62%にのぼっているという。「さまざまなサービスを展開しているが、今後パナソニックショップに移植できるようなことをさらに開発していく」。


今年の秋冬商戦・消費増税前後のマーケティング
刈取りを加速する秋冬商戦、2019年は消費増税への対策も加わった展開となる。まずは今年度の上期を振り返り「4月から順調に推移したものの、6月末-7月3週まで天候不順でエアコンが激減した。8月に猛暑でエアコンが大幅に伸びているが、消費増税直前の9月以降の取り組みをどうするかがポイント。12月まで例年とは大きく異なる内容になる」。

増税前に駆け込み需要をつくる
「増税前と増税後は、顧客ターゲットも、商品も売り方も大きく変わる」と片山氏。取り組みのひとつは顧客接点活動の強化。増税前は駆け込み需要を喚起する。「世の中では駆け込み需要はないのではと言われているが、我々は需要を自らつくる。お客様との接点増加が重要」として、通常は10月-11月に集中開催される秋の合展を、2019年は8月後半-9月に前倒しで開催している。ここでは現行品を値ごろ感をアピールして販売。


キャッシュレス決済5%還元を活用
増税後は、中小企業向けのキャッシュレス決済5%還元の国策を生かす。パナカード会員を増やし、上得意客に向けたプレミアムな個展を展開。そこで新商品や高価値商品を販売、さらにセット販売も推進する。そのために新商品の発売時期も増税後のタイミングに合わせていく。また下半期から新たに国策として次世代住宅ポイントが展開されるのに合わせ、水回り設備商品の訴求を強化する。

現在展開中の合展で反響が高まっているのは、史上最高の「ナノイー」水分発生量をもたらすヘアードライヤー「ナノケア」。9月からのキャンペーンを追い風とした炊飯器・圧力鍋。

キャッシュレス決済5%還元の国策対策では、「対象期間となる10月1日から9ヶ月間が勝負。中小小売店対象に登録が必要とされるので7月までにこれを推進。現在約6,000店のパナソニックショップが登録された」。取引上限は1,000万円(未定)。「パナカードで買い物をすれば、リフォーム商材なども5%還元。販売店様元請けなら工事代金も還元対象。分割払いやボーナス一括払いも対象。大いに活用できる」。

販売キャンペーンを強化し接点活動推進
パナソニックショップを対象にした販売キャンペーンもさらに注力。4Kテレビ ビエラとレコーダー ディーガは9月-11月。「AVは今年に入り毎月順調に伸長。前回エコポイント時に販売されたものの買い替えタイミングやオリンピック需要が追い風に。秋商戦でさらに盛り上げる」。事前にコンセントやプラグの点検活動を行いながら、家でスタジアムの臨場感を味わう提案を行っていく。


炊飯器・圧力鍋は9月-10月に。新米 銘柄食べ比べセットプレゼントや、個展・店頭でのレシピ提案など接点活動で実感体験を促進する。掃除機は11月-12月に。ロボット掃除機やコードレスサイクロンなど高価値商品のみならず、お客様の使い方に合わせキャニスタータイプもしっかりと提案していく。最大のキャンペーンとして、東京オリンピック観戦チケットがプレゼントされる「東京2020キャンペーン」、12月からの第2弾の応募期間に向け取り組んでいく。


次世代住宅ポイント制度を追い風とするリフォーム提案活動では、催事や訪問販売、ショウルームへのバス見学会など接点活動を強化。リフォームコンテスト、あったかお風呂キャンペーンといった販売キャンペーンも盛り込んでいく。


こうした販促活動を連打し、販売増を狙う。「上期のエアコンの落ち込みを下期で挽回する」。最後に片山氏は「全国のパナソニックショップ様を元気に。共存共栄の有力なビジネスパートナーとして、販売増に取り組んでまいります」と締めくくった。

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