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ソニー経営方針説明会・続報

ソニーの存在意義は「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」こと

2019/05/21 Senka21編集部・竹内純
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■長期視点でしっかり仕込む

ソニーは5月21日、「経営方針説明会」を開催し、同社代表執行役 社長 兼 CEO 吉田憲一郎氏が、中期経営計画の進捗や今年度の取り組み方針について説明を行った(関連記事)。ここでは続報をお届けする。

2018年度は「人に近づく」を経営指針に、二期連続で過去最高となる業績を記録

社長就任初年度となる昨年の経営方針説明会で、「長期視点を大切にしていきたい」と述べた吉田氏。「この一年に手掛けたことで、もっとも重要なことは “存在意義(Purpose)” を定義したこと」と振り返る。

ソニー(株)代表執行役 社長 兼 CEO 吉田憲一郎氏

昨年7月からスタートを切ったが、その後、半年以上の時間をかけ、社員からも広く声を募り、今年1月に「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動を満たす」と定義し、制定された。「ソニーという会社を長期的に持続可能にしていくためには、我々の存在意義は何かをきちんと定義し、社員としっかり共有することが重要だ」と訴えた。

昨年度は二年連続で過去最高の業績を記録したが、「それも過去の蓄積が出て来たものと思う」と長期視点の重要性を指摘する。大きく貢献したプレイステーションネットワークがスタートしたのは2006年。同社の強みのひとつであったCCDを、これも過去最高業績の記録に大きく貢献したCMOSイメージセンサーへと切り替えたのが2004年。そこから裏面、積層を開発して今に至る。非常に高い利益率を誇るデジタルカメラ「α」を立ち上げたのは2006年。単年度黒字になるまでに7年、累損解消までには12年を要した。「肝に銘じなければいけないのは、長期視点でしっかり仕込みをすること。改めて言い聞かせている」。

プレイステーションネットワーク、CMOSイメージセンサー、デジタルカメラ「α」を例に長期的視点の重要性を訴える

二期連続最高益の原動力となったゲーム&ネットワークサービスについては、「Immersive(没入感)」と「Seamless(いつでもどこでも)」の2つのキーワードで今後の方向性を示した。「Immersiveのユーザー体験は引き続き大事にしていきたい。コンソール市場は、ゲーム市場全体から俯瞰するとややニッチなマーケットと思えるが、我々はコアゲーマーの方へのイマーシブな体験を大事にしていきたい。その意味から当面は、ユーザーのそばにコンピューティングの機能があるコンソールは極めて重要。しかし一方で、テクノロジーは進化している。リモートプレイとPlayStation Nowによるストリーミングサービスも並行して手掛けていく」と説明した。

プレイステーションのミッションとして掲げる「THE BEST PLACE TO PLAY」を追究し続ける

ストリーミングゲーム領域ではマイクロソフトとの協業を発表している。「エンターテインメントや金融など、テクノロジーの間口を広げる一方、強いところにフォーカスをすることにも併せて取り組んでいる。“強み”の周りに仲間を集めることをやってきた。マイクロソフトとの協業は、ストリーミングソリューションにはテクノロジーも投資も必要となるため、他社との協業が最適だと判断した」。

強いところにフォーカスし、周囲に仲間を集める。ストリーミングゲーム領域でのマイクロソフトとの協業もそのひとつ

「ソニーとは、テクノロジーに裏打ちされたクリエイティブエンターテインメントカンパニー。事業は人を軸に動いている」と語る吉田氏。「クリエイターとユーザーを技術の力を用いてつなぎ、テクノロジーに裏打ちされたクリエイティブエンターテインメントカンパニーとして進化していく」と力を込めた。そして、同社のテクノロジーが貢献を目指す社会価値について触れ、「ソニーは地球、社会の中の一員としての、すべての事業活動を通じて、経済価値の追求と同時に社会価値を創出し、よりよい地球環境、社会づくりに継続して貢献していきたい」と言葉を結んだ。

テクノロジーに裏打ちされたクリエイティブエンターテインメントカンパニーとしてさらなる進化を目指す

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