Pepperに続く第2弾

ソフトバンク、AI清掃ロボット「Whiz」発売開始。約1,000万人の労働を肩代わり、「日本をロボット超先進国へ」

Senka21編集部・竹内純
2019年04月11日
■「AIクリーン元年」を宣言

ソフトバンクロボティクスは、昨年11月に開催された「ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO 2018」で発表して大きな話題を集めた、オフィス・業務フロア向けのバキュームAI清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」の発売を5月から開始すると発表した。

最先端の独自AIで清掃効率を最大化AI清掃ロボット「Whiz」

市場導入にあたり、Whizの清掃効果を体感できる「AI Clean 元年」キャンペーンを4月10日から大々的にスタート。希望する施設の清掃に無料で最大1ヶ月、Whizを活用できるというもの。第1弾として1,000施設の申し込みを4月30日まで受け付け、5月中旬より順次提供を開始。また、夏以降に第2弾2,000施設の申し込みを受け付け、合計3,000施設に提供する。

ソフトバンクロボティクスグループ(株)代表取締役社長 兼CEO・冨沢文秀氏(写真右)とソフトバンクロボティクス(株)事業推進本部長・吉田健一氏

「AI Clean 元年」キャンペーンは、希望する施設(企業)ではまず、ソフトバンクロボティクスが立ち合い、運用をサポートしてWhizを1日活用。そこから提供される結果レポートをもとに、利用するかどうかを判断できる

先行して、「WeWork GINZA SIX」「浜松町ビルディング」「赤阪インターシティAIR」など全国15施設でテスト利用が行われたが、その性能の高さに利用者からは驚きの声もあがり、すべての企業・施設で導入に至っているという。ソフトバンクロボティクスグループ(株)代表取締役社長 兼CEO・冨沢文秀氏は、「Whizが市場ニーズにマッチしていたということ。新しい元号を迎える今年をAIクリーン元年と位置づけ、Whizで日本をどんどんキレイにしていきたい」と力を込めた。

Whiz導入により清掃に関わる人件費の大きな削減効果が認められた

事前にテスト利用された15施設すべてが正式導入。高性能を実証した

■人手不足が深刻な清掃業

人型ロボット「Pepper」に続く、ソフトバンクロボティクスが開発・提供する2種目のロボットとなる「Whiz」。その開発背景について、ソフトバンクロボティクス(株)事業推進本部長・吉田健一氏は「労働人口が毎月約5万人減少している。そこへ、どうしたらロボットでサポートできるのか。6,500万人と言われる日本の労働人口のうち、約1,000万人はなんとかできると思う」と語る。

日本の労働人口約6,500万人のうち、ソフトバンクロボティクスではおよそ1,000万人がロボット化可能と見る

同社ではロボット化の工程を3つのステップで捉える。ステップ1は、「顔」を使って行うホテルの受付などの接客ロボ。ステップ2は、「脚」を使って行う清掃ロボや配達ロボ。そしてステップ3が「手」を使って行う調理ロボや片付けロボだ。すでに数千社の導入実績を誇るPepperはステップ1。そして、ステップ2として最初に手掛けるのがAI清掃ロボットWhiz。「清掃業は特に人出不足が深刻。有効求人倍率は3倍に達し、とにかく人が採れない。さらに、働き手の60%以上を高齢者が占めている」とロボット化に対する必要性の高さを指摘する。

AI清掃ロボット「Whiz」を活用して、清掃業界が抱える課題の解決を目指すパートナー企業「AI Clean パートナー」として、株式会社アクティオ、株式会社大塚商会、シーバイエス株式会社、ソフトバンク株式会社、株式会社ダスキン、ディーコープ株式会社、リコージャパン株式会社、リ・プロダクツ株式会社が参加。発表会には各社代表が出席した

■日本をロボット超先進国へ

これまでの清掃の常識を覆すAI清掃ロボットWhizは、最初に手押しで清掃エリアの地図データを作成、記憶(ティーチング)させると、次からは、スタートボタンを押すだけで、記憶した地図データを基に清掃ルートを自律走行して清掃する。清掃ルート上に人や障害物が出現した場合にも、搭載する複数のセンサーが検知して、回避しながら走行する。全ての清掃データはクラウドにアップされ、データを見える化できる。

ホームロケーションボード(Whizの奥に見える縦長のボード)からスタートして清掃ルートを認識する

清掃エリアはテニスコート約2面分に当たる500m2を1時間で清掃する。「清掃をロボット化できるのは、結局は床清掃のところだけ。トイレ掃除など人の作業が6〜7割は残る。それを人がやっている間に、ロボットに床清掃を終えてもらうスピードが求められる。家庭用ロボットでは1時間でせいぜい100m2。実用には耐えられない」と説明する。

清掃のロボット化による最大の効果のひとつは“清掃力”。ダニ・カビなど人間では判断できない汚れもHEPAフィルターで清浄化。所だけを重点的にキレイにする人に対し、ロボットは全面均一にキレイにできる

価格は月2.5万円。清掃に要する人件費はケースバイケースだが、Whiz導入により、月54万円から43万円へ削減した例も見られた。冨澤氏は「Pepper以来、非常に気合が入った、グループ代表の孫も非常に気にしている製品。大事なことは、ロボットを導入するとコストが下げられる話が強調されるが、それと同等以上の価値として、Whizであれば人間がするより圧倒的にキレイにできることもポイント。もともとある文化の中にAIやロボットが入っていくことには、期待も戸惑いもあるが、技術は確実に浸透していく。なんとしても日本にロボット超先進国になっていってもらいたい」とWhiz導入へ向けた意気込みを示した。

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