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耳元で「オーディオに課金して」

<ヘッドフォン祭>小岩井ことりがサイレントにASMRした“濃くて有り”なイベントレポート

公開日 2019/04/29 11:30 編集部:押野 由宇
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4月27日(土)-翌28日(日)に東京・中野サンプラザで開催中の「春のヘッドフォン祭2019」にて、「小岩井ことりのサイレントASMRトークショー」が行われた。サイレントで、ASMRという、タイトルからしていろいろと気になる点が多いイベントの模様をレポートしたい。

まず小岩井ことりさんだが、女性声優にしてバリバリのサウンドクリエーター、さらに先日は「MENSA」会員となり世間をざわつかせるなど、属性が多すぎて困る人だ。さて、AV媒体として注目したいのは、やはりポータブルオーディオ愛。各イヤホン&ヘッドホンに引っ張りだこになるほどの、その愛は “ガチ”(関連記事)。今回も、その多彩な技能から実現したのだろう、濃いイベントが行われる運びとなった。

いろいろ “ガチ” な小岩井ことりさん

ASMRとは、Autonomous Sensory Meridian Responseの略だが、つまりは耳で聴いたらぞわぞわするような気持ちになる音源だ。これをイベントでサイレントにトークショーするとはなんぞ、と思ったが、秘密はダミーヘッドマイクと、参加者全員に同じ音源を届けるシステムにあった。

座席には参加人数分のイヤホン試聴システムが

座席には、ヘッドホンアンプとFitEarのイヤホンが配置されており、着席するとそのイヤホン(もしくは愛用モデル)を装着。会場に姿を現した小岩井ことりさんが、設置されていたダミーヘッドマイクにおもむろにボソボソ話しかけるかたちでぬるっとイベントがスタート。静かな会場のなか、耳元ではっきり聴こえる小岩井さんの声が心地よい。なるほど、サイレントASMRじゃねーの。

挨拶代わりの耳元ボイス

ずっとないしょ話のように進むわけではないため、イヤホンを外せば、普通に小岩井さんの生声が聴こえる。しかし、イヤホンを着けた状態では、ちょっと小岩井さんが作業した際に漏れた「よいしょっと(吐息)」が、我が耳にストレートに聴こえる。ASMRとトークショーのコラボは有りだ。

なお、会場で使用されたのはノイマンのダミーヘッドマイクだったが、それが「本気で欲しいんです!」という小岩井さんは、「クイズ番組に出て賞品を稼いでこようかな」というくらいの本気度と意欲を見せた。(その結果、こんなつぶやきにつながった)


記者が参加したのはイベント第一部だったが、ゲストには超実力派のレコーディング・エンジニア杉山勇司氏が登場。エンジニアの “大先輩” である杉山氏の執筆した本を「エンジニアみんなが読む教科書」と崇め、フォローを入れつつもガンガン専門的な話を繰り広げた。

杉山氏が携わった楽曲はX JAPANからクッキングアイドル(まいんちゃん)までおそろしく多岐にわたるが、『アイドルマスター』について問われると、765プロの初期の頃に、双海亜美・真美のキャラクターソングなどを手がけたということだ。小岩井さんからは『ミリオンライブ!』についてもよろしくアピールが行われた。

続いて、小岩井さん作詞曲編曲歌唱の『運命の輪を廻す者 XX』をテーマとしたトークに移行。製品版はプロのエンジニアが手がけているが、会場では小岩井さんが自身でミキシングしたバージョンを用意し、それをもとに、杉山氏からアドバイスを受けつつ、ボーカルのミックスを実践していった。

『運命の輪を廻す者 XX』を最初に聴いたときに、杉山氏は「これは一人でやっているの?」と驚いたという。そして「ミックスで何とかするより、ことりさんが声色を変えたほうが曲のためになる。それは、一人で全部やるということりさんのアドバンテージ」と、プラグインエフェクトでどうにかするしかないという段階から、戻って録り直しができるメリットを強調した。

そして杉山氏が退場すると、小岩井さんから「では、いよいよASMRに入りましょう」の声。これ以上にASMRるのか。ということで、ここからはいかにもASMR体験コーナーとなった。ダミーヘッドマイクにビニール袋を被せる、ぺろぺろキャンディーを舐める、セッコとチョコラータばりによしよしする、という音を小岩井さん自ら奏でてくれた。

さらに、その場でアンケートを取った耳元で言われたいセリフを小岩井さんがささやくコーナーに。「いつもお仕事おつかれさま」「ねえ、起きて?」「もっとオーディオに課金して」といったワードを耳元で聴いた参加者に、「みんな、いい顔してる」と小岩井さんは笑顔を見せた。ASMRトークショー、大変そうだが今後もやって欲しい。

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