HOME > ニュース > <ヘッドフォン祭>ファーウェイの高音質Bluetooth規格「HWA」は、“聴感上の重要帯域をロスレス・エンコード”

HWA対応イヤホンが5月に日本登場へ

<ヘッドフォン祭>ファーウェイの高音質Bluetooth規格「HWA」は、“聴感上の重要帯域をロスレス・エンコード”

公開日 2019/04/27 22:16 編集部:小澤貴信
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
本日27日より開幕した「春のヘッドフォン祭2019」。HUAWEI(ファーウェイ)は、同社が手がけるBluetoothオーディオのトータルソリューション「HWA」に対応したネックバンド型Bluetoothイヤホン「FreeLace」を参考出展。また、96kHz/24bitにも対応するHWAについて、その詳細や優位性をブースでアピールした。

「FreeLace」

本機は海外の一部ではこの4月から発売されていたが、日本での発売は未定とされていた。今回ブースでは、FreeLaceが5月頃から日本にも導入され、HWA対応イヤホンの日本導入第1号となることが明かされた。

FreeLaceは片側のイヤホンを取り外すとUSB-C端子が露出。これを対応スマートフォンに直接挿すだけでペアリングが行えることも特徴だ。

片側のケーブルを外すとUSB-C端子が現れる

上述のようにブースでは、HWAの優位性について改めてアピールが行われた。HWAは、LHDCと呼ばれる独自コーデックをベースとしたBluetoothオーディオのシステムおよび認証システム。LHDCは、LDACやaptX HDに続く、第3のハイレゾ相当伝送に対応したコーデックと言える。LHDCは、最大96kHz/24bitに対応している。

LHDCコーデックは96kHz/24bitに対応するが、その伝送においては独自のアルゴリズムを用いる。具体的には、聴覚心理モデルを用いてハイレゾオーディオを2つのエリアに分割し、聴感上重要な帯域はロスレス(可逆)・エンコードを、それ以外の帯域はロッシー(非可逆)・エンコードを行う。また、後者の信号は低い周波数帯域の冗長エリアにリロケーションして送信を行うという。こうした処理により、広帯域・高ダイナミックレンジ、ロスレスに肉薄する音質を実現するとする。

会場で配布されたLHDCコーデックのエンコード手法についての資料

重要度の低い信号をロッシー圧縮して冗長エリアにリロケーションする、という点などは、MQAにおける処理を連想させるものがある。もちろん両者に関係性はないが、最新のオーディオ技術の共通点として興味深い。

一方で、同社はHWAについて、LHDCをベースとしつつも、コーデックだけではなく、送出側のエンコーダー入力から受信側の出力に至るまでのトータル品質を保証するためのシステムとして展開するものと説明する。これにより、音質だけでなく、レイテンシーや接続性についても担保することができるのだという。

そのほか、HWAの特徴として、高圧縮率により低ビットレートでも高音質がえられること、厳選された高品質DACのみを採用することによる低歪・高S/Nなども挙げられた。

なお、HWAの認証については、Bluetoothの接続互換性、安定性、レイテンシーの評価、デジタル/アナログ系の基準設定について認証が行われるという。この認証は細かなプロセスに分かれており、品質を担保するものとして重要な役割を担う。

いずれにしろ、FreeLaceの登場によって、初夏頃にはHWAの音質を実際に日本のユーザーも体験することができそうだ。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE