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8K映像のライブビューイング実験も

キヤノン、自由視点映像や8K中継などスタジアム映像ソリューションの実用化に向けた実証実験

公開日 2018/10/29 19:51 編集部:平山洸太
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キヤノンは、10月27日に日産スタジオで行われたラグビーのニュージーランド代表とオーストラリア代表の試合「ブレディスローカップ2018」にて、8Kカメラやネットワークカメラを用いた実証実験を行った。


映像関連の実証実験の内容は、自由視点映像生成、ライブビューイングといったものとなる。

自由視点映像の生成については、スタジアムを囲むように配置された高解像度カメラの映像を処理して、実際のカメラ位置にとらわれずに好みの方向からの映像を見ることのできる自由視点映像を生成した。これにより、スタジアム内を自由に飛び回る、試合中のフィールドに入り込んで選手と同じ視点を体験する、同じシーンを自由なアングルで多面的に見るなどの映像体験を実現するという。

柱に設置した撮影用カメラ

なお生成した自由視点映像は、株式会社ジェイ・スポーツの協力により、10月31日に「JSPORTSオンデマンド」にて配信される。

臨場感のあるライブビューイングは、同社の8Kカメラに魚眼レンズを装着して広視野で撮影した映像をリアルタイム変換し、キヤノン本社(東京都大田区)でライブ上映を行った。映像を複数台の4Kプロジェクターで投影することで、視野全体に広がる映像空間を実現したことに加え、映像のスイッチングに合わせた立体音響を重ねることで、あたかもスタジアムの観客席やフィールドのピッチサイドにいるような臨場感を再現したとのこと。

臨場感映像ライブ上映の様子

8K高精細映像のライブビューイングは、キヤノンの8Kカメラとレンズで撮影した映像を光回線を用いてキヤノン本社へ伝送し、ライブ上映を行ったもの。8K/HDRディスプレイや4台の4Kプロジェクターを用いて投写することで、細部まではっきりした8K映像を出力したという。

撮影に使用した8K カメラ・レンズ

またネットワークカメラを用いた広域セキュリティ実験では、事前登録した人物の検出・追跡、群衆人数のリアルタイムカウント、時間帯ごとの混雑状況解析を行った。

登録した人物の検出・追跡で行った実験は、ネットワークカメラの映像から事前登録した人物(実験では同社社員を登録)を顔認証によりリアルタイムに検出し、スタジアム内への入場および行動ルートを把握するというもの。同社の光学技術や映像処理技術を駆使したカメラにより、暗い場所や逆光も含め、さまざまな環境下でも高精度な検出を実現したという。

人物追跡の様子

群衆人数の推定では、ネットワークカメラの映像からスタジアム内の広場や売店前などに集まった人数をリアルタイムでカウント、さらに時間帯ごとの混雑状況を解析する実験を行った。大勢の人が密集して重なっていたり、さまざまな方向を向いていたりする群衆の映像からでも、AI技術を用いることで高い精度で人数をカウントできたとした。

人数カウント中のモニター画面

混雑状況の解析結果

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