持分約90%を間接的に保有

ソニー、EMI Music Publishingを連結子会社化

編集部:小澤貴信
2018年05月22日
ソニー(株)は、ムバダラインベストメントカンパニー(以下、ムバダラ)が主導する投資家グループが保有するEMI Music Publishingの持分を取得することで合意に至ったことを発表。これに伴い、EMI Music Publishingはソニーの連結子会社となる。

同投資家グループはEMI Music Publishingについて約60%の持分を保有。そのすべてを、ソニーの完全子会社であるSony Corporation of Americaに対して、47.5億米ドルの企業価値を前提として売却することについて、法的拘束力を有する基本合意書が締結された。

この取引の結果、ソニーはEMI Music Publishingの持分約90%を間接的に保有することとなり、EMI Music Publishingはソニーの連結子会社となる。本件取引の完了は関係当局の承認及び許可の取得を含む、諸条件を満たすことが条件となる。

ソニーがEMI Music Publishingの持分の取得に対して支払う価格は、現時点で約23億米ドル程度と想定される。また、ソニーは本件取引の完了時にEMI Music Publishingの総負債約13億5,900万米ドル(2018年3月31日時点)を承継する。また、本件取引完了に伴い、ソニーは既保有のEMI Music Publishing持分に関する再評価益を、営業利益に約1,000億円計上する見込みだ。

なお、再評価益およびEMI Music Publishingの連結子会社化に伴うソニーの業績への影響は、ソニーの2018年度業績見通しに反映されておらず、現在精査中とのこと。

ソニーとムバダラによる投資家グループは、2012年にEMI Music Publishingを買収。同投資家グループは、買収成立以降はムバダラおよび第三者の投資家を代表してEMI Music Publishingの経営を行ってきた。

また過去6年間、ムバダラおよびソニーは、ソニーの音楽出版会社でありEMI Music Publishingの契約する楽曲制作者による楽曲を管理してきたSony/ATV Music Publishingと共に、既存の楽曲制作者との関係を強化。EMI Music PublishingとSony/ATVで新たな楽曲制作者との契約を折半する形で拡大することにより、EMI Music Publishingの事業の価値向上に取り組んできたとのこと。

プレスリリースでは、有料サービスを含むストリーミング音楽配信が世界的に伸長したことで、EMI Music Publishingのカタログの価値が向上したとも述べられている。

EMI Music Publishingはクイーン、キャロル・キング、モータウンなどのカタログから、カニエ・ウェスト、アリシア・キーズ、ドレイク、サムスミス、ピンク、ファレル・ウィリアムズ、カルヴィン・ハリス、フェティ・ワップ、ホージア、シーアなどの最新楽曲を含む、200万を超える楽曲数の著作権を保有または管理している。

ソニーは、100%子会社で音楽出版事業を手掛けるSony/ATVと、同じく100%子会社である(株)ソニー・ミュージックエンタテインメントをあわせて、230万曲を超える楽曲の権利を管理している。

なお、EMI Music Publishingは2017年度に売上高6億6,300万米ドル、調整後営業利益1億8,100万米ドル、調整後EBITDA2億4,900万米ドルを計上している。

ソニー(株)の社長兼CEOである吉田憲一郎氏は、「音楽産業は定額音楽ストリーミングサービスの伸長を背景に、近年成長に転じている。当社はエンタテインメント領域における強力なIPのポートフォリオ構築に集中しており、今回の買収は当社の長期的な成長に向けた重要な布石となると考えている」とコメントしている。

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