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クアルコムがハワイで発表

「Snapdragon 845」は4K/HDR撮影に対応。完全ワイヤレスイヤホンでaptX HD対応、音切れ抑える新技術も

公開日 2017/12/07 08:23 山本敦
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米クアルコムは、ハワイ・マウイ島で開催中のイベント「Qualcomm Snapdragon Technology Summit」の2日目に記者発表会を開き、次世代のモバイル向けチップセットのフラグシップSoC「Snapdragon 845」シリーズの詳細を公開した。

ステージにはクアルコム テクノロジーズのSVP兼プロダクトマネージャーのKeith Kressin氏が登壇。新しいSnapdragon 845シリーズのハイライトを紹介した。

Snapdragon 845シリーズのハイライトをプレゼンテーションするクアルコムテクノロジーズのKeith Kressin氏

Snapdragon 845シリーズは、CPUのKryo 385、GPUのAdreno 630、AIやVR/AR系コンテンツの処理を実行するDSPのHexagon 685、カメラ用の画像処理プロセッサーのSpectra 280などのコアを集積。異なる種類のプロセッサーを個別にではなく、一緒に動かしながら高速・高効率な処理を実現するアーキテクチャーを採用している。

各コンポーネントを一新したSnapdragon 845シリーズのシステム構成

AI(人工知能)まわりの処理パフォーマンスが約3倍向上している

Kressin氏は現行SoCのSnapdragon 835シリーズとの性能比較について「用途によって比較の結果は変わってくる」としながら、CPU/GPUのパフォーマンスは約25%向上、グラフィック処理を効率化したことで、ゲームやVR/AR系コンテンツの処理は約30%ものバッテリー性能の向上が図れているとアピールした。AI処理全体のパフォーマンスについては約3倍強化されている。

またSnapdragonシリーズとしては初めてシステムメモリを追加して、セキュリティ用途のプロセッサーユニットを別途切り分けるかたちで搭載した。

動画は最大4K/HDR・60pのデータキャプチャーにSnapdragonシリーズとして初めて対応した。

4K/HDR動画コンテンツの撮影にも対応した

Bluetoothは Ver 5.0に対応。Bluetoothイヤホンの電力消費量を最大50%抑えられる。

また、独自のBluetoothワイヤレスオーディオのテクノロジーである「Qualcomm  TrueWireless」では、完全ワイヤレスイヤホンについて、スマートフォンなどの送り出し側端末から左右それぞれのイヤホンへ直接Bluetoothで接続することによって接続性の改善を図っている。

現在の完全ワイヤレスイヤホンは、そのほとんどが、まず片方のイヤホンとスマホをBluetoothで接続し、そこからもう片方のイヤホンへとデータを送っている。これが音切れや遅延の大きな原因の一つとなっている。今回の新技術では左右のイヤホンとスマホが直接つながるため、音切れや遅延の大幅な抑制が期待できる。

そのほかSnapdragon 845では、完全ワイヤレスイヤホンにおけるaptX HDコーデックの音楽信号の伝送にも対応している。

ワイヤレスオーディオは完全ワイヤレスイヤホンのaptX HDコーデック対応を実現。複数のワイヤレススピーカーへのダイレクトなストリーミングも可能になる

Snapdragon 845シリーズを搭載するコンシューマー向けモバイル端末の発売時期については、Kressin氏が2018年前半頃になるだろうと見通しを語っている。昨日の記者発表会では、サムスン電子とシャオミが最初の製品を手がけるブランドであることも明らかにされた。

後ほど発表会の模様とともにSnapdragon 845シリーズの詳細をレポートする。

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