HOME > ニュース > エプソン、新スマートグラス「MOVERIO Pro」でウェアラブル事業BtoB/BtoC両輪展開へ

BT-200シリーズの販売にも手応え

エプソン、新スマートグラス「MOVERIO Pro」でウェアラブル事業BtoB/BtoC両輪展開へ

公開日 2015/06/23 18:36 編集部:杉浦 みな子
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
エプソンは、同社が展開するスマートグラス“MOVERIO”シリーズの新製品として、ヘッドマウント型の業務用モデル“MOVERIO Pro”「BT-2000」を発表した。完全なBtoB向けのモデルとなり、発売は9月を予定している。価格はオープンだが、直販サイトでは36万円で販売する。

BT-2000を装着したところ

本体はディスプレイ部とコントローラー部で構成される

BT-2000は、同社が昨年市場投入したメガネ型のウェアラブルディスプレイ「BT-200シリーズ」で得たフィードバックをもとに開発した製品。BT-200をベースに、業務用途向けの新デザイン・新機能を搭載する形でブラッシュアップした。

BT-2000は、ディスプレイ部とコントローラー部で構成されている。ディスプレイ部は、BT-200と共通するメガネ型の両眼シースルーディスプレイに、頭部で固定するヘッドセットを組み合わせたヘッドマウント型。MOVERIOシリーズで同社が一貫してアピールしてきた両眼ディスプレイ型による視認性のメリットを継承しながら、業務用途で長時間使用するような場合でも、安定して快適に装着できるように配慮したことによる。

ディスプレイ部の内側

BT-2000を装着しての作業イメージ

そのほかにも業務用途として多くの新機能を備えており、ディスプレイ部は、輝度を従来の1.5倍に向上して作業時の視認性を高めており、画像の表示位置も調整できるようにした。加えて可動にも対応しており、作業中に映像投影をしないときには、ディスプレイ部だけ上部にはねあげておくことができる。さらに音声コマンド機能を新しく搭載しており、作業中にハンズフリーで使用できるようにしている。

BT-2000の機能。BT-200をベースに、業務用途として様々な新機能を搭載している

また、ジャイロセンサー・加速度センサー機能を備えた新規開発の高精度センサーIMUも新しく搭載した。地磁気センサーやGPSも備えている。照度センサーによって、周囲の環境にあわせて明るさを自動で切り替えられる。本体は、IP54の防水防塵仕様で、様々な現場での使用に耐えられるように配慮。新しく500万画素の高解像度ステレオカメラも搭載している。

エプソン販売(株)代表取締役社長 佐伯直幸氏は、「コンシューマー向けに発売中のBT-200は、エプソンのコア技術を活かして開発した製品。昨年のCEATEC AWARD 2014ではライフスタイル・イノベーション部門のグランプリを獲得し、高い評価を得た。このBT-200を展開する中で様々な使用事例が集まり、ビジネス用途への高い期待を実感したことから、今回のBT-2000開発に至った」と説明した。

佐伯直幸氏

BT-200は、CEATEC AWARD 2014ライフスタイル・イノベーション部門のグランプリを獲得した


ビジネス用途への高い期待にあわせてBT-2000を開発
なお、BT-200は元々3年間で5万台の販売を目標としていたが、発売から一年を経た現在、多少うわぶれ傾向で推移しているという。このことから同社 取締役 販売推進本部長 鈴村文徳氏は「コンシューマー向けのスマートグラスについてある程度の手応えは感じている。その中で、BtoBやBtoBtoCへの期待値が高いとわかったので、今回のBT-2000はその方面をさらに拡大するべく開発した製品。BtoBもBtoCも両輪で強化していく」と語った。

鈴村文徳氏

国内市場におけるBT-2000の販売目標について、鈴村氏は「ポテンシャルはもっとあるかもしれないが」と前置きした上で、3年間で1万台という数字を掲げた。なおBT-2000は欧米地域でも同時にリリースされており、さらにアジア地域での展開も順次予定している。加えてBT-200の販売についても引き続き注力していくとのことで、エプソンでは今後「コンシューマー向けのBT-200、業務用途向けのBT-2000」の両軸でウェアラブルディスプレイ市場の拡大を図る。

MOVERIOシリーズの住み分け

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク