IGZOも強力アピール

【CES】シャープ、4K「AQUOS Ultra HD」展示 − 次世代クアトロンのデモも

ファイル・ウェブ編集部
2013年01月09日

85型の8K液晶ディスプレイ
シャープが2013 International CESの会場で注力していたのは、フルHDを超える「Ultra HD」「IGZO」「新AQUOS」の3点だ。それぞれ順番に展示内容を紹介していこう。

まずUltra HDについてだが、今回同社は、85型の8K(7,680×4,320ピクセル)液晶ディスプレイを参考展示した。2011年5月にNHKとシャープが、スーパーハイビジョン(SHV)向けの液晶ディスプレイを共同開発していたが(関連ニュース)、サイズと解像度は同じもの。UV²Aパネルが用いられており、RGB各色10ビットの表示が行える。一般的にUltra HDは4K(3,840×2,160)を指すことが多いが、今回同社はあえてその4倍のピクセル数を持ってきて、技術力の高さをアピールした。

プレスカンファレンスでも発表された、AQUOSブランドの4Kテレビ「AQUOS Ultra HD」の参考展示も行われた。展示されていたのは70型で、モスアイパネルを用いているが、実際の商品化の際のサイズや価格、モスアイを搭載するか否かなどは、まだ一切決まっていないという。発売時期は今年下半期を予定している。

AQUOSブランドの4Kテレビ「AQUOS Ultra HD」試作機

4Kテレビでは、アイキューブド研究所と共同開発した「ICC PURIOS」もデモルームが用意され、米国デビューを飾った。デモソースは映画だけでなく医療用のレントゲン写真やエクセルの表なども用意され、ビジネス用途も見越していることがわかる。米国では今夏の発売を予定しており、価格は未定。

「ICC PURIOS」もデモルーム内に複数台が展示された

テレビ関連の技術訴求では、モスアイの紹介コーナーを用意。日本ではすでに搭載製品が発表されているが、アメリカではまだ登場しておらず、2014年以降を見据えた技術として、そのメリットがブース内で紹介されていた。

そのほかのテレビ関連の技術では、これもプレスカンファレンスで2014年以降に実用化する技術として紹介された「次世代クアトロン」に注目したい。

「次世代クアトロン」搭載テレビの試作機

クアトロンはRGBに加えてイエローのサブピクセルを加えた、4原色の液晶パネル技術。数年前から同社のAQUOSに採用されている、おなじみの技術だ。

これまでもクアトロン1画素全体ではなく、サブピクセル単位で駆動制御を行うことで、斜め線などを滑らかに見せる技術が盛り込まれていたが、従来は水平方向のみの制御にとどまっていた。次世代クアトロンの駆動技術では、水平方向に加えて垂直方向の制御も行えるようにすることで、フルHD相当の画素数でありながら、4Kに迫る精細感が得られるという。

実際の映像を見ると、4Kに迫るという言い方は若干大げさとしても、既存のパネルに比べ明らかに精細感が高い。安価に、従来のパネル製造技術を使って精細感を高める技術として注目を集めそうだ。

左が通常、右が次世代クアトロン。精細感がかなり上がっていることがわかる


左が既存テレビ、右が次世代クアトロン


同じく左が既存テレビ、右が次世代クアトロン

■IGZOは米国初公開のデバイスを展示

IGZOについては、デバイスとしての訴求と、搭載したハードウェアの訴求の2本構えで行われていた。

デバイスについては、IGZOをTFTに用いた有機ELパネルを展示していた。一つは3.4インチの曲げられるパネルで、半導体エネルギー研究所と共同開発したもの。0.1mm以下の薄さで、質量はわずか2g。曲率は10mmまで。

3.4インチの曲げられる有機ELディスプレイ

もう一つは13.5インチの4K解像度を実現した有機EL。画素密度は326ppiと、有機ELとしては世界最高水準にあたる。明るさは200cd/m2

13.5インチの4K解像度を実現した有機EL

IGZOを搭載した液晶では、6.1インチで2,560×1,600ピクセルを実現し、画素密度は約500ppiという高精細なパネルを展示している。

IGZOパネルを搭載したハードでは、昨年発売した世界初のIGZO搭載スマートフォン「SH-02E」のほか、ソフトバンクから3月に発売されるスマートフォンや、タブレットなどを展示。また32インチで4K解像度を実現したPC用ディスプレイも置かれていた。

なお32インチの4K液晶ディスプレイは、タッチパネルを採用した新モデルを、米国で今年第2四半期に投入する計画も明らかにされた。

■AQUOS新モデルは大型モデルに注力

シャープでは、AQUOSの新モデル「8/7/6シリーズ」をこの春米国で発売する。同社のブースで実機を確かめることができた。

各シリーズの詳細はプレスカンファレンスの記事(こちら)をご覧いただきたいが、3シリーズともに80/70/60インチという大型モデルのみを取りそろえたのが大きな特徴だ。

AQUOS新製品のフラグシップモデル、8シリーズ

会場には米国内で販売されている90型のAQUOSも展示されていた

60型超の市場では米国でナンバーワンシェアを持ち、今後もさらなる大型化を図るのが基本戦略の同社だけあって、徹底して大型ラインナップにこだわった展示内容となっていた。

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