アナログ停波後に空く電波帯域を利用

mmbi、携帯向け次世代サービスのデモを披露 − 1週間で300コンテンツの自動ダウンロードサービスなど発表

ファイル・ウェブ編集部
2010年03月08日
2011年のアナログ停波後に空く電波帯域を利用して、携帯電話向けの次世代メディアサービスの提供を目指す(株)マルチメディア放送(mmbi)は本日、同社が提供するサービスイメージのデモを公開した。


mmbiが提供する次世代メディアサービスのイメージ
同社はNTTドコモ、フジテレビジョン、スカパーJSAT、ニッポン放送などの出資により2009年1月に設立(関連ニュース)。2011年のアナログ停波後に空く電波帯域に、地上デジタル放送で使われているISDB-T方式を拡張した新放送規格「ISDB-Tmm」方式を利用した次世代サービスの提供を目指す。


ISDB-Tmm 33セグメント連結送信実現の検証のため試作した変調器によるデモ。13セグメント一括送信を行い、13セグメント受信機で2ch同時受信を行う

周波数の配置イメージ
日本では現在、NTTドコモ系列のmmbiとソフトバンクモバイル系列のモバイルメディア企画が推進する「ISDB-Tmm」、KDDI系列のメディアフロージャパン企画が推進する「MediaFLO(メディアフロー)」の2規格が台頭しているが、総務省は規格を1つに集約させたい意向を示している。mmbiが免許を取得すれば、まずはNTTドコモ端末で本サービスが利用できるようになる。

ISDB-Tmmで主に提供されるのは「高品質ストリーミングサービス」「ファイルキャスティングサービス」という2種類のサービス。


「高品質ストリーミングサービス」と「ファイルキャスティングサービス」

ファイルキャスティングサービスの概要
「高品質ストリーミングサービス」は従来のワンセグのように放送を受信しながらリアルタイムに映像を視聴できるというもの。ワンセグの最大解像度320×240(最大フレームレート15fps)に対し、ISDB-Tmmでは最大720×480(最大30fps)での視聴が可能になるなどより高画質でスムーズなコンテンツを提供することができる。

「ファイルキャスティングサービス」は、映像、音楽、電子書籍など多様なコンテンツが自動的に携帯電話にダウンロードされ、ユーザーが観たいときに電波状況に関わらず視聴できるという貯蓄型放送サービス。ISDB-TmmにはMPEG-2 TS上で効率的にIPパケットを伝送する機能とともに、放送で受信しきれなかったパケットデータを通信網で補完ダウンロードする機能も追加されている。

時間に応じて帯域幅を変更し、ストリーミングとファイルキャスティングのコンテンツの提供数を調整するといった帯域利用も可能だという。またファイルキャスティングでは、端末の所有ユーザーの好みに応じてコンテンツを自動蓄積するレコメンド機能を備えている。さらに朝起きたらニュース番組が蓄積されているといったように時間帯に応じたコンテンツ提供も可能だ。

本日のデモでは端末にNTTドコモのAndroid携帯電話「HT-03A」を使用。「HT-03A」が搭載している加速度・傾き・地軸センサーの特長を利用し、端末自体を傾けたり振ったりすることでメニューやチャンネルが切り替わる直感的なインターフェースが採用されている。

コンテンツは、ストリーミング帯の生放送として、スポーツや音楽の中継ものを提供する「ライブ」や、mmbiの自社スタジオで収録するオリジナルの生中継放送番組「メインチャンネル」などを提供。ファイルキャスティングサービスではユーザーひとりひとりにあった推奨コンテンツを表示する「オススメ」、時間帯別のmmbiオリジナルのニュース番組を提供する「ニュース」などを提供する。レシピ、株価などユーザー自身で登録したコンテンツが届くようにする「お気に入り登録」機能や、ジャンルによる検索機能も備える。


ユーザーによるコンテンツの評価も確認できる

ストリーミング番組を提供する「ライブch」


mmbiオリジナルの「ニュースch」

視聴中のコンテンツの周辺情報も入手可能。画面はニュースキャスターのプロフィール
説明員によるとファイルキャスティングは1週間で300コンテンツほど蓄積できるようにする予定。データ容量や他端末へのデータ転送への対応などは未定だが、「将来的には1週間分のコンテンツを1枚のSDカードに納めて持ち歩けるようなことを考えている」という。また将来的な構想の一例として、外部出力連携のイメージデモも披露された。会場では携帯電話内のコンテンツをHTTP/WiFi経由でPCにHTTPストリーミング再生させ、家庭用テレビ画面にHDMI出力するというデモだったが、テレビ側のHDMI無線伝送への対応次第で、外出先で途中まで携帯電話で視聴していたコンテンツの続きを帰宅後にテレビ画面で視聴するといった利用も可能になる。


コンテンツをメールで送ることもできる

端末を振ると視聴中のコンテンツを外部出力するというインターフェース
(株)マルチメディア放送 代表取締役社長の石川昌行氏は「新しい放送のかたちを創造し、新しい感動を提供することを目指している。我々のサービスだけでクローズするのではなく、様々なコミュニティなどとも連携しより広くユーザーに求められるサービスを提供していきたい」と意欲をみせた。

石川昌行氏

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