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日本では外資系半導体メーカー売上高トップ5を目指す

アナログ・デバイセズ、2010年度事業方針説明会を開催

2010/01/29 AVレビュー編集部:西山 巨
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アナログ・デバイセズは本日、東京・大手町にて事業方針説明会を開催した。発表会には米国本社(ADI)のヴィンセント・ロウチ氏(ヴァイス・プレジデント ストラテジック・マーケット・セグメント・グループ担当)及び同社日本法人の代表取締役社長の馬渡修氏のそれぞれが登壇。双方の本年度事業計画を発表した。


米国本社(ADI)のヴィンセント・ロウチ氏(ヴァイス・プレジデント ストラテジック・マーケット・セグメント・グループ担当)
ヴィンセント・ロウチ氏は、まず「システムレベルでより効率に優れた商品をカスタマーに提供し、長期的な視野で経営を行う。技術を極めて製品の完成度を上げていく」と発言。BtoB及びBtoCのそれぞれのバランスを取り、健全な財務基盤を確保して最適なパートナーとビジネスを推進していくと述べた。低迷期にあった2009年から一変し、2010年はさらなる飛躍の年と位置付けR&Dへの積極投資も明言した。

リーマン・ショック後の同社は売り上げ高において一時期低迷したものの、2009年第4四半期(8月〜10月)で力強さを取り戻した。利益ベースでは同第3四半期と比べて2倍近くの水準に引き上げられている。


2009年第4四半期では利益額を大幅に回復した
ロウチ氏は、同社のブランディング戦略についても発言。The Evolving Eco-systemと名付けられたこの戦略は、いわゆる「エコ」に則った製品群である。1980年代〜1990年代にかけて主流であったコンポーネントベースのデバイス提供から、2010年代にふさわしいエコ戦略、ソフトウェアとサービスの高度な統合を目指し、カスタマーのニーズを高いレベルで実現できるような魅力的なデバイス提供へとシフトしていくことを明言した。

また、同社の組織をCore Products&Technologies Group及びStrategic Market Segments Groupの2つに再編。Automotive,Communications Infrastructure,consumerといった各セグメントに対する要求を即座に満たせるよう組織を強化し、主要なカスタマーにコア・ソリューションを提供していくことを明言した。この組織改編は、Eco-systemに基づく意志決定をよりシンプルにし、カスタマー満足度を向上させることを狙いとしている。

続いてアナログ・デバイセズ株式会社の馬渡氏が登壇。日本法人としての戦略を説明した。米国本社と同様にテクノロジーとストラテジック・セグメントの2本の柱に組織を集約し、後者にセールス・グループを統合させることで、セグメントごとの利益を向上させる狙いを発表。短期目標では、2010年度の売り上げをワールドワイド戦略と同様に前年度比で15%アップ、そしてADI全社売り上げの20%以上のシェアを獲得することを明言した。また中長期目標では売り上げ規模を1,000億円を達成し、現在日本において8位にとどまっている外資系半導体メーカーの中で売上高トップ5を目指すという。


アナログ・デバイセズ株式会社代表取締役社長の馬渡修氏
コンシューマー分野の売り上げがワールドワイドと比して際だって高い(62%)のが日本法人の特徴。馬渡社長は同分野の売り上げをさらに発展しつつ、これまで比率が低かった産業機器分野、通信分野の商品に注力して売り上げを拡大させて、企業としての成長戦略を達成するとしている。

馬渡氏はマス・マーケットへのさらなるアプローチも宣言。日本に約10,000社存在する中小規模の産業・計測・工業機器メーカーへの採用実績を増やすべく、MM戦略と名付けられたウェブサイトを中心にした活動を強化していくことを明らかにした。具体的には自社ホームページでの提案拡充、代理店戦略の見直し、オンライン商社や2次代理店の活用等の合わせ技でこのミッションを実現していくという。

左:馬渡氏 右:ロウチ氏

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