ソニー、歌詞表示機能搭載の新“Walkman”A/Sシリーズを発売 - 新AはNC/S-Master/有機EL搭載

■「Sシリーズ」はアナログNC/専用スピーカーの有無が違う4シリーズ

Sシリーズには、アナログノイズキャンセリング機能を搭載した「S740シリーズ」と非搭載の「S640シリーズ」に加え、それぞれに専用スピーカーを付属させた「S740Kシリーズ」「S640Kシリーズ」の計4シリーズを用意。「S640シリーズ」には、ソニースタイル限定色の「ミルフィーユピンク」も用意する。

「S740/740Kシリーズ」は2.0V型でQVGAサイズのディスプレイを搭載。周囲の騒音を約90%カットするアナログNC機能のほか、「DSEE」、「クリアベース」、「クリアステレオ」といった各種クリアオーディオテクノロジーを搭載し、「Aシリーズ」同様に付属するカナル型イヤホン「MDR-NC33」振り替え版と合わせた5つの高音質化対策をとっている。

「S640/640Kシリーズ」のディスプレイも2.0V型のQVGAサイズ。「S740/740Kシリーズ」からアナログNC機能を省いた各種クリアオーディオテクノロジーを搭載している。また、本シリーズにもイヤホンには「MDR-NC33」振り替え版が付属する。

「S740K/640K」に付属するスピーカーには、スピーカー再生に特化した高音質化技術「デジタル・リニアフェーズ・スピーカー・システム」を搭載し、従来品よりも音質面を強化。自然で高品位な音質と音像定位の改善を実現する「リニアフェーズコレクション」と、聴覚特性を用いて小型スピーカーで再生できない低域を再現する「バーチャルベース」を用いることで高音質化を図っている。

スピーカーはAC電源と“Walkman”本体の内蔵電池による駆動の両方に対応。最大出力はAC電源駆動時に1W＋1Wで、“Walkman”内蔵電池駆動時で100mW＋100mW。従来機からACジャックの位置を変更して機体を寝かせて状態でも快適に操作できるようにしたほか、“Walkman”本体にストラップやシリコンケースを装着したままでもスピーカーとの脱着をできるようにするなど、使い勝手にも配慮している。

そのほか、バッテリー充電に「いたわり充電」機能を搭載。フル充電の約90%程度で充電を停止することで、電池寿命に影響する充放電による劣化を軽減。電池を長寿命化させる。

そのほか、A840シリーズ専用シリコンケース「CKM-NWA840」や、現行機よりも小型化したAC電源アダプター「AC-NWUM60」などを始めとした各種アクセサリー類も用意。A840シリーズ専用品では、本革を使用したタテ開きタイプのキャリングケース「CKL-NWA840」や、のぞき見を防止するプライバシーフィルター「PRE-NWP280」なども用意されている。

■似たようなデザインの多いDAPの中で“Walkman”らしさを - デザイナーがコンセプトを語る

本日行われた製品発表会には、ソニー クリエイティブセンター モバイルプロダクツデザインチーム デザイナーの志水曜介氏が出席。新製品のデザインについて説明した。

冒頭で志水氏は「平たく四角いボディに四角い画面、そこにボタンがいくつか並んでいるというように、昨今の携帯プレーヤーはどれも似たようなものになっている」とコメント。「そうした中で“Walkman”がどのようなアイコンを作れるかがひとつのポイントだった」と説明。「“Walkman”としてのデザインアイコンを見つけることを目指した」と語った。

志水氏はさらに「ラジカセやコンポではなく、DAPを直接スピーカーに繋ぐスタイルが若者を中心に主流となりつつある」と、現在の音楽スタイルにも言及。こうした状況を受けて「外でも家でも“Walkman”の世界を美しく演出する」と語った。

そうした思いを実現するべく、デザインにあたっては操作部に3つの円形ボタンを配置する「3-Circle」、GUIと操作部の境界部を円形であしらった「Crisp Separation」、ドックやクレードルに挿した際になじみやすいよう本体に15度の傾斜を付けた「SLASH」、アルミやアクリル素材を切り出してシンプルに積み重ねるパーツ構成で力強さを演出した「Exposed Structure」という4点のコンセプトを掲げたことを志水氏は説明した。

また、カラーコンセプトについても「カラフルワイルドネス」というキーワードを紹介。「空や海、大地、鉱物の輝きなどにインスパイアされた本体色や壁紙などで、自然の強さや華やかさ、楽しさを表現した」と志水氏は説明。「以上のようなデザイン面のこだわりに加え、様々な“Walkman”ならではの素晴らしい機能も搭載された。新製品は皆様の琴線に触れるプロダクトに仕上がっていると考えている」と製品の完成度に自信を見せた。

■一般ユーザー向けイベントにはストリンガー氏が緊急来日

また、プレス向けイベントの後に一般ユーザーやブロガー向けに改めて行われた体験イベントには、ハワード・ストリンガーCEOが急遽駆けつけた。

ストリンガー氏は「言うまでもなく、日本のマーケットはソニーにとって大変重要な市場。ホームグランドである日本で勝つことが、グローバル市場でのソニーの更なる飛躍につながると確信している」と、日本のマーケットを重要視していることを改めて説明。「日本において、最近“Walkman”が携帯音楽プレイヤー市場で記録的なシェアを達成したことは、ソニーにとって非常に喜ばしいニュースだ」と述べた。

その後、ストリンガー氏は製品の特徴をユーザーに直接説明。「歌詞ピタ」機能について「カラオケ好きな私の子供たちや若い方にとって、今年のクリスマスの必須アイテムになることだろう」とコメントし、「新製品には、音楽の楽しみ方をさらに充実させる機能を搭載している」と魅力をアピールした。

そして最後に「今年もソニーは年末商戦にむけて、新たな技術を搭載した魅力的な商品群を投入していく。今後もぜひ“Walkman”をはじめとするソニーの商品にご注目頂きたい」と述べてあいさつを締めくくった。