AES 2009技術セミナー開催

メリディアン、デジタル・ミュージックサーバー「Sooloos」システムのコンセプトを紹介

Phile-web編集部
2009年07月24日
英・メリディアンオーディオ社とパイオニアマーケティング(株)は、23日から開催されているAES東京コンベンション2009に共同出展を行い、24日にはメリディアンの最新オーディオ技術を紹介するセミナーを開催した。


パイオニアマーケティング(株)鈴木秀一郎氏
はじめにパイオニアマーケティング(株)経営統括部事業開発グループの鈴木秀一郎氏が挨拶した。同社では昨年秋からメリディアンオーディオ社の一体型オーディオシステム「F80」の取扱いを開始している(関連ニュース)。鈴木氏は「メリディアン社の先進技術に対するオーディオファンの関心も高く、F80も発売以来好調をいただいている。またその優れたデザインを気に入った、オーディオファン以外のユーザー層も開拓しており、メリディアンの製品と技術力への関心が広まりつつあることを実感している」と話す。

本日開催のセミナーでスポットライトが当てられた製品は、メリディアンオーディオ社が米・Sooloos(スールース)社とともに開発を行ったデジタル・ミュージックサーバーシステム「Sooloosデジタル・ミュージックサーバーシステム」だ。本機の詳細については、Sooloos社のCEOであるEnno Vandermeer氏が説明した。


Sooloos社 Enno Vandermeer氏
同システムはデジタルミュージックファイルの「保存」「再生」「コントロール」の各段を専門に取り扱う、主要3デバイスにより構成されるセパレートタイプのミュージックサーバーだ。メリディアンのハイエンドオーディオ技術と、Sooloosのソフトウェア技術との融合により完成した初のコラボモデルとなる。

保存機能を担う“Store”シリーズのデバイスには、CDやPCからインポートされた音楽データをロスレスで1TBのHDDに保存できる製品「Twinstore」がある。再生機能を搭載する“Source”シリーズには、シングルゾーンでの使用を想定した「Source One」、最大5ゾーンまでのマルチルーム音楽再生にも対応する「Source Five」がラインナップする。豊富な接続端子を備え、他のメリディアン製品や手持ちのオーディオシステムと組み合わせて楽しめる。

コントロール機能はタッチパネル対応のディスプレイを搭載する「Control10」をラインナップ。本日のセミナー会場にはデモ機の展示も行われた。本体にはリッピング用のCDドライブを内蔵。WAV/FLAC/MP3/AAC/アップルロスレスの各フォーマットでリッピングが行えるほか、選曲やプレイリストの作成、タイトル情報の編集などもタッチパネルの軽快なインターフェースを用いて直観的に行える。


Sooloosシステムのコントロール機能を司る「Control10」

本体にはリッピング用のCDドライブを内蔵
特に「Control10」のシンプル、かつスタイリッシュなインターフェースにはセミナー来場者が強い関心を寄せていた。17インチの画面上に表示されるジャケット写真を指でタップするだけで、選曲や再生コントロールが簡単に行える。この日のデモシステムには約2,500タイトルのアルバムが読み込まれていたが、アルバムやアーティスト名のアルファベット検索や、ジャンルをキーワードにした検索など、膨大な数の読み込み済み楽曲データを素早く、かつ快適に検索して再生できる点もこのシステムの特徴だ。


背面に豊富な端子を搭載する「Control 10」

システム対応のキーボードも用意
「Control10」の本体背面にはメリディアン独自のイーサーネットケーブルを介したデジタル伝送方式「Meridian SpeakerLink」の出力端子や同軸デジタル音声出力も搭載。96kHz/24bitまでの楽曲再生に対応するほか、オーディオアップサンプリングや圧縮音源の補完機能なども備える。

またSooloosシステムの場合、「Control10」以外にも同社独自開発のソフトウェアをインストールしたiPhoneやiPod touchからも操作が行える。クレストロンやAMXのホームコントローラーや、PC上でWebブラウザーを使って操作を行うこともでき、幅広い汎用性を持たせている点も特筆できる。

デモでは「Control10」と、保存・再生機能を統合したシリーズの新製品「Ensemble」を展示。メリディアンのDSP内蔵アクティブスピーカー「DSP5200」との組み合わせによる音楽再生と、システム操作のデモが紹介された。ちなみに「Ensemble」は最大1TBまでのHDDが搭載でき、4系統のアナログオーディオ出力と1系統のデジタルオーディオ出力を備えるストレージ搭載のネットワークプレーヤーとしての機能を持っている。

保存・再生機能を統合した「Ensemble」

「Ensemble」の背面


DSP内蔵アクティブスピーカー「DSP5200」

MERIDIANはオーディオグレードのLANケーブルも開発。独自の高品位デジタル伝送方式「Meridian SpeakerLink」によるリンクに対応する
本日のセミナーに登壇したVandermeer氏はSooloos社の創業メンバーに当たるキーパーソンの一人。「当社は2004年に創立した後、これまでにデジタルメディアサーバーとマネジメントテクノロジー開発で実績を築き上げてきた。社内にはプロオーディオ業界や音楽ビジネス、UI開発のスペシャリストなどが集まっている。信頼性・拡張性・柔軟性をカスタマーに提供することをビジネスのモットーとし、クラフトマンシップに磨きをかけてきた当社の企業哲学が、メリディアン社のポリシーと大変似通っていたため、今回デジタルミュージックサーバーという分野で一緒に製品開発を実現することができた」と協業の経緯を語った。

実際に製品開発に着手するにあたり、いくつもの市場調査を行ったとVandermeer氏は語り、「昨今は音楽ファンが国境を越えて楽しめる音楽コンテンツが世界中に溢れているが、これらを快適に楽しめる製品やサービスはとても少なかった。PCを上手に使いこなせる人であれば、デジタルミュージックを楽しむのにさほどの苦労は感じないのかもしれないが、私たちの目標は全てのユーザーが快適に、最高の音楽を楽しめるような、使い勝手の良い製品を作ることだった」と、Sooloosシステムのコンセプトを説明した。

システムの最大の魅力のひとつが「操作性の高いUI」であるとVandermeer氏は強調する。Sooloos社とメリディアンが徹底検証を重ね、コンテンツの検索性能やアクセス性能が高められている。保存済みの音楽ファイルはカスタマイズ可能なタグ管理によって整然と管理することができるほか、検索はクレジットやジャンル、楽曲をたどって行え素速く行える。何よりもタッチパネルの魅力を活かした「Control 10」のUIは、ネットワークオーディオの上級者でなくとも簡単にハンドリングができる利便性を備えている。

既にSooloosシステムの販売が開始されている北米地域ではマルチルームでの導入事例も多く、ホームネットワークを介してシステムに取り込んだ音楽を、いくつもの部屋で共有して楽しむユーザーも多いという。またユーザーの要望を受けて、システムの導入をサポートする専門インストーラーの評価も高く、発売以来の引き合いも多くあるそうだ。本日紹介されたSooloosシステムは今のところ日本国内への導入は未定とのことだが、ぜひ国内で購入できるようになることを期待したい。

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