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ヤフーがGyaOに51%出資

Yahoo!動画とGyaOが2009年秋に統合 − 「オフィシャル映像配信で圧倒的No.1に」

公開日 2009/04/07 17:11 Phile-web編集部
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ここでは、会見で行われた質疑応答を紹介する。

Q: 資本参加に至った背景を教えて欲しい。
A: (宇野氏)私どもとヤフーさんは、以前からグルメGyaO、ヤフー!グルメなどで提携を行っていた。ビデオコンプレックスなどの有料サービスも一緒にやってきた。今回の提携では、ユーザー様が使いやすいような規格統一を検討してもいいのでは、という話をいただき、社内で協議したところ、より一層強化するためには、単独よりもパートナーシップがいいという結論に達し、私どもから提案させていただいた。


会見の模様
Q: USEN単独でサービスを継続しない理由は何か。
A: (宇野氏)もともとサービスを始めたときから、利益を独占したいとは考えていなかった。コンテンツホルダーさんへの、ビジネスチャンスの「場」を作りたいと考えていた。当然のことだが、両社が一体となって「場」を大きくした方が、より多くの方に楽しんでもらえる。また、我々が目指していたのは広告モデルだが、この面ではヤフーさんが収益化の観点で高い見識を持っている。そのほかにも、私達が持ち得ないものを持っているのではないか。そういう認識から今回の提携に至った。

Q: 統合後、どちらのサービスがブランドとして残るのか。
A: (井上氏)正式にはどうこうする、というのは決めていないが、個人的にはGyaOは多くの方に支持されているブランドなので、大事にしたらいいのではと考えている。最終的には新会社の経営陣が選択するだろう。

Q: GyaOは大きなブランドだが、USENではGyaOの名前が付くサービスをほかにいくつも運営している。今後、これらのサービスはどのように運営していくのか。
A: (宇野氏)GyaOの名前がつくサービスは継続して、様々なかたちで届けていきたい。

Q: GyaOにしてもYahoo!動画にしても、無料サービスとのイメージが強いが、統合後は無料モデルになるのか、有料が中心になるのか。
A: (井上氏)どちらもやっていく。どちらを選ぶのかは、コンテンツをお持ちの権利者の方々のお考えもあるので、プラットフォームとしてはどちらにも対応できるようにするというのが基本的な方針だ。割合をどのようにしたいという目論みは特にない。コンテンツホルダーが、コンテンツごとに適した方法を選択していくだろうし、我々としてはそれを尊重したい。

Q: テレビ向けの動画配信の話が出たが、テレビで視聴しやすいサービスを目指していると考えて良いのか。
A: (井上氏)ありとあらゆる要望に応えられるよう、今後も開発を継続していく。

Q: GyaOはずっと赤字だったが、これまで利益がでなかった理由は。
A: (宇野氏)理由は一つではないと思っている。広告事業に限れば、広告商品としての十分な完成度に至っていなかった。クライアント様に商品価値を理解してもらうのに時間がかかってしまった。

一方でコンテンツの部分について述べると、我々は当然ながら、コンテンツホルダーと正規な契約をして、コストをかけて配信を行っているが、そうこうしているうちに、コンテンツ保護がされていないサイトが出てきてしまった。こういった開始時期の問題や、環境整備が整っていない中で展開したことも原因ではないか。

Q: どちらから提携を持ちかけたのか、またその時期は。
A: (井上氏)私自身は時期を覚えていないが、去年の10月頃に宇野社長の方から提案された、とのことだ。

Q: 現状、両社がそれぞれ別個のプラットフォームを持っているが、インフラも統合するのか、それとも併存させるのか。
A: (井上氏)インフラ、サーバ類を二つ持つのはムダだ。両方の良いところを持ち寄りながら一つに集約してコストを下げていきたい。当面は併存から始め、その後に新しいシステムやインフラを作り、これまでのインフラを破棄するということになるだろう。

Q: 新会社の収益目標は。
A: (井上氏)まだ非公開だ。

Q: GyaOは昨期30億円ほどの赤字だったが、新会社はいつ頃黒字化に持って行けるか。
A: (井上氏)さっきからGyaOさんばかり赤字、赤字と言われているが、ヤフーも動画に限って言うと、あまり儲かっているとは言い難い。新会社では統合効果の発揮が目指すところであり、これにより早い時期に黒字化したい。

Q: テレビ向けのサービスはどういう形態になるのか。
A: (井上氏)現在はテレビの機種ごとに可能なことが異なるので、個々の機種に合わせたサービスを開発する必要もあるだろうし、同時に標準化も進んでいるという状況。テレビのネット化は過渡期と言える。ヤフーも特定の機種向けに動画配信を行っているし、GyaOさんもやっている。今後は両社が協力してやっていくということになるだろう。

Q: 実際のサービスとして、ユーザーにはどのように見えるのか。
A: (井上氏)当面は現状のまま、Yahoo!動画とGyaOの2つのサービスが併存する。次期バージョンをリリースする段階で、両サービスが非常に似通ったものになるか、まったく同じものになるか、という状況になるだろう。この作業をここ1年くらいでやっていきたい。

Q: GyaO NEXTは今後どうなっていくか。
A: (宇野氏)GyaO NEXTはSTB型のVODサービスで、GyaOとは別のもの。GyaO NEXTは引き続き、USENとしてユーザーの拡大を図っていく。

Q: お話を伺っていると、やや動画投稿サイトに対して否定的な見方をされているようだが、ヤフーはニコニコ動画との提携も行っている。動画投稿サイトに対してどのような見解を持っているか。
A: (井上氏)動画投稿サイトについては、存在そのものがまずいと思っているわけではない。もともと投稿サイトは違法な投稿を期待していたのではなく、自分で撮ったビデオを共有する、という使い方を目指していたのではないか。

ただし、たとえばテレビの番組をそのまま録画して投稿する、DVDをコピーして投稿する、などの使い方が普及すると、コンテンツ制作者に収益が行かなくなり、結果的にコンテンツを作ってもらえなくなるのでは、という危惧を持っている。違法な投稿に対しては、より厳しく対処してほしい。

一方、我々が作り上げる新プラットフォームなどで、綺麗な画質で、よりオンタイムにコンテンツが提供されるようになれば、違法投稿の必要性が無くなる。ユーザー側も違法コンテンツを選択する理由がなくなるのでは、と期待している。

Q: 「オープン化」によるプラットフォームの開放は、具体的にどういうサービスイメージになるのか。
A: (井上氏)多種多様なサイトが存在するが、動画を主目的としたサイトだけでなく、通常のサイトが、コンテンツの一部に動画を使いたいというニーズが存在するのではないか。規模の経済を考えると、自前で動画の配信を作るよりは、新会社のプラットフォームを使ってもらった方が、速くて安いし、広告の仕組みも揃っている。

Q: 当面は両方のシステムを併存させるとのことだが、GyaOへYahoo!JAPAN IDでログインすることは可能になるのか。
A: (井上氏)現在のところ未定だ。

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