【更新】ビクター、国内テレビ事業を高付加価値路線にシフト

2008年04月25日
日本ビクター(株)は本日、2007年度決算を発表。その中で、国内テレビ事業の今後の経営方針について発表した。


国内の液晶テレビは「同質競争を避ける」ことを基本戦略とする
決算報告書では、「収益が悪化している液晶テレビ事業について、国内民生液晶テレビ事業の縮小」を行うと言及。販売台数は大きく減らすが、ビクターが自社開発した薄型テレビの開発、生産・販売そのものは継続し、販路をAV専門店、ビクター系列店、一部量販店などに絞り込む。国内向けテレビの生産はタイで行い、42/47V型など大型モデルを中心に、年間35,000台の販売を見込む。

GENESSAなど同社独自の高画質化技術などの開発は今後も継続。「価格競争ではない、付加価値のある製品を販売していく」(同社広報部)という。なお販売に際しては、テレビと同社AV製品とのセット販売なども積極的に推進していく考えだ。

事業を縮小する国内に対し、海外のテレビ事業は拡大をねらう。欧州向けのテレビを製造していたJVC Manufacturing U.K. Limitedの生産活動を終了し、複数のEMS企業に開発を委託することでコスト競争力を確保する。製品の設計自体はビクターで行う。なお、海外の液晶テレビは、超薄型モデルやiPod連携モデルを拡充する計画。2009年〜2010年には、超薄型モデルをさらに拡充する。

ディスプレイ事業の経営計画の考え方

ディスプレイ事業の具体的な改革施策

また、業務用の映像事業やD-ILAフロントプロジェクターなどにリソースを集中。D-LAプロジェクターは2009年以降、ハイコントラスト化や小型化を進め、民生用の4K2Kプロジェクターの開発計画も発表した。これらの施策により、ディスプレイ事業を2009年度に黒字化するという。

今後の映像事業のロードマップ

同社の2007年度決算は、連結売上高が約6,585億円と、前期比11%の減収となった。連結の営業利益は約33億円で営業黒字となったが、純利益は475億円の赤字を計上した。

AV危機を中心とした民生用機器部門でも見ても、連結売上高は4,695億円と、前期比14%減となった。同社によると、国内販売の減収は、DVDレコーダーの絞り込みに加え、主力のカムコーダーや液晶テレビ、オーディオがいずれも苦戦し、前期を下回ったことが主因という。海外市場では、米州で液晶テレビが堅調なほか、ヘッドホンなどAVアクセサリーが好調で伸張したが、一方、CRTテレビやD-ILAリアプロの減少などにより、前期を下回る結果となった。


新たな中期経営計画の重点テーマ
これらの状況を受け同社では、2009年までの新たな中期計画を策定。“構造改革の仕上げと継続”と“成長戦略の推進”の2つを柱として実行していく。同社が発表した今後の業績見通しでは、2008年度の売上高は5,950億円と10%程度減るが、その間に海外事業の強化や成長事業の具体化などを進め、2010年度に売上高6,110億円、営業利益200億円を目指す考えだ。

(Phile-web編集部)

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