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三洋、“Xacti”初のフルHDモデル「DMX-HD1000」− 世界最小、HDDに動画保存も可能

公開日 2007/08/30 16:41
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三洋電機(株)は、デジタルムービーカメラ“Xacti”の新製品として、同シリーズとして初めて1,920×1,080のフルHD再生に対応した「DMX-HD1000」を9月中旬に発売する。価格はオープンだが12万円前後での販売が予想される。ボディはシルバーとブラックが用意される。

「DMX-HD1000」。左がシルバー、右がブラック

前から見たところ

横から見たところ。自立するようになった

■Xacti初のフルHD対応モデル

同社はこれまでも、「DMX-HD2」(関連ニュース)など、ハイビジョン対応“Xacti”を発売してきたが、解像度は最大で1,280×720ピクセルだった。今回、満を持してフルHDモデルを発売する。

動画フォーマットはMPEG-4 AVC/H.264だが、ファイルコンテナがMPEG4形式のため、AVCHDとの互換性は無い。動画の記録モードと解像度、ビットレートは以下の通り。

モード名 解像度(ピクセル) フレーム数 ビットレート
Full-HD 1,920×1,080 60field/s 12Mbps
HD-HR 1,280×720 60fps 12Mbps
HD-SHQ 1,280×720 30fps 9Mbps
TV-HR 640×480 60fps 6Mbps
TV-SHQ 640×480 30fps 3Mbps
Web-SHQ 320×240 30fps 非公開


■1チップ化したフルHD対応の映像エンジンを採用

撮像素子はCMOSセンサーで、映像処理回路は新開発の「プラチナΣ(シグマ)エンジン」。フルHDに対応したH.264コーデックを独自開発し、従来2チップ構成だったものを1チップ化した。撮影、取り込み、記録まで、すべての処理をフルHDで行える。さらにプラチナΣエンジンは、画像処理アルゴリズム・アーキテクチャーを最適化したことにより、高い圧縮率と約4.2Wの低消費電力化も実現した。

「プラチナΣエンジン」が乗った基板

プラチナΣエンジンの概要

プラチナΣエンジンの内部構成

レンズはコニカミノルタ製で、8群11枚構成。光学10倍ズームが可能で、NDフィルターも備える。。35mm換算のf値は、動画が49.7mm〜497mm、静止画の場合は38〜380mmとなる。なお、専用のテレ(1.6倍)/ワイド(0.7倍)/セミフィッシュアイ(0.4倍)コンバージョンレンズがオプションで用意される。コンバージョンレンズの型番と税込価格は以下の通り。

コンバージョンレンズ3種類も用意する

 ・テレコンバージョンレンズ「VCP-L16T」¥21,000
 ・ワイドコンバージョンレンズ「VCP-L07W」¥21,000
 ・セミフィッシュアイレンズ「VCP-L04F」¥23,100

上部にはアクセサリーシューも装備。外部ストロボやビデオライト、マイクなどの取り付けが可能。

上部にアクセサリーシューを装備

ポップアップ式のストロボも装備する

本体の体積は約272cc、質量は268gで、フルHDムービーとしては現在のところ世界最小・最軽量を実現した。

8GBまでのSDHCメモリーカードに対応。同カードを使用した場合、最高画質のFull-HDモードで1時間25分の録画が行える。

SDカードスロットはグリップ部の手前に用意

体積と質量で世界最小・最軽量を実現

■HDDとUSB接続してデータ保存が可能

付属のドッキングステーションと市販の外付けHDDをUSBで接続し、撮影した動画や静止画データを簡単な操作でHDDに保存できる「Xacti ライブラリー」機能も新たに採用した。Xacti内の動画をファイルコピーするだけなので、高速でデータ転送を行うことができる。さらにデータ転送する際、Xacti内のデータを自動消去することもでき、使い勝手を高めた。

Xactiライブラリ機能。外付けHDDにUSB接続し、撮影データを転送できる

また、Xacti ライブラリーにはアルバム機能も内蔵しており、シーンを集めてオリジナルアルバムを作成したり、スライドショーで再生するなどの使い方も可能。さらに、HDDをPCにつなぎ替えれば、PCの動画編集ソフトで直接高度な編集を行うこともできる。なお本機には、PC用の再生ソフト「Nero 7 Essentials」、編集ソフト「Ulead MovieWriter 5 SE」が付属する。

Xactiライブラリのメインメニュー

データ転送後にカメラ内のデータを自動消去することができる

Xactiライブラリでは、カレンダーを表示して選択した日付の動画を再生することも可能

HDDに記録した動画・写真データを再生することも可能。この場合はXacti本体でデコードし、再生する。ドッキングステーションには映像出力端子として、HDMI端子、D端子、Sビデオ端子、ビデオ端子が装備されている。

付属のクレードルにHD1000をドッキングさせたところ

HD1000の底部。ドッキング用のコネクタと三脚用ネジが見える

■静止画撮影機能も強化

静止画は800万画素相当で記録が行える。秒7コマの連写機能も可能で、このときの画素数は約400万となる。また、画素数は約200万画素に落ちるが、ハイビジョン動画撮影中に写真を同時記録することもできる。なお、マニュアルモードではISO3200での高感度撮影も可能。オートモードの場合、ISOは200に設定される。

液晶モニターは2.7型ワイドで、画素数は約23万。電源はリチウムイオン充電池とACアダプターで、リチウムイオン充電池で動画撮影を行った場合、約115分の連続使用が可能。

手ブレ補正機能も強化。同社が従来から採用している電子式手ブレ補正の、ブレ検出領域エリアを拡大し、動画・静止画撮影時の補正精度を高めた。また静止画撮影時には、新開発した独自の「画像重ね合わせ方式」により、被写体ブレや回転ブレの補正に対応する。

なお、静止画撮影時には、顔検出機能も用意されている。最大12個の顔検出が可能で、検出エリアに応じた最適AE調整や、中央の人物に重点をおいたオートフォーカスなどに対応する。

■人間工学に基づき設計された新デザインを採用

本体デザインは、人間工学に基づき持ちやすさと使いやすさを高めた「新エルゴノミクスデザイン」を採用。千葉大学大学院工学研究科 デザイン科学専攻 人間生活工学研究室の勝浦教授、下村准教授と、三洋電機の研究開発本部 デジタルシステム研究所が、レンズとグリップの角度が人間の筋肉にどのような影響を与えるかを共同研究。

7種類の試作機で筋負担を計測した

実験の結果、グリップ角度は大きい方が持ちやすいとの結果が出た

研究では、レンズとグリップの角度が0度から135度までの7種類の実験モデルを作成。ムービー撮影時の筋負担を、右腕6箇所の筋電位の計測と、アンケートによる主観評価によって分析した。この結果、レンズとグリップの角度が105度の場合が最も疲れにくいことがわかり、本機のデザインに採用された。

HD1000発売後のXactiラインナップ

【問い合わせ先】
三洋電機(株)
DIカンパニー DI事業部
お客様相談係
TEL/072-870-4184

(Phile-web編集部)

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製品スペックやデータを見る
  • ブランドSANYO
  • 型番DMX-HD1000
  • 発売日2007年9月中旬
  • 価格¥OPEN(予想実売価格12万円前後)
【SPEC】●カメラ部有効画素数:静止画…約400万画素 動画…約356万画素(HD時) ●撮像素子:1/2.5型400万画素相当 CMOSセンサー ●記録媒体:SDメモリーカード(8GB SDHC メモリーカードに対応) ●レンズ:光学10倍ズーム ●モニター:2.7型アモルファスシリコンTFTカラー液晶 約23万画素 ●電源:リチウムイオン電池×1、ACアダプター ●外形寸法:90.0W×112.6H×54.5Dmm (突起部除く) ●質量:約311g(電池、SDメモリーカード込み)