鈴木桂水氏が体験する「NETJUKEのある生活」 − 第8回:保存した音楽をバックアップしておきたい

2007年02月09日
僕の悩みは収集癖が抜けないこと。DVD、音楽CD、レコード、LDなどのソフトはもちろんのこと、食玩、調理器具、酒類、などなど、気がつけばレンタル倉庫2区画分をいっぱいにしてしまった。日々、危機感を感じながら無駄遣いをしている。

ネットジュークを使っている間もこれと同じことが起きる。毎日ラジオの番組表をチェックしては、面白そうなラジオ番組を見つけて、片っ端から録音して聴いている。しかし、さすがに80GBの容量では、限界が近づいてきた。そこで今回はネットジュークに保存した音楽を外付けHDDにバックアップしようと思う。


既に80GBのHDDには61GBものラジオ番組が記録されている。このままでは録音ができなくなってしまう

急いでバックアップしなければと、あわてて購入したのがバッファローのUSB接続外付けHDD

容量は250GBだ。あのPCサクセスにて9,500円で購入した
僕が想定している音楽のバックアップを説明しておこう。というのも、このネットジュークは、様々な機器やメディアへのデータバックアップに対応するあまり、環境によって「できること」と「できないこと」が発生してしまうのだ。

(掟1)バックアップした音楽データはiPodなどウォークマン以外の機器でも楽しめるようにしたい
(掟2)DVD-RやCD-Rなどのメディアへ音楽データを保存したい
(掟3)音楽データからCDプレーヤーで聴ける音楽CDを作成したい

以上、僕が理想とする音楽データのバックアップ「掟三箇条」だ。掟1は、ウォークマン以外の音楽プレーヤーに乗り換えた場合でも録音した音楽データを楽しむためだ。ただしこれまでお伝えしてきたように、ネットジュークはウォークマンで使うのがもっとも操作性が良い。保険として他の機種への対応も考えた次第だ。掟2は破損の可能性があるHDDよりも安全な光メディアへの保存を考えた。掟3はMDをバックアップした場合を想定している。すでにMDを使わないと覚悟を決めるなら、MDの内容を音楽CDに変換して保存。必要な時にCDプレーヤーなどで再生すればいいはずだ。ネットジュークはATRAC3、ATRAC3plus、MP3、PCMという音楽ファイルに対応するが、これらの条件を満たすのは、結局汎用性の高いMP3ということになる。

ネットジュークにはHDDの内容を丸ごと外付けHDD、もしくはLAN接続したパソコンへバックアップする機能がある。僕はこの機能を使うと、ネットジュークのHDDの内容を外付けHDDにバックアップして、本体HDDの内容を消去後、また新しく80GB分録音できると、考えていた。外付けHDDの内容はそのままパソコンに繋げば利用できるはずと考えていたのだが、これが甘かった。

この一括バックアップは著作権保護の観点から、専用の形式に変換されてしまい、バックアップを作成したネットジュークでしか再生できない独自ファイルで保存されるのだ。バックアップしたHDDをパソコンに繋いでも、開けないファイルが並ぶだけでどうにもならない。ここで一つめの挫折を味わうことになった。


まず挑戦したのがデータのバックアップ。ネットジュークが内蔵するデータを丸ごと外付けのHDD、もしくはネットワーク上にあるパソコンにバックアップするという機能だ

バックアップには約1時間22分かかった。バックアップ中にはタイマー録音など動作しないので、深夜など録音をしない時を見計らって行いたい

筆者はバックアップの概念が全く分かっていなかったことが判明。ネットジュークのバックアップは著作権保護の観点から、バックアップ作成したネットジュークでしか再生できない専用の形式に変換されて記録される
次に挑戦したのがウォークマン経由でのバックアップ。いや、バックアップにすると特殊な形式になるので、ここからは通常の「転送」にすることにした。今度はネットジュークにMP3で録音した音楽ファイルをウォークマンのSシリーズに転送して、それをパソコン上の専用ソフト「ソニックステージ」で開けば、MP3形式のまま保存できるだろうと考えたのだ。しかし、これもダメ。ソニックステージは、外部で作成した音楽ファイルを受け付けないのだ。あくまでもソニックステージで作成した音楽ファイルのみ扱うという設計になっているようだ。すなわちウォークマンSシリーズの中までは、MP3ファイルがあるが、それをパソコンへ保存できないのだ。ここで2回目の挫折を味わった。


次に試みたのがウォークマンSシリーズを使った転送。これなら成功すると思ったのだが…

ネットジュークからウォークマンに転送した音楽ファイルを、純正ソフトのソニックステージを使ってパソコンのHDDに書き込もうと思ったのだが…

あえなく失敗してしまった
ならば、だ。ネットジューク本体のメモリースティックスロットを使ってメモリースティックPro Duoに転送すればいいだろう。いや、そうに違いない。メモリースティックと言えばフラッシュメモリーのようなものだ、ウォークマンの要に著作権保護の仕組みなど関係ないはず…、じゃないか。ところが何とこれも失敗。あとで調べてわかったのだが、メモリースティックにMP3を転送する際に、ソニックステージなどでしか再生できないOMA(オープンMG)形式の音楽ファイルに変換されてしまうのだ。確かにOMA形式にすればパソコンのHDDに保存でき、CDやDVDなどの光メディアへ保存できる。しかし、再生をするにはソニックステージもしくは、対応した音楽プレーヤーしか再生できないのだ。これでは、前述した(掟1)に反してしまう。またもや挫折を味わってしまった。


それならと、次に挑戦したのがメモリースティックを介した保存


しかし、これも筆者が思っているようなバックアップはできなかった。
最後に挑戦したのがUSBストレージへの転送だ。これがダメなら、もうあとはない。ネットジュークのフロントUSBポートにHDDを接続し、「バックアップ」ではなく「転送」で音楽ファイルを移動する。この方法だとATRAC形式やPCM形式などで録音した音楽データは保存できないが、MP3は次々とHDDに転送されている。もしMP3以外の形式で録音した番組があっても、あらかじめネットジューク内でMP3へ変換しておけば転送は可能だ。さて、HDDに保存したMP3はパソコンで“フツー”に再生できるのだろうか?


ネットジュークから対応機器、ストレージへの転送対応リスト。ここで注目したいのは転送後のMP3の形式だ。僕の掟3箇条をクリアするのはUSBストレージだけだった
何とこの方法だとMP3のまま認識したのだ!ただし、ラジオ番組のトーク部分と音楽部分を自動的にカットする「オートトラックマーク」を使っていたので、ラジオ番組は細切れになっていた。ファイルごと保存すれば順番に再生されるので問題はないが、扱いづらいと感じた。オートトラックマークはラジオ録音には欠かせない便利な機能なので、バックアップ後の不便はガマンするしかないだろう。これで安心してラジオ番組を録音できる。

転送先

転送できるフォーマット

転送後のMP3
ウォークマンATRAC3、ATRAC3plus、MP3、PCMOMA形式
携帯電話ATRAC3、ATRAC3plus、MP3、PCMMP3
※MP3の形式は接続機種に依存します
PSPATRAC3、ATRAC3plus、MP3、PCMOMA形式
USBストレージ
(HDD、フラッシュメモリーなど)
MP3MP3
MDATRAC3、ATRAC3plus、MP3、PCMMini Disc形式(LP/SP)
メモリースティックデュオATRAC3、ATRAC3plus、MP3(メモリースティック プロ デュオのみ)OMA形式
対応する接続機器の詳細はこちら http://www.sony.jp/support/netjuke/confirm/usb.html


しかし、著作権保護が大切なのはわかるが、自分で録音したラジオ番組ぐらい気軽に扱わせてもらえないものかと考え込んでしまった。ただ、ネットジュークの場合、MP3で録音していれば、外付けHDD、フラッシュメモリーなど、USBストレージを使うことで、かなり手軽に保存できるのはコレクターとしては何よりありがたい。せっかくパソコンにまで取り込んだので、今度は他のMP3からの音楽CD作成とiPodへの転送に挑戦しようと思う。


鈴木桂水(Keisui Suzuki)
元産業用ロボットメーカーの開発、設計担当を経て、現在はAV機器とパソコン周辺機器を主に扱うフリーライター。テレビ番組表を日夜分析している自称「テレビ番組表アナリスト」でもある。ユーザーの視点と元エンジニアの直感を頼りに、日経BP社デジタルARENAにて「使って元取れ! ケースイのAV機器<極限>酷使生活」、徳間書店「GoodsPress」など、AV機器を使いこなすコラムを執筆中。
>>鈴木桂水氏のブログはこちら






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