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折原一也の“Wooo”「W42P-HR8000」連続レポート(3)画質・音質の実力は?

公開日 2005/12/14 18:18
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ロングランチェックを続けている日立のプラズマテレビ「W42P-HR8000」、第三回となる今回は、デジタル放送の視聴、録画、再生と画質を中心にチェックしていくことにしよう。

●独自のALISパネルを使った明るく輝くような画質はリビングに向く

まずは全体の画質を見ていこう。日立のプラズマテレビの画質面の特徴は、やはりALISパネル採用による明るく高解像度な画面にある。地上デジタルを始めとするデジタルハイビジョン放送の美しさは格別で、また放送のデジタル化によってノイズの少ない映像を楽しめる。一般にプラズマテレビの映像は、全体に暗めで映画に強いと言われているが、Woooシリーズの映像は明るく輝くような美しさがあり、とりわけ青空やグリーンのような鮮やかな色が映える。また明るい映像は、今回設置したリビングのような外光が入る環境でも視認性が損なわれないというメリットもある。


番組視聴中や再生中にリモコンの「メニュー」ボタンを押すと画面関係のメニューを開くことができる。
W42P-HR8000では、さらに画質モードを選択することで映像に合った設定で映像を楽しむこともできる。デフォルトで用意されている映像モードは、「スーパー」「スタンダード」「ナチュラル」「シネマティック」の4つがある。それぞれのモードの特徴を簡単に触れておくと「スーパー」がコントラストを強調した非常に明るい設定、「スタンダード」は一般的なテレビ放送向けの設定、「ナチュラル」は明るい場所で見やすい自然な映像設定、「シネマティック」は映画向けのしっとりとした映像となる。

これら初期設定の中から選ぶ場合には、「スタンダード」が落ち着いた色合いで多くの番組に合う。多少明るめの部屋では「ナチュラル」が良好だ。

●画質モードの設定は設置環境やソースに合わせて調整を行える

本機の画質モードは、各モード内に細かな調整機能があり、好みに応じた画質の設定を行うこともできる。画質は「スタンダード」でも良好だが、「コントラスト」の設定が「ダイナミック」でコントラスト重視の映像となっているため、この設定を階調重視にカスタマイズしてみよう。調整のソースはデジタル放送をハードディスクに録画した番組を複数使っている。

モードは4つから選んで設定できる。これはソースごとに記憶され、それぞれの内容はカスタマイズして保存できる。

「スタンダード」の画質モードは一般的なテレビ向けの設定だ。写真は今回カスタマイズした設定だ。

まず「コントラスト」の設定を「リニア」に変更して階調重視に切り替え調整を始める。今回設置したリビングでは「黒レベル」を-6として全体を引き締め、「色の濃さ」を-15まで下げてべったり感を抜き、「色合い」を+2として赤みを下げた設定がベストとなった。その他の設定は初期設定を利用する。なお、通常収録の番組と映画では全体の明るさが大きく異なり、一般に黒レベルの調整は難しい。今回設定した-6では映画を視聴すると暗部の階調が厳しくなるため、映画も含めて一つの設定で使い続ける場合は-2くらいが適当だろう。また、画面を見ながら「画質」(輪郭の強さ)に調整を加えても良い。

2ページ目からはコントラストと色温度調整などを設定できる。初期設定に戻すこともできる。

3ページ目からは、RGBそれぞれのドライブを変更することで色の調整を行うことができる。

続いて映画は、地上デジタル、BSデジタルなどで放送されていた「ハリーポッター」シリーズを内蔵ハードディスクに録画したものを使って調整を行った。また、こちらは視聴の際にカーテンを閉めて部屋を暗くした状態で調整を行っている。

この場合の設定は「シネマティック」が良好だ。これは初期設定で色温度が低くしっとりとした映画向きの映像で、暗部の階調までもしっかりと描き出す。画質の調整は基本的に必要ないが、黒レベルを僅かに上げてもいいだろう。同じくWoooシリーズのDVDレコーダー「DV-DH1000W」をHDMIで接続してDVDを再生する際にも同じ設定で良さそうだ。

「シネマ」の設定は、映画向けのしっとりとした映像だ。初期設定のままで使えるが、黒レベルを多少上げても良い。

シネマの2ページ目ではLTI(輝度の鮮鋭度)、CTI(色信号の鮮鋭度)、YNR(輝度信号NR)、CNR(色信号NR)をかけられる。

3ページ目ではフィルム素材専用のオプションを使える。これは、外部入力専用となる。

●ハイビジョン録画は無劣化での保存に対応。長時間モードも便利


録画モードは「べんり」メニューから切り換えられ、録画残量を確認しながら切り換えられる。
W42P-HR8000に関わるもう一つの「画質」が、前回レポートで紹介した内蔵ハードディスクへの録画画質だ。録画時間はデジタル放送の信号をそのまま録画するTSモードで約16時間、標準画質での録画はXP(高画質)モードで約32時間、SP(標準画質)モードで約65時間、LP(長時間)モードで約130時間、EP(長時間)モードで約220時間とモードごとに異なるため、その違いを見ていこう。

まずTSモードによる録画は、唯一のハイビジョン録画だけあって放送とまったく変わらない画質だ。特にお気に入りの映画や、動きの激しいスポーツ中継などには、この設定を使いたい。。映画やスポーツなど高画質な放送を楽しみにしているファンにとって大きな意義のあるものだろう。また、ハイビジョン映像の美しさだけでなく5.1chなどサラウンド音声もそのまま録画を行える。

標準画質の各モードを見ていこう。XPモードは、さすがにハイビジョンのTSモードと比べると精細感は大きく落ちるが、動きの激しい映像でもしっかり録画できる。SPモードも良好だ。この2つは、標準画質で収録されている番組を録画する際に使えばハードディスク容量の節約に繋がるだろう。LPモードとEPモードは長時間モードとなるため大画面で視聴するには厳しいが、ニュースや教養番組などをチェックする際にはこの長時間録画が活きる。

●本体付属スピーカーは低音の質感が良好


サウンドはモードのほかに、高音、低音、音場の広がりなどを調整できる。
最後にW42P-HR8000のパネル左右に設置されたスピーカーの音質もついても簡単に触れておきたい。今回のロングラテンストでは当初は別途ホームシアターシステムに接続していたが、ふとした理由で内蔵スピーカーを使ってみたところ思いのほか高音質であることが分かった。音質は奥行き感が現れて低音がしっかりと沈み、セリフはしっかりと中央に定位する。オプション設定で「ミュージック」「シアター」「スポーツ」と簡単な音質設定も行うこともでき、当面は内蔵スピーカーを使っていても不満はなさそうだ。

画質、そして音質を取り上げたレポートは以上となる。最終回となる次回は、その他気になる機能や応用的な使いこなしを触れていこう。

(折原一也)

バックナンバー
第1回:話題のプラズマを自宅で長期チェック
第2回:大きな特徴である録画機能をチェック

折原一也 プロフィール
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。

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