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東芝が年末新商品を発表:次世代映像製品のカギは「明確なコンセプト」

2005/09/28
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(株)東芝 藤井美英氏
(株)東芝は今年の年末に向けて発売する映像系新商品の発表会を開催した。会議の冒頭に登壇した(株)東芝執行役上席常務デジタルメディアネットワーク社 社長の藤井美英氏は、同社の映像戦略およびプロモーション戦略について詳細を語った。


東芝の今年末主要アイテムの内容
同社は近年、デジタル家電商品を開発するにあたって、「映像の東芝の復活」「技術の東芝」をアピールするために様々な戦略を打ち立ててきた。今回新しく発表した液晶テレビ、DVDレコーダー、HDDムービーカメラなどの商品は、東芝の戦略が明快に具現化したものばかりと藤井氏は強調する。


デジタルコンテンツの楽しみ方が大きく変化していると説明

今後東芝は全ての映像・音響製品にHDDを搭載していくと宣言した
同社は今後、HDDをはじめとするストレージメディアがさらに大型化・多様化を進めていくことにより、普及率がさらに上がり、デジタルAVを楽しむ環境も大きく変化すると予測。その上で藤井氏は「東芝として、すべての音響・映像製品にHDDを搭載すること、AV機器とPCの融合を進め、お客様のニーズに合わせた多様な製品を実現していくことが今後の戦略における核である」と語る。

同社が中心となって提案する次世代デバイスとして注目を浴びている「SED」「HD DVD」について、「本日具体的なお話をさせていただくことはないが、来月開催されるCEATEC JAPANでご期待に応えられるような展示を行いたい」と抱負を述べ、特にHD DVDについては「最近各方面で色々な内容の報道がされているが、商品について“年内に出さない”ということはない」と強調した。


東芝の持つ優れたコア技術によってユーザーの多様な好みに対応していくと説明

東芝が提唱する「差異化実現のための3つのスタイル」
藤井氏はさらに「差異化した製品」をユーザーに提案することが、東芝のブランドが業界で勝ち抜くためのキーポイントであると指摘。差異化のためには同社の商品が「3つのスタイル」として、「ハードディスクを搭載する“gigastyle”」「ハイビジョン対応を実現する“HD style」「ネットワーク環境を活かしていく“Netstyle”」を併せた提案をユーザーに行っていくことが、デジタルAVのリーディングカンパニーとなるための大事な戦略であると説明した。

下記に本日の発表会で行われた質疑応答の内容をご紹介する。

Q:今回、47V型・42V型の新しい液晶テレビを発表しているが、SEDを含めて画面サイズごとにディスプレイ商品をどう切り分けていくつもりか
A:ディスプレイは世界各国、地域によって戦略が異なる。日本国内においては、SEDを50インチプラスでのメインにしていく。40インチ台はSEDと液晶の2つで揃えたいと思う。SEDは量産規模を確立するのが07年を目標にしている。06年においては、フラグシップを40インチ台のSEDで展開することも検討しているが、普及価格帯は液晶でやりたい。海外市場の06年は50インチ台をSEDで攻める。ただし、50インチではPDPも展開したい。40インチ台のマーケットは戦略の立て方難しいが、基本的にはワールドワイドで液晶を軸にしたい。30インチ台は液晶。60インチ以上は米国に特化してリアプロに力を入れていきたい。基本的にはどんなに情勢が苦しくても、ラインナップの多様化を東芝の戦略における核として進めていきたい。(藤井氏)

Q:Cellエンジンはいつ頃、どういった製品に投入していくのか
A:Cellにははっきりいって個人的な思い入れがある。ソニーさんよりもなるべく早く商品化したいと日夜励んでいるが、やはりタイミングは07年以降になるのではと考えている。Cellを搭載したテレビには2つの方向性があると思っている。一つはTVそのものに入れること、2つ目はチューナーをセパレート型とする方向性もある。それぞれに異なったアプリケーションとしての提案を行っていきたい。何としても、世界初のCell搭載デジタル家電を東芝が実現したいと考えている。(藤井氏)

Q:DVDレコーダーの現況は。HD DVDに変わっていった時に、どう「儲かるビジネス」を実現するのか
A:DVDレコーダーは正直言って儲かっていない。ビジネスの構造的に非常に厳しい状態だ。DVDは既に規格が決まっているので差別化が難しい商品である。こうした中で、国内では各社が同じような製品を出しており、本来優良な米国の市場は中国製の安い製品で席巻されている、といった状況を打破するのが難しい。しばらくは「ユーザーフレンドリーな製品」を軸としたビジネスはできると思うが、やはり将来的にはHD DVDで勝負して行かざるを得なくなる。HD DVDが現行のDVDとは異なる付加価値を多く持つ点をアピールして活路を見いだしていきたい。いずれHD DVDが大きな差別化を実現するファクターとなると考えている。(藤井氏)

Q:HD DVDは市場においてどのように展開していくイメージを持っているのか
A:HD DVDはプレーヤー、レコーダー、PC用ドライブそれぞれ発売時期が異なる。プレーヤーは従来の発表通り、日本国内では年内に発売したい。レコーダーについては日本の市場が中心になるだろう。日本のユーザーは「録画」に対するマインドが高いので、アプリケーションを磨き上げつつ商品化を進めたい。来年のワールドカップ以前を計画しながら開発を進めている。パソコン用ドライブは年初を予定している。ドライブそのものは12月に完成するので、あとはPCのセクションが商品化へと進めていくよう、社内で調整を進めている。(藤井氏)

Q:SEDの発売時期はいつ頃になるのか
A:2005年度内と言ってきたが、正直、パネルによるところが多い。今回の液晶テレビにも搭載したメタブレイン・プロはSEDパネルのドライブに既に対応している。商品は日本国内からリリースする予定だ。米国は1、2クオーター遅れるだろう。AV商品はやみくもに早く出すのが良い戦略ではない。東芝全体の商品群との整合性を考えて、3〜5月に出せれば良いのではと考えている。(藤井氏)

Q:ソニーはPS3にBlu-ray Discを採用すると言っている。このままでは、BDとHD DVDの2つの規格が次世代ディスクのフォーマットとして併存するのは確実とみられている。フォーマット統合のための交渉は一時的に断念したと理解して良いのか
A:私は消費者の声が一番重いと考えている。交渉は現在、残念ながら中断している。色々な方から規格を統一して欲しいといわれているが、我々が0.1mmの保護層をサポートするのは困難。しかしながら、議論の中心が物理規格になるのはおかしいと思っている。なぜなら、「次世代DVDでは何ができるのか」「ディスクがどれくらいのコストで作れるのか」「ユーザーにどんなメリットをもたらすものなのか」を議論することの方が大事だと思うからだ。今後長きに渡り、消費者に何を提案できるフォーマットなのかを考えるための議論であれば、私は交渉を再開する準備をいつでも整えたいと思っている。統一を断念したわけではないことを本日ここで強調したい。当社としては規格統一のための努力を今後も惜しまないつもりだ。(藤井氏)

Q:ギガビートでフラッシュメモリータイプを出さない理由は。予定はあるのか。OEM戦略、他社とのアライアンスをやる予定はあるのか
A:フラッシュメモリータイプについては実際検討を行っている。近々発表したいと思っている。特に日本をみていると、今後映像再生のリクエストも入ってくるのでHDDタイプが主流になると考えている。規模については私どもだけでは大変苦労している。コンテンツ配信ともども製品のOEMはぜひ検討していきたい。(萩尾氏)
・はっきり言ってメモリータイプは今後儲からない時代になっていくので、東芝としてはあまり積極的にやるつもりはない。オーディオプレーヤーとしてのギガビートを、現在余り儲からない状況下にも関わらず、なぜ事業として展開しているのかという点については、いずれギガビートは「デジタルオーディオ+映像」が本命の商品と考えているからだ。その時には東芝としてアップルが出せない製品をやることができると考えている。多様性に対応することが私たちのビジネスのキーであり、強みであると考えている。(藤井氏)

Q:HD DVDプレーヤーについて、ハリウッドのリクエストはどれくらい強いのか
A:ハリウッドも現在非常に苦労しているようで、ハリウッド自身の考え方もまとまっていないのが現状だ。ハリウッドとは現在とてもシビアなディスカッションを行っている。その中で、ハード側がドンとやって良いのかは微妙なところだ。従って最初のプレーヤーを出すときには、あまり安い価格のものを出すことはできないだろう。ただ、強調しておきたいのはブルーレイとの競争における話題のポイントは「リリース時期」ではなく、あくまで「商品コンセプト」であるべきだと思っている。それぞれの記録容量で、ユーザーにどんな提案ができるのかが本来重要なポイントであるはずだ。ハードの普及については年末くらいにドンと普及価格帯のモデルが出てくれば良いと思っている。(藤井氏)

【問い合わせ先】
東芝コンシューママーケティング(株)
TEL/0570-010048

(Phile-web編集部)

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