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<IFA2005レポート:SED速報>東芝がSEDの特別招待試写を実施〜商品化は順調に進行中

公開日 2005/09/06 10:11
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SEDの両側にPDPとLCDディスプレイを置いて画質比較と消費電力の比較デモを行った

SED試作機も今回はグレードアップを遂げていた
東芝のブースでは、欧州のプレス関係者と招待客に限定したSED(Surface-conduction Electron-emitter Display)の試写イベントを開催した。SEDの映像が欧州市場において公開されるのは今回が初めての機会となった。

デモは36インチのSED試作機を中央に、プラズマテレビと液晶テレビを並べて画質比較を行った。画質の優位性については、動画再生性能、色再現、コントラストの各メニューを比較するとともに、テスト機の傍らにはデバイスごとの消費電力を比較するモニターも設置してそれぞれの特徴を伝える内容だった。

デモ後には質疑応答も行われた。欧州の関係者にもSEDの画質は少なからぬ衝撃を与えたようだ。参加者からはSEDの商品化がどれほどの段階に差し掛かっているのか、あるいはマーケットにどれくらいの価格設定で投入されるのかについて質問された。これに対して東芝の展示解説員は「生産能力については、6年の時間を費やしてSEDのための生産拠点を確立した」と回答。また価格については「現在のところまだ決定されていないが、50インチ強のサイズからスタートしたい。パネルのコストは既存のPDPやLCDに近づけることができるだろう。現在欧州マーケットの中でどうSEDを位置づけていくか、ディスカッションを開始したばかりである。2007年には量産体制を築きたい」とした。

イベント後に東芝の関係者に話を伺ったところ、今回のイベントにおけるドイツ関係者の反応は上々という。ことに画質のデモに対する手応えが良く「ドイツには本当にAVマニアが多く、とても面白いマーケットであると実感している。ドイツでのハイファイオーディオの成功に習いながら、良質な画質が楽しめるハイエンド商品として、上手に先鋭的なユーザー層に送り出していきたい」という。

欧州・北米エリアへのSED商品導入時期については、今は販売計画を固める段階であるという。日本国内の商品化は来年春頃の発売に向けた準備が当初の予定通り進められている。なお、今回出展された試作機についても、パネルの明るさが400カンデラ、コントラスト比が100,000対1へと改良されていた。なお、東芝は同様のSED試写イベントを今年のCEATEC JAPAN会場で行うとのこと。新しいジャンルの商品が欧州の市場に与えたインパクトと、SEDの進化が強く感じられるIFAの展示内容だった。

(Phile-web編集部・山本)
[IFA2005REPORT]

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