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<IFA2005レポート:パナソニック>大坪AVC社社長が語るデジタル家電の未来

公開日 2005/09/03 10:45
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パナソニックAVC社社長 大坪文雄氏
IFA2005の初日、9月2日、9時45分よりメッセベルリンに隣接したICCで、パナソニックAVC社社長などを務める大坪文雄氏がキー・ノートスピーチを行った。その要旨をお伝えしよう。

キーノート・スピーチ
大坪文雄氏
(パナソニックAVC社社長、パナソニックAVCネットワーク社社長、松下電器産業シニア・マネージング・ダイレクター、松下電器産業ボードメンバー)

The High Definition Future of Europe.

コンシューマーエレクトロニクスは「GENERATION TECH」と呼ばれる新しい世代に入ってきました。薄くて平ら、シンプルで簡単な使い勝手、深い感動を体験できる新しいテレビが、人々の生活に抜本的な変化を起こしていきます。テレビは家庭の心臓部です。2006年のサッカーワールドカップではHD-TVによって、人々は大変大きな恩恵を受けることができます。パナソニックではF1にも積極的に取り組んでおり、スポーツを見ることによって得られる感動をさらに高めていく上でHD-TVは非常に大きな役割を果たします。HD-TVが欧州のスタンダードになることを期待しています。このように「THIN」、「SIMPLE」、「DEEP」がシームレスに繋がって、より深くエモーショナルな体験をすることができるようになります。PCが家庭の「プライマリー・ポータル」になるのか、あるいはその役割をテレビが担うことになるのか、という二つの見方がありますが、パナソニックはテレビこそが家庭の中心だと考えています。


私は2003年のIFAの講演で「SD」、「DVDレコーダー」、「デジタルフラットテレビ」の頭文字をとった「3Dバリューチェーン」を発表しました。5年前にSDカードはメモリーの世界でわずかな市場シェアしか持っていませんでしたが、今や40%以上ものシェアを持ちマーケットリーダーとしての地位にあります。SDは「ピボット」としての役割を果たす技術としてテレビやデジタルカメラ、DVDレコーダーなどを横断的にサポートします。SD、デジタルフラットテレビとともに3Dバリューチェーンを構成するDVDレコーダーも市場で驚異的なスピードで成長しています。パナソニックはここでも市場でトップシェアを持っています、パナソニックではこれからも「3Dバリューチェーン」を高めていくことによって、より深い体験感を提案していきたいと考えています。この「3Dバリューチェーン」は大きなトランスフォーメーションの時期を迎えています。パナソニックではHD-TVを中心に「HD3Dバリューチェーン」を展開していきます。ドイツをはじめとして欧州ではすでにHD-TVの有料放送も始っています。テレビが変遷し、DVDレコーダーも変遷し、ホームシアターは深い感動を実現できるようになってきました。これをHDホームシアターへと進化させることによって、さらに高い感動を実現できるようになっていきます。

テレビを通じて最高の画質で繊細かつクリアな画像で深い感動をお客様に体験していただくために、パナソニックでは65V型のプラズマテレビの商品化を実現しました。パナソニックはHDを推進していく上で非常に良いポジションにあります。例えばデジタルフラットテレビのキーコンポーネントはシステムLSIですが、パナソニックではこれを独自に開発しています。またプラズマテレビのパネルも生産しており、部品の開発生産から最終製品をアッセンブルするまでの垂直統合型の商品作りをしています。先日プラズマパネルの最新の生産工場が尼崎にできました。この工場の完成によって当初年間480万台のパネルの生産を見込んでいましたたが、これを500万台に引き上げることによって市場からの膨大なニーズに対応していくことを決定しました。

SDメディアの分野でも変化が進んでいます。パナソニックでは世界初の業務用のメモリーカードを利用したデジタルハイビジョンカメラ「P2」を製品化しました。この製品の最大の特長は機械的に動くパーツが一切なく、非常に軽くてコンパクトにすることができたことです。この技術をプロ用だけにとどめるだけでなく、近い将来、家庭用HDのSDカムコーダーを提供していきます。

近い将来、さらにもう少し先を見ると家庭ではもっと大きな変化が出てきます。テレビは家庭内での唯一の総合的なウインドーになり、「エンターテインメント」、「コミュニケーション」、「セキュリティー」、「エコロジカル」を提供していきます。例えば、「エンターテインメント」ではビデオオンデマンドによってレンタルショップに出向くことなく、家庭にいながらにして好きなコンテンツを楽しむことができるようになります。「コミュニケーション」の面では、テレビを通してフェース・トゥ・フェースで話し合えるようになります。「セキュリティー」面では、ネットワークカメラと繋ぐことによって来訪者のチェックをするなど、家庭内や周囲の様々なことを自分自身で管理できるようになります。また、「エコロジカル」の分野では環境に優しい製品作りだけでなく、テレビを通して環境に良いインパクトを与えていくことができるようになります。例えば使っていない電気製品のスイッチを切るなど、家庭内のエネルギーに消費を減らすための情報を一括管理できるようになります。

松下電器では2001年に日本でトップクラスのリサイクルセンターを建設しました。ヨーロッパでも2003年4月にエコロジカル・ネット・ヨーロッパGmbHを設立して、ヨーロッパにおけるリサイクルをスムーズに行っていくために積極的な活動を展開しています。「未来をより豊かにすること」、「環境を保存しながら未来を守ること」。パナソニックでは常にお客様から期待されることよりもさらに前を歩み続けていくことによって、テレビ関わるすべてを通してお客様に喜んでいただきたいたと考えています。

(Senka21編集部)

[IFA2005REPORT]

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