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日立、有機ELディスプレイの画質を大幅に向上する「発光期間制御回路技術」を開発

公開日 2003/05/20 17:24
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●日立製作所中央研究所より、有機ELディスプレイの画質を大幅に向上する「発光期間制御回路技術」を開発したことを伝えた。本技術では、画面上の局所的に明るい部分を、白色ベタ面よりも2倍以上輝かせる"ピーク輝度制御"を、平面ディスプレイとして初めて実現した回路技術であり、26万色の高精度な発光や、なめらかな動画表示が同時に可能になるというものだ。

今回の新しい技術では、従来有機発光体の輝度を制御する方式を採用していた有機ELの技術に対し、有機発光体の発光する時間幅を画素毎に制御して階調を表現する技術である。本技術は、厚さ0.7mmのガラス基板に、画素あたり4個のトランジスタを用いた回路を形成し実現された。

上記回路技術の、有機発光体の時間幅(発光期間)を画素毎に制御する、という特性を活かし、画面上の局所的に明るい部分を白色ベタ面の輝度よりも2倍以上の輝度で輝かすことができる「ピーク輝度制御」を実現している。本制御は、従来ブラウン管のみが持っていた特性を、平面ディスプレイとして初めて実現したものである。

同社では、本技術を用いて、薄さ1.8mm、画素数230,400の3.5形有機ELディスプレイを試作し、効果を検証した。本技術はデジタルカメラや携帯電話向けの小型ディスプレイ、将来は家庭用のTV用モニタなど幅広い適用が可能であるとの見解を示している。

【問い合わせ先】
株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [ 担当:内田氏、木下氏 ]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
TEL/042-327-7777

(Phile-web編集部)

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