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ライブ音楽配信「MUSIC/SLASH」の高音質を支える技術とは? 新プロジェクト「SPB」への想いも聞いた

公開日 2020/12/11 09:30 インタビュアー:岩井 喬/写真:井上良一/構成:編集部
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■配信用のミックスは、会場用のミックスとは全くの別物

岩井:ライブのリアルタイム配信を行う時、実際に現場ではどのような動きをされているのか、教えていただけますか? 会場用のミキシング・コンソールを共用したりするのですか?

千葉:いや、配信用の機材は会場PAの機材とは別に用意します。会場用の機材は会場にきたオーディエンスのための音を作るものですので、私たち配信サイドは、ステージ上の音声ラインを分岐させていただき、配信用にもうひとつのミキシング・コンソールを立ち上げ、会場PAとは異なるミックスを行っています。


ライブ会場で配信用ミックスを行うことを想定したシステム。手前がミックスを行うミキシング・コンソールで、奥にあるのがミックスした音と映像を合わせ、実際に配信を行う機材一式
谷田:ライブ当日はもちろんですが、事前のリハーサルにも立ち会って、実際の機材でミックスのあたりもつけながら、アーティストの特性に合わせた音を作り込んでいくところから一緒にやっているんです。2ミックス(2chにダウンミックスした最終段階に近い音源)をもらって、それを配信して終わりというわけではありません。

千葉:そもそも会場用のミックスは、反射などの要素を考慮して、その会場に合わせた音場にしているので、そのまま配信用にダウンミックスして聞いても、リスナーがいつもテレビやオーディオで聴いているような音にはなりません。音作りも過剰な低音が出ていないか、それでいて迫力が感じられるか、歌詞がきちんと聞き取れるか、といった部分に重点を置いてミックスしていますので、配信にふさわしい音とは言い難いと思います。

エムスラ代表の谷田光晴氏の音へのこだわりが、あらゆる面で高音質を支える

一方、配信用のミックスは、低域から高域まで綺麗に満遍なく音を出すことを心掛けています。つまり、まさに配信専用に、エムスラ用に調整されたミックスだと思います。だから会場と配信のミックスは全くの別物です。

岩井:配信用のミックスはアーティストも確認されるのですか?

千葉:そうですね。アーティストはもちろんですが、事務所やプロダクションの方には確認していただいています。こだわりの強いアーティストは確認される方もいらっしゃいますね。

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