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クルマで使うために必要なこと

カーオーディオ“専用”アクセサリーは何が違う? オーディオテクニカに聞いたこだわり設計

編集部:押野 由宇

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2019年06月19日
ホームオーディオにおいて、アクセサリーが担う役割の大きさはいまさら語るまでもないだろう。ケーブルはシステムの “血管” に例えられるように、プレーヤーやアンプ、スピーカーといった花形と並ぶメインパーツとして考えられている。

では、カーオーディオにおいては、どうか? もちろん重要であろうことは疑うまでもないが、なにせ家の中と車内では環境が大きく異なる。ホームオーディオと同じようでいて、また違ったこだわりがあるのではないか。

そこで、「Rexat(レグザット)」シリーズに代表される高品位なカーオーディオ専用アクセサリーを取り扱うオーディオテクニカに話を聞いた。答えていただいたのは、国内営業部 モービルサウンド課主務の鈴木大輔氏と、同じくモービルサウンド課の石橋昌侑氏だ。

オーディオテクニカ 国内営業部 モービルサウンド課の石橋昌侑氏(左)と鈴木大輔氏(右)

耐熱性能を備えることがカーオーディオ専用アクセサリーの大前提

ホームオーディオではアクセサリーはただ音を出すための道具ではなく、音質向上を目指す上で欠かせない重要なファクターだが、そこは「カーオーディオとホームオーディオの違いはありません」と鈴木氏。「私達もただのアクセサリーではなく、アンプやプレーヤーと同じように1つのコンポーネントとしてご提案していますし、ユーザーの方もそういった認識でアクセサリーを選んでいらっしゃいます」と、アクセサリーが重要であることにやはり変わりはないようだ。

では、ホームオーディオにおけるアクセサリーとカーオーディオ専用アクセサリーの違いについて尋ねると、大きくは耐熱性能の違いに集約されるという。

クルマというのはノイズの塊であり、温度変化も激しい。極めて厳しい環境だ。そこで使用されるアクセサリーには、耐熱や耐振といった仕様に大きなこだわりがある。「耐熱素材を使わないと、ケーブルが溶けてしまう、といったことも起こりえます。耐熱性能が社内基準を満たしていて、かつ音に悪影響のない素材を、新しく出てくる素材も含めて模索しながら最適な音を追求しています」と石橋氏が説明してくれた。

オーディオテクニカのカーオーディオ専用アクセサリーは幅広いラインナップを揃えるが、なかでも「Rexat」シリーズはその最上位になる。USB接続時に間に挟む形で使用することでノイズを除去するサウンドコントロールアダプター「AT-RX97USB」や、電源供給を安定したものとするパワーレギュレーター「AT-RX100」などが揃うが、ホームオーディオファンにも馴染み深いのは、やはりケーブルだろう。

「Rexat」シリーズのフラグシップ「プレミアムライン」は、特約店専売モデルとしてオーディオケーブル「AT-RX5500A」、スピーカーケーブル「AT-RX5500S」の2モデルをラインナップ。AT-RX5500Aは導体に高純度銅「7N-Class D.U.C.C.」が、AT-RX5500Sには「7N-Class D.U.C.C.」とOFCのハイブリッド導体が採用されている。

「Rexat」シリーズのプレミアムライン、オーディオケーブル「AT-RX5500A」

この7N-Class D.U.C.C.は、ハイエンドフォノケーブルなど同社のホームオーディオ製品にも使用されているものだが、実は採用したのはモービルサウンド部門が先なのだという。高音質化のアプローチについては、カーオーディオ製品とホームオーディオ製品で共通する点もあるわけだ。

しかし、同じ導体を使えたとしても、他に考慮すべき課題があるのがカーオーディオ製品だ。

「例えばケーブルであれば、車内を這わせることができるよう引き回しを考える必要があり、どうしても太さ/硬さに制限がかかります。プラグに関しても限られたスペースであることを考慮し、弊社では基本的にショートプラグを採用しています。このように温度環境などだけではなく、過酷なインストール条件にも耐えられる水準であることがカーオーディオのアクセサリー開発では求められます」(石橋氏)

音質はもちろん、クルマの環境に耐えられるのかを考え素材選定を行うのがカーオーディオの絶対条件だという

「Rexat」シリーズで言うならば、先の “耐熱” に加え、 “制振” にも非常に力が入れられている。なぜなら、クルマというのは鉄の塊であるため、外来ノイズの温床となってしまう。よってアクセサリーには相応の制振対策も求められることになる。

ケーブルではシースやシールドによる対策が必須となる。それというのも、ケーブル内部の導体が微細な振動をしてしまうからだ。導体の品質のみならず、信号が流れる際に起こる微細振動を抑制することが、音質面での優位を生み出す。また導体と制振素材の組み合わせによっても音質に影響がある。耐熱と制振、導体選定といったあらゆるノウハウの相乗効果があって、高音質が実現できる。

「AT-RX5500S」の断面。ケーブル全体をシルク編組シースで制振し、内部絶縁には低誘電率のシルク編組とフッ素樹脂テープを採用することで導体の特徴を引き出している

カーオーディオを始めてみる、おすすめの順番も聞いてみた

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