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<山本敦のAV進化論 第174回>

「Xperia 1」は“感動”スマホ。ソニーの総力結集、最上位モデル開発者インタビュー

山本 敦

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2019年03月06日

さらにNetflixのコンテンツを視聴する時に、アプリを起動すると自動的にクリエイターモードに切り替わる「オートクリエイターモード」も搭載を予定する。設定メニューから機能をオンにしておくと、NetflixのすべてのコンテンツがXperiaの推奨する画質で見られるようになる。

HDRリマスターのアルゴリズムも一新された

この機能は最新のブラビアMasterシリーズが採用する「Netflix画質モード」(関連記事)とは違うのだろうか。松原氏がXperia 1のクリエイターモードとの違いを次のように説いている。

「ブラビアMasterシリーズのNetflix画質モードは、ソニービジュアルプロダクツのブラビアのチームとNetflixとの協業によって監修されたモードです。Netflixの制作環境で使われているマスターモニターがソニーのBVMシリーズなので、結果的にはXperia 1のクリエイターモードと似た効果を得ることができますが、ブラビアが一般の家庭のリビングなどで見る映像を想定して画質を最適化しているのに対して、私たちのクリエイターモードはBVMの開発者と画質のチューニングを一緒に行っていることが大きな違いになります。スマホをプロの映像制作の現場にも使えるということをコンセプトにしていますので、Netflixの視聴以外のユースケースにも広くフィットする機能になると自負しています」(松原氏)

MWCの初日にソニーモバイルコミュニケーションズが開催した記者発表会には、ソニー・ピクチャーズグループの映画製作会社であるScreen GemsのHead of Physical Production、およびソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントからスピンアウトした映像制作技術の専門集団であるSony Entertainment & Technology社Innovation Studiosのプレジデントを兼務するGlenn Gainor氏が登壇。

自身が手がける映画『Black and Blue』の制作現場で、Xperia 1のプロトタイプを各スタッフに持たせて、映像の仕上がりを確認するためのパーソナル・マスターモニターとして活用した事例を語った。そして「Xperia 1は映像制作現場のワークフローを変える画期的なデバイス」と絶賛した。マスモニ高画質を標榜するスマートフォンが映像制作の新たな可能性を切り開こうとしている。

これが本当のドルビーアトモス対応スマホだ

Xperia 1が取り組んだオーディオ再生の面での大きな改革は、シリーズとして初めて立体音響技術のドルビーアトモスに対応したことだ。

Xperia 1は内蔵スピーカーとヘッドホン出力の両方でドルビーアトモス再生ができる。プレスカンファレンスの壇上でも、米SPEのスタジオエンジニアも参加してXperia 1独自のカスタムチューニングを施したと語られていた。その経緯を松本氏に聞いてみよう。

ヘッドホンによるドルビーアトモス再生をデモで紹介

「スマートフォンがドルビーアトモスに対応する場合、基本的にはメーカーが端末をドルビーに預けて、彼らが推奨するチューニングに設定したパラメーターが提供されるという作業プロセスになります。私たちの場合、音質に対する考え方をドルビー・ラボラトリーズにご説明して了解を得たうえで、ドルビーアトモスのムービーとミュージックの両モードを、オリジナルからXperia独自のパラメータに変更した後に彼らの認証を得たという経緯です」

「ムービーモードについては米SPEのエンジニアと協業してチューニングを行いました。ドルビーアトモスは開放されているパラメータの範囲がとても少ないのですが、ダイナミックレンジコントロール、周波数特性、位相特性の補正などはある程度端末メーカーが工夫を凝らせる余地も残されています。その範囲内でよりXperiaの考える理想的な立体音響に近付けることをしています」(松本氏)

SPEのエンジニアとともにドルビーアトモスのサウンドをチューニングした

もう一つのミュージックモードについては、オーディオプレーヤーも商品展開するソニーの知見も活かしながらパラメータを調整、ブラッシュアップを図った。

Xperia 1はステレオスピーカーを搭載するスマホだが、ユニットの配置位置が従来機種と少し違っている。前はステレオスピーカーの開口部が両方ともフロント側に向いてバランスの良い音を再生していたのだが、Xperia 1は本体を縦に構えた時に下側に位置するスピーカーの開口部がフレームの側面に配置変更された。その理由を都築氏が次のように説明している。

アナログイヤホン端子は非搭載ながら最新技術を採用

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