HOME > インタビュー > 「行きすぎ」なほどの最先端仕様! iFIオーディオ「Pro iDSD」の何がすごいのか?

DSD1024まで対応したフラグシップ

「行きすぎ」なほどの最先端仕様! iFIオーディオ「Pro iDSD」の何がすごいのか?

公開日 2019/02/12 17:33 藤本 健
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

ーー その右の小さなスイッチは何ですか?

デジタルフィルターをはじめとした設定は、フロントのディスプレイにわかりやすく表示される

菅沼 これがPro iDSDの大きな特徴でもあるデジタル・フィルター・セレクターです。ここでは「Direct - Bit-Perfect」、「PCM - Upsampling」、「DSD - Remastering」から選択することが可能で、どれを選ぶかで、音も変わってきます。

簡単に解説すると、「Direct - Bit-Perfect」は、アップサンプリングなど何もしない、「ノン・オーバーサンプリング(NOS)」や「ゼロ・オーバーサンプリング」とも呼ばれるモードです。

それに対し「PCM - Upsampling」、フィルターを使用してPCMが16倍のPCM(705.6/768kHz)に変換されるというものです。さらに、ここでは5種類のデジタル・フィルターを選択することができるようになっています。


Bit-Perfect:デジタル・フィルターなし、1 タップ
Bit-Perfect+:デジタル・フィルターなし、1 タップ、SINC ロールオフを補正
Gibbs Transient Optimised:最低限のフィルター、プリリンギングなし、ポストリンギング最少、32 タップ
Apodising:わずかなフィルター、プリリンギングなし、わずかなポストリンギング、128 タップ
Transient Aligned:最大のフィルター、最大のプリリンギング、最大のポストリンギング、16384 タップ


これらデジタル・フィルターの選択は、好みに応じて即座に切り替えることが可能になっています。

ーー こんなにいっぱいのフィルターを選べるわけですね。これによって結構違いはあるものですか?

菅沼 聴き比べてみると、結構差があるのが分かると思います。そもそも、完璧な特性を持つデジタルフィルターというものは存在しません。だからこそ、いろいろなフィルターを上手く選んで活用していただきたいのです。

そしてもうひとつの「DSD - Remastering」は、先ほどの「PCM - Upsampling」ともに似ていますが、PCMでのアップサンプリングではなく、DSD512またはDSD1024に変換するというものです。これはDSD信号だけでなく、S/PDIFやAES/EBU、さらにはネットワークオーディオに対しても有効であり、ここでもフィルターを選択できるようになっています。

現時点でDSD1024を価値あるものとするアップサンプリング機能をはじめ、iFIオーディオらしさ溢れる技術を凝縮している

ーー なるほど、Pro iDSDがDSD1024に対応しているというのは、このDSDのアップサンプリングができるという意味なわけですね。そもそも、DSD1024の音源が存在しませんものね。

菅沼 私がサンプル的に作ったDSD1024の音源はありますが、他では聞いたことがまだないですね。ですから、DSD1024を直接再生するというよりも、CDの44.1kHzであっても、DSD1024まで引き上げて最高の音質で聴くというコンセプトの製品です。

嶋田 フィルターの切り替えだったり、モードの切り替えだったり、さらにはトランジスタと真空管の切り替えなど、さまざまな音を好みに合わせて切り替えられるというのも、オーディオファンの方にとっては、楽しめるところだと思います。ぜひ、この面白さを体験してみてください。

ーー ありがとうございました。

前へ 1 2 3 4

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE