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ヴァル氏のバックグラウンドも

インタビュー:V-MODA CEO ヴァル・コルトン氏が語る、モノづくりへの飽くなきこだわり

2017/12/06 音元出版
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−− 1つの製品の開発プロセスがどういう流れで行われているか、教えて頂けますか。

ヴァル氏 3年から6年をかけ、非常に長い時間をかけて開発しています。まず初めにコンセプトがあり、その次にお客様の声を集めます。協力頂いているエンジニア、プロデューサーに試作段階から試して頂いたり、オーディオフェスティバルに集まるお客様の声を聞き、フォーカスグループを作って落とし込んでいきます。

3年から6年とじっくり開発を行っているとのこと

メディアのエディターの方々にもご協力頂いて、特に開発に成功した例が「M-100」です。クラウドソースでお客様の声をフィードバックし、開発に反映させた世界初のヘッドホンです。一流のアーティストを含む200人以上の方に実際に試して頂き、そこから最終製品に落としこみました。

−−それだけ多くの方の意見を集めると、まとめるのが難しくないでしょうか?

ヴァル氏 違う意見をプロファイリングするのが重要です。どういう方がどういう意見を仰ったか分析し、一つの製品が出来るだけ多くの方の意見をカバーできるようにして、最大共通項を取っていくことを心掛けています。ここで重要なのは、どのようなデバイスで聴かれているか、またワイヤレスであるかどうかということ。ジャンルや場所、状況によって聞こえ方が変わるということです。

−− ヴァルさんはRed Hot Chili Peppersの「Slow Cheetah」をリファレンスとしてチェックしていると伺いました。具体的にどういった音に注目して音づくりをしているのでしょうか?

ヴァル氏 たしかに「Slow Cheetah」はよく使う曲の一つです。この曲はギターから始まって、次にボーカルが入ってきて、ベース、ドラムがその後加わっていくという構成になっていまして、1つ1つの音の要素に集中して聴くことができるので、好んで使っています。

ほかにはクラシカルな曲やオーガニックサウンドも使いますし、ADELEなどの有名な女性ボーカルも聴きます。ダンスミュージックも、もちろん聴いていますが、特に低音をチェックするときに活用しています。

製品のチューニングは様々なジャンルで行っている

独特な方法かもしれませんが、曲をずっと最後まで聴くのではなくて、ある4小節分などを、延々とループさせて聴いたりします。特に機種別の違いであったりするときは、ループさせてチェックすることが多いですね。

−− あらゆるジャンルを徹底的に聴きこんでいくということですね。

ヴァル氏 V-MODAの社内にはいろいろな音楽を得意としているスタッフがいます。そこはプロ同士ということで、互いの情報を持ち合って、最終的にフォーカスグループというところで決めていきます。

私自身はテクノやダンスミュージックが好きなのですが、あえて違うジャンル以外をカバーするのを心掛けて、幅広いジャンルをチェックするようにしています。

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