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未発表の新モデル情報も明らかに

iFIオーディオ、ヴィンセント・ルーク氏が語るブランドの理念と今後の開発計画

山本 敦

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2015年05月14日
昨年夏に発売された“Meaty Monster(肉付きの良い怪物)”「micro iDSD」(関連ニュース)が実現したDSD512(24.6MHz)、PCM 768kHz/32bit、Double DXDのネイティブ対応など、iFiオーディオから矢継ぎ早に発売されるコンポーネントの先進性と高音質が脚光を浴びている。同社がなぜ驚くほどのハイスピードで圧倒的な製品を世に送り出すことができるのか。先日、来日した同社マーケティング担当のヴィンセント・ルーク氏に真相を訊ねた。

IFIオーディオのグローバル・マーケティング・マネージャーのVincent Luke氏。日本のメディアへの登場は今回が初めてだ。今後の製品展望に至るまで徹底的に話をきいた

■iFiオーディオ誕生の背景と設計思想

iFiオーディオのルーツを探っていくと、イギリスのハイエンドブランドAMR(Abbingdon Music Research)に辿り着く。2006年に誕生したAMRブランドは、初の製品であるフラッグシップのCDプレーヤー「CD-77」をはじめ、真空管とソリッドステートのハイブリッド方式によるデュアルモノ・プリメインアンプ「AM-77」、フォノイコライザー「PH-77」などレファレンスクラスの超弩級コンポーネントを発売している。なかでも、CDプレーヤー「CD-77」にはフィリップスのマルチビットDACチップ「TDA1541A」を搭載など、音質を徹底重視したプレーヤーとしてマニア垂涎の的になっている。

そのAMRから2012年に派生したブランドがiFIオーディオだ。ルーク氏は誕生の背景を振り返る。

「若い音楽ファンの方を中心に、オーディオのリスニングスタイルの主流がポータブルへと移り変わりました。現代のリスニングスタイルを物語る上で、大事なキーワードは“コンビニエンス(利便性)”です。オーディオの記憶媒体がLPレコードからCD、HDDへと一気に変遷して、手元に何千曲ものファイルが持ち歩ける便利な時代になりました。いまではストリーミングが急成長してきて、音源を持ち歩く手間すらなくなりました」

「音楽の聴き方が変われば、合わせてオーディオ機器も柔軟に対応しなければなりません。“便利であること”へのニーズに応えながら、AMRで培ってきた高音質を探求する。そんな思いを基点にiFiオーディオがスタートしました。最初の製品はmicroシリーズのiDAC、iPhono、iCAN、iUSBPowerの4機種で、アメリカのロッキーマウンテン・オーディオ・フェストへの出展が成功を収めました。それから現在までに、15機種前後までラインアップは拡大しています」

iFIオーディオの初期製品の中でも、とりわけユニークな存在となるiUSBPower。電源と信号を分割した上で信号をアイソレートする構造を採用しつつUSB 2.0への正式対応を果たすなどしている

ブランドの起ち上げからわずか1年後には、microシリーズの高機能をハーフサイズの筐体に落とし込んだコンパクトなnanoシリーズが登場し、ファンを驚かせた。ルーク氏は、nanoシリーズではスマートフォンによる上質な音楽リスニングを提案することが狙いだったと語る。

iFIオーディオが日本で大きな脚光を浴びるきっかけとなったnanoシリーズ。nano iDSDは、いち早くスマートフォンからのDSDネイティブ再生に対応

「私達はiPhoneやAndroidスマートフォンは、今後のオーディオリスニングの中心になるだろうと考えました。ポータブルオーディオ用の本格的なハイレゾプレーヤーは、確かに音は優れています。とはいえ、誰でも気軽に買える価格ではありません。一方でスマートフォンは、誰もが生活の必需品としています。オンキヨーのHF Playerをはじめ、Hibiki、KaiserTone、Cappriccio、USB Audio Player PROなど、機能と音質共に良質なハイレゾ対応プレーヤーアプリも続々と出てきました。ヘッドホンアンプも、スマートフォンでの使い勝手を磨き上げる必要があります。サイズ感の面でもスマートフォンと親和性の高いnanoシリーズをであれば、手軽に高品位な音楽再生環境が整えられます」

■クラウド利用で“ファンの声”がかたちになった「micro iDSD」

nano iDSDのヒットに続くかたちで、昨年夏に誕生したmicro iDSDの開発には、iFiオーディオのユーザーやファンの声をHead-Fiのスレッド、iFiオーディオのFacebookページやメールなどを通じて集めながら、製品開発のアイデアとして活かしていく“クラウドデザイン”というユニークな手法が採られた。

なぜ、先進技術をどこよりも早く製品に投入できるのか?

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