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IFA2012スペシャルインタビュー

ソニー・ヨーロッパ新社長 玉川勝氏に聞く、4K&テレビ戦略の今後と欧州でのビジネス展開

公開日 2012/09/11 10:30 ファイル・ウェブ編集部:山本敦
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ヨーロッパとインド ー ビジネスフィールドとしての共通点と相違点


IFA2012のソニー・プレスカンファレンスにて、ソニー・ヨーロッパ新社長として紹介を受ける玉川氏
玉川氏はヨーロッパとインドの間にある「共通点」と「相違点」を把握することから、ヨーロッパでのビジネスの起点を描き始めている。共通点は2つあるという。1つめは「ビジネスの根本、商品戦略、販路戦略、ブランドの重要性、サプライチェーンマネジメントは同じ」ということ。玉川氏は「これらは言わば“ビジネスの基本”にあたる部分なので、国や地域によって変わることはない。またビジネスの基本は“人”であるため、いかに現地の社員を教育して、やるべきことをしっかりと実行していくか。これを徹底する必要がある」と語る。2つめの共通点は商品価値体験の重要性。「良い売り場をつくり、販売員が正確な説明を通じて商品の魅力をお客様に訴求していく環境が大切であるということは、どの国や地域でビジネスをする場合でも同じ」という。

玉川氏が相違点として挙げるポイントも2つある。1つめには欧州の多様性だ。ソニー・ヨーロッパ社がカバーするテリトリーは全部で42ヶ国あるが、それぞれに言語、文化、消費者志向、所得水準、市場の構造、流通、商習慣などがことごとく違ってくる。「インドは多様性の国といえど、私が見てきた限りは“一つ”としてみることができる地域だ。そう考えると、ヨーロッパは多様性が圧倒的に違う」と玉川氏は語る。

もう1つの異なる点は「流通の成熟度」だ。これについて玉川氏は「インドは流通が未成熟だったので、例えばトップの100アカウントを足し上げても全体の売り上げの5割に満たなかった。ところがヨーロッパの各国では、組織化された大手量販店を中心としたトップ10のアカウントで、全体の7〜8割以上が構成される。そのため販売チームの構成や、アプローチの仕方も改める必要があるだろう」とした。

これらの相違点を踏まえて留意すべきポイントは、「中央からコントロールすべき領域と、現場に権限を与えるべき、あるいは現場力でないと実現できない領域とを分けて取り組むこと」であると玉川氏。中央でコントロールできるポイントとは、例えば商品戦略、システム構築を含めたビジネスのプロセス、広告宣伝戦略、人事制度、経費関連などだ。一方で販路の戦略、需要の予測、コマーシャルコンディション、店頭活動は現場に権限を与えて、積極的に展開させるべきというのが玉川氏の考え方だ。

新たに企業カルチャーを根付かせるためには「最低で5年はかかる」と玉川氏。オフィスでは需要予測や販売戦略を徹底的に練り上げながら、現場にも頻繁に足を運び「オフィスにいるだけでは見えない事柄」も逃さず捉える。このようなアプローチを根気よく続けていくことで企業カルチャーは徐々に出来上がっていくのだという。「とても時間がかかるかもしれないが、インドと同じように企業カルチャーをつくることができれば、ソニーはヨーロッパ市場での差別化に成功できるだろう」と、玉川氏は意気込む。


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