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インタビュー

折原一也がパナソニック小塚氏とソニー島津氏を直撃

3Dメガネ規格標準化の狙いと展望を「フルHD 3Dグラス・イニシアチブ」キーマン2名に訊く

折原一也

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2011年10月06日
3Dを巡る動きとして、3Dグラス技術の標準化の流れがある。パナソニック、ソニー、サムスン、X6D Limited(XPAND)が提携した「フルHD 3Dグラス・イニシアチブ」(関連ニュース)に、シャープ、東芝、フィリップス、TCL(中国)が賛同し、技術ライセンスを締結する仕組みを発表した(関連ニュース)。標準化に至った経緯と、3D普及の手応えをキーパーソンに尋ねた。

■流通の要望とユーザー目線で生まれた「フルHD 3Dグラス・イニシアチブ」

今回のインタビューへ主に答えてくれたのは、パナソニックのメディアアライアンス戦略室室長の小塚雅之氏と、ソニー3D&BDプロジェクトマネジメント部門の島津彰氏。いずれもBDの規格化に始まる一連の標準化をまとめ上げてきた中心人物である。

小塚雅之氏

島津彰氏

小塚氏 まず「フルHD 3Dグラス・イニシアチブ」について誤解がないようにしたいのは、例えばBDAのように議論して団体を作っている訳ではなく、4社で技術を持ち寄ってライセンスをする取り組みであるということです。元々は4社が賛同して普及を促進するための合意が行われた、というのが今回の発表の趣旨です。まずは、赤外線の次世代として無線を利用する際にはBluetoothで統一しようと話をしていたものをライセンスとしました。

3Dテレビは、本格的に製品が市場に投入された2年前から業界標準がなく、サムスンはサムスン、ソニーはソニ−、パナソニックはパナソニックといった具合に互換性がない状態が続いていました。発売当初は各社がメガネ込みで3D全体のチューニングをしていたといった事情もあったりして、なかなか業界標準を作るまでには至らなかったんです。

これを統一して欲しいという要望が、特に流通の強いアメリカから出ていましたし、何よりもお客さんから見て分かりにくいというの点が問題でした。

また、標準化のもう一つのきっかけとして、サードパーティー製の「ユニバーサルメガネ」と呼ばれる3Dメガネの出現もあった。サードパーティー製メガネは純正よりも安価で汎用性の高い互換品とも呼べるものだが、必ずしも信頼性の高いものばかりではなかったのだ。

小塚氏 サードパーティーが発売しているユニバーサルメガネは、その会社が各テレビメーカーの3Dメガネを独自に解析して作っています。しかし、当然ですが各テレビメーカーごとに独自のノウハウがあって、それを完全に解析できるわけもなく、あまり完成度の高いものではありませんでした。

また、一口にユニバーサルと言ってもA社はサムスンとソニーの3Dテレビに対応、B社はソニーとパナソニックのものに対応、などといった具合に全メーカーに対応しているとも限りません。「ユニバーサル」の定義もなく、統一されたロゴも何もないとなると、消費者は余計に混乱するのではないかという心配もありました。

最も恐れたのは“3Dメガネのクオリティ”

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