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制作者が考える2Dと3Dの映像表現の違い

神山健治監督が語る「攻殻機動隊S.A.C. SSS 3D」− 3D立体視アニメの表現の可能性とは

鈴木桂水

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2011年04月07日


━━SSSの内容についても伺わせてください。本作のテーマは広く捉えると今まさに現代社会が内包している問題の多くを扱っていますね。無縁社会につながる老人問題や少子化、毎日のようにニュースになっている児童虐待がストーリーの軸になっています。とても2006年の作品とは思えませんが、3D化することでまた多くの方に見て貰えるという点についてはいかがですか?


神山氏:そこに関しては、この作品にとっては非常に幸運だなと思いますね。あの当時、高齢化社会とは少子化とかの問題をあまりリアリティを持って見られなかった人でも、今のタイミングで見れば、何を描こうとしたのか明確になったかも知れないですしね。あとは、有料チャンネル(スカパー!)やOVAとしてリリースされたものなので、「攻殻機動隊 S.A.C.」ファンの人でも見たことない方が意外にいらっしゃるんですよ。それを考えると、3D化することで多くの方に見て貰えるのは有り難いなあと思います。

━━今後の「攻殻機動隊 S.A.C.」の展開についてはいかがでしょうか?

神山氏:「攻殻機動隊 S.A.C.」の新作をつくる気持ちを「僕は」ずっと持っていたけど単に大人の事情というやつで…。あとは今回の反響次第ですね。ぜひ劇場に足を運んで、3D版のSSSを楽しんでください。

━━今日は有り難うございました。

  ◇ ◇ ◇  


TV版の攻殻機動隊シリーズや「東のエデン」に代表される神山監督作品の先見の明にはいつも驚かされる。なかでも本作「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」の内容も、SFを通して現代の問題を浮き彫りにしている。万年不満分子の筆者は、氏の作品を見終わると、いつも「やられたなぁ」という気持ちになってしまう。本作に限らず神山監督の作品は、ぜひ日ごろアニメを見ない層にオススメしたい。アニメだから見る、見ない、という価値観でなく、“アニメだから表現できた世界”の奥深さを多くの人に実感していただきたい。


【映画情報】

『攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D』
配給:プロダクション I.G/ティ・ジョイ
宣伝:ティ・ジョイ 宣伝協力:プレシディオ+ヨアケ
公開:2011年3月26日 新宿バルト9他全国公開
公式サイト:www.ph9.jp
(c) 2011 士郎正宗・Production I.G / 講談社・攻殻機動隊製作委員会





【執筆者プロフィール】
鈴木桂水
元産業用ロボットメーカーの開発、設計担当を経て、現在はAV機器とパソコン周辺機器を主に扱うフリーライター。テレビ番組表を日夜分析している自称「テレビ番組表アナリスト」でもある。ユーザーの視点と元エンジニアの直感を頼りに、使いこなし系のコラムを得意とする。そのほかAV機器の情報雑誌などで執筆中。

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