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伊藤 英晴

販売店、お客様と三位一体の関係を深め
ブランドと製品の強い力で市場創造する
アキュフェーズ株式会社
代表取締役社長
伊藤 英晴
Hideharu Ito

高い技術力での製品づくり、その価値訴求を担う販売店との強い協力体制でお客様の期待に応えるアキュフェーズ。最高の製品を長くご愛顧いただくサポート体制にもさらに注力、ハイエンドカテゴリーを担う存在感を高める同社・伊藤社長が受賞に際しての意気込みを語る。
インタビュアー/徳田ゆかり Senka21編集長 写真/君嶋寛慶

たゆまぬ技術の追求と
お客様サポートでまい進

金賞受賞おめでとうございます。12年連続受賞です。

伊藤栄誉ある賞を頂戴し、大変光栄です。審査に携わった評論家先生並びに流通側の皆様方に感謝して御礼申し上げます。1972年の創業以来、高い理想を掲げ変わらぬ経営理念のもとで技術を追求し、付加価値の高い製品を創り続けてきました。皆様のご評価に大きな喜びと共に強い責任を感じます。そしてオーディオ業界発展のため、今後もますます邁進して参ります。

金賞に輝いた「A-250」についてお聞かせください。

伊藤アキュフェーズのモノフォニック大出力アンプは世界のハイエンド市場をリードし、時代のブレイクスルーを果たしてきたと自負しています。2012年発売の創業40周年記念モデルA-200も国内外から高い評価をいただきましたが、A-250はこれをフルモデルチェンジしたもの。回路や機構の全てに最高のクオリティと最新のテクノロジーを結集、音楽の持つ新たな魅力と豊かな情感を再現する、純A級駆動のモノフォニック・パワーアンプです。今年4月の発売で、初回ロットが瞬く間に完売し前期の売上げに大きく貢献してくれました。

ほかの新製品群も強力な布陣、エントリー向けからトップエンドまで多数発売しましたが、エントリー向けも高性能化してさらに充実し、新しいお客様へのアピールという意味でも今後さらに期待できます。

メディアやお客様の志向が多様化しています。御社の方向性をお聞かせください。

伊藤アナログレコードやSACD/CDなどのパッケージメディア、FM放送、ハイレゾ音楽配信など、全てのオーディオソースは音楽を楽しむための必需品です。アナログレコードが今改めて人気ですが、再生機器の進歩で音楽はもっと楽しく豊かに再生できるようになり、それぞれのメディアは無限の可能性を秘めているわけです。機器はメディアの多様化に対応する必要があり、弊社はあらゆる可能性に挑戦していきます。

ご販売店対策、ユーザー対策をお聞かせください。

伊藤ハイエンドオーディオは高価な趣味製品ですから、見て、聴いて、触れられることが必須。お客様が十分に情報交換し、製品の知識や使い方のノウハウを習得し、最高の音質を創り出す研鑽をされる場であるご販売店は重要な存在です。

弊社は《メーカーから販売店へ、販売店からお客様へ》と三者の強固なトライアングルで製品をお届けし、流通経路を堅持して長期間のサービスを実施することを経営方針として明示しています。ですからWebではなく、ご販売店にお願いしての対面販売がベストになります。

弊社が自信を持って開発製造した製品を、販売店の皆様方に適正な価格で売っていただきたい、量を追い価格競争に陥れば間違いなく製品の質は低下し、売り手も買い手も不幸になってしまいますから。そのためエリアを絞り、弊社の経営方針にご賛同いただける販売店様方に絞ってご協力をお願いしています。

新製品が発売されると、全国の主なご販売店と協力して試聴会を開催します。設計者が自ら講師となって生の情報を正確にお伝えしており、大変好評です。またそういう場でお客様のご要望も直接お聞ききし、それを次の製品開発に反映しています。ご販売店・お客様・そして弊社の三位一体トライアングルからよりよい流れが生まれます。

伊藤 英晴

お客様サポートにますます注力されています。

伊藤音楽を奏でるオーディオ製品は、感性豊かな人間らしさを養うツールで、情緒に訴える無形の魅力を持つもの。製品創りにお金はかかりますが、その価値を認めていただいたお客様は喜んで買ってくださいます。またその価値が可能な限り長期に持続することが絶対条件になります。信頼性の高いものを長期間安心してご使用いただけるよう、お客様に対してのコミュニケーション、長期サービスの体制作りは重要です。またそれによってブランドの信頼性もより高められます。

弊社は経産省主催の「製品安全対策優良企業表彰」制度に応募、2011年、2014年に続き今年3度目の「経済産業大臣賞」を受賞でき、製品の品質・安全へ継続的に取り組む「製品安全対策ゴールド企業」となりました。弊社の目指す製品の品質・安全の取り組みとこの制度はベクトルが一致しており、受賞できたことは弊社にとって最高の励みになります。

また今年は、保証期間を終了した弊社製品を中古品として入手されたお客様に対し、お客様情報のご登録を促して製品の安全対策を進める「セカンドユーザー登録」をはじめました。この登録をしていただきますと、製品安全上重要な事項が発生した場合、中古品等をお使いのお客様にも弊社から連絡が届き、弊社製品をより安全に安心してお使いいただくことができます。また毎年の年賀状はもちろん、故障修理時の保証期間が延長され、有償修理実施後に正常な使用状態で修理した箇所が故障した場合、通常は修理日より1年間となる無償修理保証期間を2年間に延長致します。

この取り組みは、弊社の経営方針「長期信頼性・安全性、長期保証とライフタイム・アフターサービスの確立」を実践するもので、お客様に中古品も安全・安心して使用いただき、新品購入時と同様、弊社との絆を深めていただくユーザーフォローの一環です。本年5月のスタート以来、10月時点で既に300人以上の方にご登録いただきました。オーディオ業界で初めての取り組みかと思いますが、中古市場が活発な昨今、販売店様など各方面で大変好評です。

9月から新期を迎えられました。手応えと展望をお聞かせください。

伊藤前46期の国内外の累計売上げは前々期を上回り、まずまずの利益を確保できる見通しです。弊社は、株式を社内で保有する非公開会社ですから、株主優先で短期の増収・増益を追及するのではなく、創業時の基本姿勢と経営理念を堅持し、長期的観点でアキュフェーズ・ブランドの維持、発展に全力を注げます。

新たな第47期の目標値は好調な海外の割合を若干増やし、国内外合計で前期を上回る売上げを計画しています。A-250やE-650が好調な出足で、魅力ある本物の製品開発によって景気動向に振り回されることなく勝負できると実感しています。

最近特に重要視されているのは、品質問題:サービス関連です。今回の「セカンドユーザー登録」の取り組みのように、お客様のご期待を裏切ることなく、地道な努力を重ねて継続する力が、お客様にも理解されてきて、長い間に少しずつ企業イメージそしてブランド力を高めてくれると信じています。

これからも、心から満足いただける製品を創り続けますので、販売店の皆様、雑誌社の皆様の絶大なるご協力、ご支持をよろしくお願い申し上げます。

◆PROFILE◆

伊藤 英晴 Hideharu Ito
1944年11月15日長野県生まれ。67年4月 トリオ(株)入社。73年4月 アキュフェーズ(株)入社、技術部、品質保証部、広報宣伝部などに従事。04年 取締役。09年 専務取締役。11年 代表取締役副社長。13年 代表取締役社長に就任、現在に至る。

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