F・T Next
佐賀県唐津市ニタ子3丁目5-31
TEL:090-8414-7895
営業時間:10時00分 – 18時00分
定休日:水曜日
福岡空港から地下鉄直通の快速に乗り、まるで海上を走っているかのように、糸島などの絶景を眺めながら1時間20分ほど。九州本土の最西端にあるオーディオ&インストールショップがFT Next(エフ・ティーネクスト)だ。
西唐津駅からは徒歩圏。行き交う子どもたちから「こんにちは」と元気な挨拶を受けながら曲がりくねった漁村らしい小径を抜けると、しっかりしたコンクリート造りの1階2区画を占有する形でFT Nextが現れる。
代表の藤川武博さんは、高校時代からの根っからのオーディオ好き。当初は家電量販店に勤めるも、好きが高じて佐賀・唐津の朝日電器に弟子入りした。ハイファイビデオや3管プロジェクターの時代も含めて16年を勤め上げ、朝日電器閉業時のお客様を引き継ぐ形で2013年に独立。見た目も若く気さくだが、キャリアとしては30年にもなるベテランだ。
閉業前の朝日電器は2chステレオオーディオよりも新築住宅へのホームシアター導入を推進するカスタムインストールが主体だったが、藤川さんはオーディオもホームシアターと同じぐらい重視する。一見の野次馬を防ぐ奥まった店構えながら、私が知るかぎり九州最西端のオーディオショップとして、存在感を存分に醸し出している。
「佐賀ですと武雄や、長崎からもちょっと見てもらえませんかとご依頼があります。軽く2時間以上かかる場所でもすぐお伺いするというのが、創業当時からのわたしのモットーです」(藤川さん)
藤川さんの武器はフットワークの軽さなのだ。九州でも、福岡から離れてしまうとお客様も情報不足になりがち。そんなユーザーのよろず相談ごとを引き受けている。
「ですから新製品の情報収集は欠かしません。ことホームシアターでは、最近置き型の低価格プロジェクターがどんどん発売されていますが、実際の映像を目にすることができるお客様はなかなかいません。当店では長く愛用いただきたいので、買って後悔しないモデルをご提案し、実際に映像をご確認いただきます。大型テレビとの比較もできるようにもしております。
一方、オーディオは値段がどんどん上がっています。そのため、お客様にとって使いやすいリモコンなどもセットにするなど、工夫しています。初心者の方には、電源ケーブルの大切さから丁寧にご説明します」と藤川さん。
そんな藤川さんと話していて驚いたのが、佐賀は落雷による事故が多い地域だということ。そんなときの対策にも相談に乗ってくれる。
「山が多いからか、当地では落雷事故が多いんです。そんなときは冷蔵庫などの白物家電も壊れてたいへん。そのうえ、大切にしてきたオーディオビジュアル機器まで壊れたら、お客様も立ち直れないと思います。もう何十年も懇意にしてくださっている皆様ですから、親身になって復旧に努めます」(藤川さん)
また、長年の経験に基づき、これからオーディオやホームシアターをはじめるような人たちに向けた新製品企画が次々飛び出してきたことにも驚いた。
「価格上昇に伴う機能追加もいいですが、もっと本質的なところでワクワクさせる商品が出てきてほしいですね。それに加えて、シンプルでだれもが分かりやすい操作性がほしいです。機能を熟知したオーナーご自身だけでなく、奥さんや小学生のお子さんでも使えるようなもの」(藤川さん)
このように、家族みんながホームシアターを愉しめるように、誰もが使えるリモコンを用意してあげるという藤川さん。ほかにも、ホームシアターをお客様に提案する際に留意することがある。
「2chオーディオを長年愉しまれてきたお客様がホームシアターを始める場合、埋め込みスピーカーを毛嫌いする方が多い。音が悪いんじゃないかって。ですから、私は壁掛けをお薦めすることが多いんです。故障したときや買い替えもしやすいですしね」(藤川さん)
また、既存の住宅にシステムを導入する際は、最初にご自宅の当該場所の写真を撮って、そこにスピーカーの写真を貼り付けるなどしてイメージを共有できるようにしているという。ハードウェアの選択自体ももちろん大切だが、インテリアとのマッチングもホームシアターインストールでは重要な要素だからだ。
よもやま話を終えてお店を出ると、来店時には気づかなかった広い駐車場が目に入る。「ここはすべて弊社の敷地なんですよ。ですから、お車でお越しになるお客様は、駐車スペースを気にしなくていいんです」と藤川さん。
随時イベントも開催しており、佐賀や長崎を中心としたお客様が、オーディオ&ホームシアターの相談をしに気軽に訪れることができる。最新のオーディオビジュアル事情のみならず、ご当地ならではのユーザー事情もキャッチできるに違いない。
「明るいリビングで、日常的に極上の音と映像を楽しみたい」という要望を存分に取り入れたインストール事例。壁面に飾られたビカクシダ(コウモリラン)を中心とした緑溢れるインテリアと響き合うリビングは、自然光が差し込む白い壁と木の温もりが感じられる床や建具で構成されている。それを崩すことなく、むしろ引き締めるべくシンメトリーレイアウトでインストールした。
自然光と緑溢れるインテリアを生かしたオーディオシーンと、スクリーンを下ろし暗転したあとの非日常のシアターシーンの使い分けが、H邸の醍醐味だ。
今回のインストールのポイントは「アナログの良さを味わうための真空管アンプ」「空間に溶け込むスピーカーとラック」「妥協なき音質対策」「非日常へと誘うシアターへのシーンチェンジ」の4点だと語る藤川さん。
「レコードプレーヤーは磁石を使ったフローティングボードでセッティング。休日の穏やかな時間、お気に入りの盤にゆっくりと針を落とす喜びは何にも代えがたいものです。重厚なトランスとガラス管が美しい真空管アンプは、最新映画のデジタルサウンドやハイレゾ音源であっても、耳に優しく艶やかで温度感高く奏でてくれます」(藤川さん)
「一方、映画やライブ、ドキュメンタリーといった作品に没入したいときは、シアターモードにシーンチェンジすることで、圧倒的な非日常空間へと変貌します。上質なピュアオーディオ・システムをベースにしたホームシアターは、音楽鑑賞だけでなく、映像作品の臨場感をも劇的に、そして極上に引き上げてくれるのです」(藤川さん)
H邸では、リビングのみならず背後のオープンキッチンからも音と映像を共有できる。家事をする時間すらも豊かなエンターテインメントの時間になるところに、「LDKシアター」の魅力がある。
「オーディオやホームシアターは、機材が目立ってインテリアに合わないのでは?と心配なさる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私たち専門店が培ってきたインストール技術と機器選びのノウハウがあれば、日常の美しい生活空間と非日常の極上のエンターテインメントは高い次元で両立できます」と、藤川さんは力強く語った。