人は中身?外見? 美と若さに執着するトップ女優が狂気の再生医療に手を出す…
ミヤザキタケルサブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2024年製作の『サブスタンス』をご紹介します!
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『サブスタンス』
(配信:Amazon Prime Video U-NEXT)
(C)2024 UNIVERSAL STUDIOS
第75回アカデミー賞にて作品賞を含む5部門にノミネートされ、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した狂気のエンタテインメント。
かつてトップ女優として人気を博した50歳のエリザベス(デミ・ムーア)は、容姿の衰えからレギュラー出演していた番組を降板させられてしまう。若くて完璧なもう一人の自分を生み出す再生医療「サブスタンス」の存在を知り、半信半疑ながらも手を出すエリザベス。すると、若さと美貌を兼ね備えたもう一人の自分・スー(マーガレット・クアリー)が誕生し、瞬く間にスターダムへと駆け上がっていくのだが……。
身体を安定させるための栄養を毎日摂取し、一つの精神をシェアしているため、一週間ごとに身体を入れ替える。それがサブスタンスの絶対のルール。しかし、ルールを破ってしまったことで予測不能な窮地へと追い込まれていくエリザベスとスー。
そんな二人で一人の人間の姿や揺れ動く心模様を映し出す本作。その奇想天外な設定や映像表現の数々に目を奪われてしまうと思うが、本作の見どころは他にもある。そう、エイジズムやルッキズムに毒されている現代社会、ありのままの自分を認め愛することの尊さと難しさ。
誰しもが生きていく上で向き合わなければならないものを、エリザベスとスーが辿る道筋の中で示していく。優れた容姿を持つことが幸福へと直結するのか、そもそも幸福とは何なのか。人それぞれに考えは異なるものだが、容姿に固執した(させられた)ことでエリザベスとスーが行き着く果てにあなたは何を思うだろう。
(C)2024 UNIVERSAL STUDIOS
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| ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。 |
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