吹替版は有吉弘行! Fワード連発のテディベアとダメ中年の友情を描くブラックコメディ
ミヤザキタケルサブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2012年製作の『テッド』をご紹介します!
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『テッド』
(配信:Amazon Prime Video U-NEXT)
声優・コメディアン・脚本家など多彩な顔を持ち、アカデミー賞授賞式で司会も務めたセス・マクファーレンの初監督作。1985年のクリスマス。いじめられっ子の少年ジョンは、両親からプレゼントされたテディベアを「テッド」と名付ける。そして、親友が欲しいと星に願うとテッドに命が宿り、2人は友情を築いていく。
それから27年後、ジョン(マーク・ウォールバーグ)は35歳になり、見た目が変わらないテッド(セス・マクファーレン)も中身はすっかりおじさんに。そんなある日、付き合って4年経つ恋人ロリー(ミラ・クニス)に、自分とテッドのどちらが大切なのかを迫られるジョンであったが……。
人形に命が宿り、少年にとって最良の友人であり理解者となっていく。そんな風に少年時代に留めて物語を終わらせていれば、きっと綺麗で感動的なファンタジーとして幕を閉じていたのかもしれない。が、おとぎ話の“その先”を描いているのが本作最大の魅力であり面白いところ!
一時は「生きたテディベア」として一世を風靡するも、今ではすっかり忘れられ、口を開けば汚い言葉のオンパレード。ジョンとマリファナを吸い自堕落的に日々を生きている。そんな中、テッドといることで変わるチャンスを掴めずにいるのではないかとジョンに選択を迫るロリー。恋と友情の狭間で揺れ動きながらも、ロリーとの未来を選びテッドとの生活を解消するジョン。
その矢先にさまざまな事件が起きていくというのが物語の筋なのだが、現代社会に溶け込み普通に生きるテディベアの姿がとにかくユーモアたっぷり!基本的にはふざけているものの、物語の根底には2人の友情があり、彼女との将来に悩む男の葛藤がある。だからこそ、おふざけだけでは終わらないドラマがこの作品には宿っている。
字幕版では監督のセス・マクファーレンがテッドの声を務めているが、日本語吹替版ではあの有吉弘行がテッドの声を担当。字幕で観るか吹替で観るかはあなた次第!本作を楽しめたという方は、2人の友情の “その先”を描いた『テッド2』も併せてご覧ください♪
(C)2012 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED
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| ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。 |
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