あなたならどうする?地上600mの超高層鉄塔に取り残された女性2人の決死の脱出劇
ミヤザキタケルサブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2022年製作の『FALL/フォール』をご紹介します!
『FALL/フォール』(2022年・アメリカ)
(配信:Prime Video/U-NEXT/Hulu/Netflix)
発売元:株式会社クロックワークス
販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
『タイム・トゥ・ラン』のスコット・マン監督と、『海底47m』のスタッフが組んだサバイバル・スリラー。フリークライミング中の落下事故で夫を亡くし、1年もの間悲しみに暮れていたベッキー(グレイス・キャロライン・カリー)。そんな彼女を立ち直らせようと、新たなクライミングに誘い出す友人・ハンター(ヴァージニア・ガードナー)。今では使われていない地上600mのテレビ塔登頂を果たし、亡き夫の遺灰を撒くベッキーであったが、老朽化した梯子が崩れ落ちてしまい……。
地上600mと言われてもピンとこない方もいると思うので補足すると、東京タワーの高さは333m、東京スカイツリーの高さは634m。つまり東京タワーより遥かに高く、東京スカイツリーより僅かに低い。そんな鉄塔の上に取り残された女性たちの物語。テレビ塔頂上の狭い足場に2人、梯子の一部が崩壊し、人里離れた荒野のため周囲に人はおらず、高度過ぎるためスマホの電波は届かない。食料もなく、水が入ったリュックは塔の途中にあるアンテナに引っかかっており、回収するのは容易じゃない。
助けが来る保証はなく、時間が経過すればする程に衰弱していき、周囲には2人の命を狙うハゲワシが飛んでいる。そんな「詰んだ」としか思えない状況に陥ったのなら、あなたは一体どんな選択をするだろう。追い詰められた女性たちの一挙手一投足、 “高所”がもたらすスリリングな映像の数々にハラハラさせられる107分。ポップコーンやアルコールをお供に鑑賞するのに最適な良作B級映画です。
(C)2022 FALL MOVIE PRODUCTIONS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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| ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。 |
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