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公開日 2026/05/14 06:30
アプリの操作性も優秀

ネットワークオーディオ、最初の1台。Sonos/BLUESOUND/WiiM、6万円前後のエントリープレーヤー徹底対決!

逆木 一

音質・操作性ともに優秀な入門機


「ネットワークオーディオを実践するためのオーディオ機器」の中核を成すのが、ずばりカテゴリーの名前をそのまま背負った「ネットワークプレーヤー」である。



ネットワークプレーヤーは既に20年近い蓄積を有する領域であり、現在市場に存在する製品も、技術と素材の粋を凝らしたハイエンド機から、手に取りやすい価格帯の製品まで広く分布する。特に「これからネットワークオーディオを始めよう」とするオーディオファンにとって大切なのは間違いなく後者。


そして喜ぶべきは、そうしたエントリークラスのネットワークプレーヤーもまた、技術進歩の蓄積により「上位機と共通・遜色ない使い勝手」が実現していることだ。


以上を踏まえて、この記事ではエントリークラスの有力製品として、Sonos「Sonos Port」、BLUESOUND「NODE NANO」、WiiM「WiiM Ultra」の3モデルを紹介する。


今回ご紹介するネットワークプレーヤ−


Sonos 「Sonos Port」 直販価格:69,800円(税込)
BLUESOUND 「NODE NANO」予想実売価格:税込60,000円前後
WiiM 「WiiM Ultra」 直販価格:66,000円(税込)


なお、これら3モデルはメーカー公式で「ストリーマー」として呼称しており、「音楽ストリーミングサービス」の利用を意図していることが伺える。 記事中では一貫性を保つため、「ネットワークプレーヤー」という表記で統一した。


Qobuzを用いて音質を検証


各モデルの検証は、ストリーミングサービスの代表として基本的にQobuzを用いて行った。


試聴は3モデルとも音量固定出力で、Qobuzのテイラー・スウィフト「アンチ・ヒーロー」(48kHz/24bit)をリファレンスに、ROKSANのプリメインアンプ「Attessa」、Paradigmのブックシェルフスピーカー「Persona B」と組み合わせた。



 ROKSANのプリメインアンプ「Attessa」とParadigmのスピーカー「Persona B」を組み合わせ


価格帯的な整合性からは逸脱する組み合わせだが、各モデルの音質的な特徴を最大限把握するための構成ということでご理解いただきたい。


それでは各製品の概要・機能の紹介と、音質インプレッションをお届けしよう。


Sonos Port - 最も聴きやすい音


まずは「Sonos Port」から。Sonosはオーディオ機器メーカーというよりはスマートスピーカーに端を発するブランドで、同カテゴリーの代表的存在といえる。同社製品を複数導入し、ネットワークで相互接続・活用することがブランドコンセプトだが、今回取り上げるSonos Portはそうした機能を持ちつつ、単体のネットワークプレーヤーとしても使用可能だ。



 Sonos「Sonos Port」(直販価格:69,800円/税込)


筐体は非常にシンプル&コンパクトで、操作はすべて純正アプリから行う。仕様面で興味深いのはアナログ入力を持つことで、例えばレコードプレーヤーからの出力をSonos Portに繋げることで、レコードの再生音を家中のSonosスピーカーから再生する、ということも可能になる。


他社製品でも同様の機能を持つものはあるが、Sonosの場合はそれがいち機能に留まらず、明確に製品コンセプトとして組み込まれているのが興味深い。


純正アプリ「Sonos」はシンプルなデザインでまとめられており、同社製品を統括して管理・操作機能にくわえ、ストリーミングやネットラジオといった各種サービスを利用できる。ユーザー手持ちの音源を再生する機能もあるにはあるのだが補助的・おまけ的な扱いである。操作もいたってシンプルにまとまっており、使用にあたって迷うような部分はほぼない。



操作アプリ「Sonos」


先陣を切ったSonos Portは第一印象として「すっきり」とした聴き味で、オーディオ的な情報量追求とは少々路線の異なる音。しかしそのぶんボーカルの透明感が際立ち、中低域の量感が控えめなことで空間の見通しが良く、楽曲の構成要素がつぶさに把握できる。今回の3機種の中では「最も聴きやすい音」と形容できる。



Sonos Portの背面。ネットワーク入力のほか、RCAのアナログイン/アウトを装備。デジタル出力も搭載



BLUESOUND -最も豊かな音


続いてBLUESOUND「NODE NANO」。BLUESOUNDというブランドの背後には伝統的なオーディオメーカーであるNADが存在しており、 BLUESOUNDもまた「オーディオ機器」としての哲学を強固に持っているという特徴がある。 実際、近年では手頃な価格帯の製品を維持しつつ、より上位クラスの製品を投入しており、オーディオブランドとしての側面が強く感じられる。



BLUESOUND「NODE NANO」(オープン価格、市場想定価格は税込60,000円前後)


NODE NANOは同社のネットワークプレーヤーのラインナップの中でエントリークラスに位置付けられるモデルだ。筐体はSonos Portとほぼ同サイズのコンパクトさだが、前面にタッチセンサーを搭載しており、基本的な操作は即座に行える。


「内側」において本機を含むBLUESOUND製品の根幹を成すのが、同社が長年磨き上げてきたネットワークオーディオのプラットフォーム「BluOS」であり、それを搭載することで、同社製品はクラスを問わず統一された使い勝手を実現する。


市場全体から見れば BLUESOUND製品は手頃な価格帯に分類されるとはいえ、BluOSの完成度・機能性はより高額な製品と比べても真っ向から比肩するものであり、これはエントリーユーザーにとって心強い点だ。


純正アプリ「BluOS Controller」は「BluOS」と一体運用されるコントロールアプリであり、こちらも長い時間をかけて洗練されている。各種音楽ストリーミングサービスとの連携も万全であり、操作性も高度に練られている。手持ちの音源の再生方法も複数用意されているが、最も単純かつ確実な、USBストレージを接続する方法でもBluOSならではの高度なライブラリ機能が適用されるため、手持ちの音源も大切に聴きたい・活用したいというニーズにも応える。



BLUESOUNDの操作アプリ「BluOS Controller」


NODE NANOはSonos Portと打って変わって再生音全体に厚みやエネルギー感があり、情報量も豊か。ごくコンパクトな筐体を良い意味で裏切る「オーディオ機器として満足感のある音」であり、 BLUESOUNDのオーディオブランドとしての誇りがエントリークラスまで貫徹していることが感じられる。今回の3機種の中では「最も豊かな音」と形容できる。



NODE NANOの背面端子。電源はUSB type-Cにて給電する。光TOSのデジタル端子を搭載するほか、USBメモリー等を装着した再生にも対応する



WiiM Ultra -最も研ぎ澄まされた音


最後に「WiiM Ultra」。WiiMはこの数年で急激に頭角を現したブランドで、当初はオーディオ機器というよりもガジェット的なカテゴリーから出発しながら、圧倒的な多機能性と低価格で注目を集め、徐々に高価格帯に進出。本機はWiiMが満を持して投入した、ネットワークプレーヤーとして最上位機に当たる。



WiiM「WiiM Ultra」(直販価格:66,000円/税込)


筐体は今回の3機種の中ではひとまわり大きく(それでもコンパクトだが)、アルミニウム素材に3.5型のカラー・タッチディスプレイの搭載は筐体の質感という点で異色を放つ。サイズに余裕があるため入出力も豊富だが、特に注目すべきなのはHDMI ARCの搭載だろう。これによりテレビとの連携が著しく容易になるため、リビングに置くオーディオ機器としても親和性が高い。


純正アプリ「WiiM Home」は同社製品の多機能性を支えるもので、旺盛な開発姿勢を反映して機能の追加・拡張も頻繁に行われている。新興ながら機能の「総量」で見れば既にBluOSさえ越える勢いで、純粋に「音源をブラウズし、再生操作を行う」という点でも洗練が進んでいる。手持ちの音源の再生という点では今回の3モデルの中で唯一DLNA/UPnPに対応し、他社製品との組み合わせの幅も広い。



WiiMの操作アプリ「WiiM Home」


WiiM Ultraは全帯域に渡って、特に低域の解像感に優れ、曖昧さのない緻密な描写が印象的。空間のスムーズな広がりよりも一音一音の克明さに意識の焦点が当たり、この点でNODE NANOとは好対照を成す。WiiMの出自を考えれば、よくぞここまで練り上げたと素直に感心できる出音だ。今回の3機種の中では「最も研ぎ澄まされた音」と形容できる。



WiiM Ultraの背面端子。HDMI ARCを搭載しておりテレビとの連携ができる他、RCAアナログのイン/アウト、フォノ入力の搭載など様々な機器との連携も可能となっている



技術の進歩によりネットワークプレーヤーというカテゴリー全体が洗練され、特に使い勝手の面で価格帯による差はかなり縮んだとはいえ、それでもメーカーごとに様々な特徴は存在する。


今回の記事を通じて、「自分に合っている製品はどのようなものか」を考えるための情報はもちろん、「たとえ安価な製品であってもこれほどまでに進化し、さらにいくつもの選択肢が存在する」という「現在の素晴らしい状況」も伝えることができたら幸いだ。


 

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