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パナソニックHD、構造改革断行で持続的成長へ基盤を確立。AIインフラを支える事業でグループの成長を牽引
編集部:竹内 純2025年度は減収減益。構造改革は予定通り完了
パナソニックホールディングスは、2025年度決算と成長戦略について説明会を開催した。前者については取締役 執行役員 グループCFO・和仁古明氏が、後者についてはグループCEO・楠見雄規氏が説明した。
2025年度の決算は、売上高が8兆487億円(前年比95%)、調整後営業利益4474億円(同96%)、営業利益2364億円(同55%)、当期純利益1895億円(同52%)の減収減益となった。売上高はHVAC & CC、スマートライフの減収やオートモーティブの非連結化、調整後営業利益はエナジーの車載電池の製造不具合対応の費用やオートモーティブの非連結化、営業利益・純利益はグループ経営改革に関わる構造改革費用等がそれぞれ影響した。
2026年度年間業績見通しは、売上高7兆6000億円(前年比94%)、調整後営業利益6000億円(同134%)で減収増益。営業利益は5500億円(同233%)、純利益は4200億円(同222%)で、前年度の構造改革の費用の反動もあり、いずれも増益となる。
売上高は全てのセグメントで実質増収とするが、非連結化の影響や為替換算等により全体では減収。調整後営業利益はAIインフラ関連事業の増販益や構造改革効果によって全てのセグメントで増益。なお、中東情勢悪化やメモリ価格のさらなる高騰によるリスクとして300億円のマイナスを織り込んでいる。
グループ経営改革における構造改革は、2025年度にて予定通りに完了。和仁古氏は「人員適正化規模は当初計画の1万人を上回り、最終では12,000人となった。2025年度の構造改革費用と効果額はそれぞれ1745億円、450億円となり、本年度を含む2026年度までの2年間の累計効果は1450億円を見込み」と説明した。
「中国で競争力を高めるなか、戦える力を相当につけてきた」
続いて楠見氏がグループの成長戦略について説明。はじめに2025年度の経営改革について総括した。人員減は前述の通り12,000人(国内8,000人、海外4,000人)、旧パナソニック株式会社の発展的解消、本社本部の集約・効率化、営業・間接部門の集約・効率化、拠点の統廃合などにより、2026年度の調整後営業利益の改善効果は、目標の1220億円を上回る1450億円(2024年度比)となる見通しを示した。
「海外による他社協業等によりリスクオフできるめどが立った」と説明したテレビ事業をはじめとする3つの課題事業と、家電事業をはじめとする3つの事業立地見極め事業は、いずれも収益改善の実効性を確認し、方向付けを完了。とりわけ家電事業は「ブランドを牽引する意味から重要。中国で戦える力を相当につけてきた。その力を徹底して活用し、もう一度しっかりやっていく」と訴えた。
事業環境が厳しさを増すスマートライフについて楠見氏は、「差別化が難しい領域とお考えかもしれないが、そうである商品とそうでない商品がある。例えばナノケアドライヤーは、多くの方が乾かしたときに髪の違いを実感いただけるコア技術がある。ドラム式洗濯機も乾いたときにしわがない、ほこりがない、それを支える技術がある。技術でお客様に違いを感じていただける、ネット・プロモーター・スコア(NPS)が高い商品が、この商品も、この商品もとなることでブランドを牽引していくことができる。これは前から言っていることと何も変わっていない」と説明した。
AIインフラを支える事業でグループの成長を牽引
「ここからは成長フェーズに入る」と2032年に向けたお役立ちとして、「エネルギーの有効活用」と「現場労働力不足の解消」により、AIインフラと社会オペレーションを支えていく方向性を示した。デバイス領域のAIインフラを支える事業でグループの成長を牽引し、ソリューション領域のビジネスモデルを変革して将来の収益の核に据える。調整後営業利益は2026年度6000億円、2028年度7500億円以上を目指す。
「7500億円はソリューション、デバイス、スマートライフという3つの塊でやりきりたい。スマートライフは競争も激化しているが、厳しかった冷蔵庫も、2026年度から日本向けをグローバル標準コストによりフルラインナップで展開でき、数字が見えてきている。中国で競争力を高めるなかで確信したこと。そうした一つ一つの積み上げがあればできると当初より確信している」と自信を示した。
デバイス領域におけるAIインフラを支える事業では、「頭脳」(GPU、ASIC周辺)と「心臓」(電源周辺)をデバイスで支え、社会インフラの進化に貢献する。AIサーバーとデータセンターの進化を支え続けるとしており、2028年度の売上高は約1.4兆円、調整後営業利益2900億円を目指し、2026 - 28年度に5000億円の投資を実行する。
ソリューション領域における社会オペレーションを支える事業では、ハードウェアからサービスへ価値提供の重心を移し、コネクテッド機器と人のサービスエンジニアリング力により、止まらないオペレーション・省エネ・省人化を提供していく。
「最大のお役立ちはお客様オペレーションの高度化。他社に代替されにくいサービスを継続的に提供していく。これからも時代とともに変化する社会課題の解決を通じ、社会・産業の発展を支え進化を続けていく。2032年に向けて、AIインフラと社会オペレーションを支えることでお役立ちを加速させていく」と力を込めた。
なお、今回の発表を「中期経営計画」ではなく、「成長戦略」と称した意味について楠見氏は、「これまでは3年単位でローリングしてきたが、いまは社会も技術の進化も激変しており、毎年次の3年をローリングするように内部的には変えている。もっと先を見て自分たちは何を変えていくのか、考え方を変えていかなければいけない。1年ごとに修正しながら、3年後に向けたKPIをしっかり検討して立てていく。計画というよりも戦略を研ぎ澄ますことにもっとシフトしていかないといけない。そうした意味から、“中期経営計画” でなく “成長戦略” である」と説明した。
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