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FIIO、独自の106mm平面磁界ドライバー搭載の開放型ヘッドホン「FT7」。金銀併用の多層コイルメッキ採用
編集部:松原ひな子エミライは、FIIOブランドから平面磁界ドライバー搭載の開放型ヘッドホン「FT7」を7月18日に発売する。価格はオープンだが、市場では税込125,400円前後での実売が想定される。
FT7は同じく平面磁界ドライバーを搭載する「FT5」をブラッシュアップさせたモデルで、前機種の径90mm平面磁界ドライバーから、新たに自社開発/設計を行なった106mm平面磁界ドライバーを搭載。複数の音響特許技術を適用させ、平面駆動型の超低周波応答をさらに強化したヘッドホン。
106mm平面磁界ドライバーの開発における最大のトピックが、振動板を6μmから1μmまで薄型化した点。非常に軽量かつ応答性に優れ、超高域の緻密な音や微細な高域の倍音成分まで忠実に再現するほか、高いダイナミックレンジを獲得したとしている。
振動板の基板素材には高性能PETを使用し、さらに厳選した24K金と純銀をコーティングした多層コイルメッキを採用。
高密度で振動減衰率が大きく、延性にも優れるという金の性質によって、振動板の減衰力を高めている。また、銀の特徴として抵抗が低く、高い電気伝導率を持ち合わせているため、最小限の損失ですばやく高周波電流が通過できる。これらの特徴によって、柔らかな中低域と緻密な高域再現を両立している。
また銀は素材の性質上、密度が高くないため軽量であることもメリットであり、ドライバーの感度の向上にも寄与している。
また106mm平面磁界ドライバーの製造には、半導体製造に匹敵する28nmグレードの精密技術を投入。導電性トレース材料を6.6×10⁻³Paの圧力で真空状態にすることで周囲の空気から完全に分離し、120℃まで温度を上昇させてイオン化粒子に変換。電荷引力の原理により1μmの極薄フィルム上に蓄積する。
このプロセスによって最適な音響を得るために必要なコーティング厚さが作成され、トレースの耐久性と寿命が大幅に向上するという。FIIO Labsで行われた1年以上の経年劣化テスト期間中、一般的に脱落/分離/断線は発生せず、音質は基準を満たしたままだったと説明している。
特許技術である均一な磁場設計によって、ドライバーの歪みや破損を最小限に抑制している。磁気回路の配置を最適化、角を丸めた磁石を利用することで均一な磁場を実現し、振動板に均等に応力が掛かる設計が施されている。
本設計によって磁場範囲が拡大したことで、ドライバーの感度を高めたほか、軽量化や装着感の向上も実現。磁気回路は片耳に9基、計18基の高性能N52ネオジム磁石を搭載した片側プッシュプルシステムを採用。最大磁束1.5T(テスラ)という優れた過渡応答で、輪郭のはっきりした低音を実現する。
本体は大部分を軽量かつ高強度のカーボンファイバーで構成し、高い剛性と大幅な軽量化を両立。大型ながら質量は427gまで軽量化している。各グリルストリップはマグネットの位置と正確に連動しており、グリルからの反射によって引き起こされる音波干渉を低減する効果がある。グリルフロントカバーの素材は西アフリカ産のゼブラウッド材を採用。
イヤーパッドは、高解像度で広い音場のクリアなサウンドを再生する「ラムスキン」、臨場感を高めボーカルの深みを向上させる「ファブリック」の2種が付属する。
付属ケーブルは、FT7のサウンド特性に合わせて6N OCC(99.99998%)を超える高純度単結晶銅を導体に使用した新ケーブルを開発。-192℃に保たれた液体窒素で7日間極低温処理することで金属材料内部の結晶境界を整列/強化、電気伝導性と信号伝送を向上させ、音の明瞭さを高めている。絶縁層には制振性と耐衝撃性に優れるPFAを採用し、単結晶銅線の高解像性を保持するだけでなく、中低域の音色も整えている。長さは約3m。
端子は本体と同じカーボンファイバー素材を使用。4.4mmバランスを備えるのに加えて、6.35mmアンバランスを採用しており、ならびにXLR 4pinバランスへと変換可能な2種類のアダプターも付属する。
日本オーディオ協会(JAS)および全米家電協会(CEA)によるハイレゾオーディオ認定を取得している。再生周波数帯域は5Hz - 40kHz、能率は94dB(mW)/110dB(Vrms)、インピーダンスは25Ω±15%。
本体にはYaoliリネン素材を採用したヘッドホン収納ケース、ヘッドホンケーブル、XLR 4pin - 4.4mm変換アダプター、4.4mm - 6.35mm変換アダプター、イヤーパッド(ラムスキン/ファブリック)×1ペアなどが付属する。