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パナソニックが提案する「リビングにおける新しいくらしスタイル」とは? レイアウトフリーテレビやウォールフィットテレビ活用法を解説
編集部 : 伴 修二郎パナソニックは、同社が展開する「レイアウトフリーテレビ」や「ウォールフィットテレビ」など、“くらしスタイルシリーズ” 新製品を活用して「リビングにおける新しいくらしスタイル」を提案する、メディア向け体験セッションを実施した。本稿ではその模様をレポートする。
大画面化やネット接続率向上のテレビ市場。Fire TVの連携強化もアピール
イベント冒頭では、パナソニック(株)コンシューマーマーケティングジャパン本部 商品マーケティングセンター テレビ&コミュニケーションネットワークマーケティング部の部長を務める金澤貞善氏より、現在のテレビ市場のトレンドから昨年2024年度の振り返り、そして今年2025年度に向けた取り組みについての説明が行われた。
まず昨今のテレビ市場の需要やトレンドについて、テレビ市場全体として2019年頃までは市場が縮小傾向にあったが、2020年以降はコロナ禍の影響を受けて需要が増加。その後、2024年度の出荷台数の約4割が50型以上を占めるなどテレビの大画面化や、ネット接続率の向上によって、より安定した動きになってきていると金澤氏は振り返る。
また、テレビでネット動画を楽しむスタイルが定着しつつあることで、オンデマンド型の動画配信サービスの利用率が着実に伸長し、2024年度には利用率60%超えを実現。ネット接続率も年々伸長し続け、現在では約8割以上の方がテレビをネットに接続して楽しんでいるという。
続けてテレビ事業における2024年度の振り返りとして、同年春のテレビ新製品にAmazonのFire TV OS搭載する新たな試みを実施したことをアピール。実際にユーザーからは、ホーム画面におけるネット動画やリアルタイム放送などコンテンツの探しやすさや、Fire TV Stickと同等のスムーズな操作感、Alexaによる音声操作、そして豊富なアプリ対応などが非常に好評だったという。
セッションでは、アマゾンジャパン合同会社 AmaoznデバイスFire TV事業部 事業部長 西端 明彦氏によるビデオメッセージが投影され、パナソニックから「以前のテレビに比べて(ユーザー)視聴時間が増えた」との話が届いたと喜びの声が紹介された。
また、Fire TV搭載スマートテレビの今後の方向性については、よりコンテンツの拡充や利便性の向上、Alexaの進化などを図っていくとアピール。また、現在パナソニックと今後Fire TV搭載スマートテレビのさらなるラインナップ強化が検討されているなど、2025年度も引き続きパナソニックとアマゾンジャパンの連携強化を図っていくことが明かされた。
最後に金澤氏は、2025年度のパナソニックのオーディオビジュアル向け製品全体の取り組みとして、高画質や高音質、使いやすさといった「本質機能」の進化、好きな場所で使えてインテリアに溶け込む新たな「くらし空間」の提案、テレビやゲーム、スマートフォンなど様々なデバイスでサラウンドサウンドが楽しめるといった「コンテンツ-ソリューション連携」の3点を掲げ、「今後ユーザーのさらなる役立ちに向けた取り組みを推進していく」と締めくくった。
昨今のトレンドやユーザーからの要望を踏まえた25年新製品を投入
続いて、アンテナ端子から離れた場所にも設置、移動して使える “レイアウトフリーテレビ” や、石こうボードの壁に簡単に掛けられる独自機構を採用した “ウォールフィットテレビ” などの製品を中心に展開する “くらしスタイルシリーズ” の取り組みや、2025年度新製品について紹介した。
“くらしスタイルシリーズ” は、2021年にレイアウトフリーテレビを発売したことから展開をスタートし、主に30〜40代の若い世代を中心に好調な販売実績を獲得。ユーザーからは「家具のレイアウトが自由で掃除しやすい」「視聴位置を決めなくていいことでテレビの視聴時間が増えた」などの好評の声が届いているという。
全製品共通の具体的な評価ポイントとして、「アンテナ線の位置に縛られない」「モニター周りがスッキリする」といった点が評価されているとのこと。レイアウトフリーテレビについてはキャスター付きのスタンドで自由に動かせることや、白色のデザイン性についても好評だったと語る。
またウォールフィットテレビについては、壁際で設置できる点や、専用カードや細いピンを活用して工事不要の簡単設置ができる点も高評価だったと説明した。
一方改善要望点としては、シリーズ共通でゲーム機やレコーダーを接続するとHDMIケーブルをつなげる必要があるため不便である点を挙げた。また、レイアウトフリーテレビでは白だけでなく暗めのダークカラーを望む声、ウォールフィットテレビでは「壁掛けするならもっと大画面で観たい」といった声が挙がったという。
1点目となるWireless Connectは、別体のチューナー部とモニターで無線接続を可能にする新ワイヤレス技術。チューナー部から地上デジタルやBS・110度CSデジタル放送の映像をはじめ、新たにチューナー部にHDMI接続されている機器の映像もモニターに伝送できることが特徴で、これによりチューナー部にHDMI接続されたレコーダーやゲーム機、またSTB(セットトップボックス)の映像をワイヤレスで伝送可能になっている。
Wireless Connect開発の背景として、レコーダーを接続すると配線が増えデザイン性に難がでる点や、ゲーム機を接続した際の移動の不便さ、STB(セットアップボックス)接続時のアンテナ線の位置によって置き場所が固定されてしまうといった、HDMI機器をモニター接続する際の接続課題があったと同社は説明。
これに対して、Wireless Connectを活用して配線レスを実現することで、このような接続課題を解決できると強調。レコーダー接続時は全自動ディーガで録画した番組やDVDなどを配線レスですっきりと楽しむことができるほか、ゲーム機を接続する際もテレビを好きな場所に自由に移動させたりできるようになる。
2025年度の新製品はいずれもWireless Connectに対応しており、付属のチューナー部はHDD内蔵モデルと、HDD非内蔵モデルの2種類をラインナップ。展開は製品およびサイズによって異なっている。
また、各チューナー部の背面にはHDMI入力端子が追加されており、HDD内蔵モデルは3基、HDD非内蔵モデルは1基を装備。HDD内蔵モデルでは非対応だった外付けHDDへの録画にも対応する。
レイアウトフリーテレビ・4K液晶テレビの新製品では、上述の暗めのカラーに対する需要を受けて新たにマットダークグレー色モデル「TH-43LF2L-H」(予想実売価格18万円前後)が追加され、5月下旬より発売を予定する。なお、本カラーはHDD非内蔵チューナー付属モデルのみを展開する。
従来のホワイトカラーモデルでは、HDD内蔵チューナー付属モデル「TH-43LF2」(予想実売価格21万円前後)、HDD非内蔵チューナー付属モデル「TH-43LF2L」(予想実売価格17万円前後)の2モデルを5月下旬より発売予定となっている。
ウォールフィット・4K有機ELテレビでは、大画面の65型モデル「TH-65LW2」(予想実売価格48万円前後)が追加された。こちらはHDD内蔵チューナー付属のみの展開となり、発売は5月下旬を予定する。
65型の追加背景について同社は、壁掛け/壁寄せ設置比率が年々上昇しており、2024年インチ別の壁掛け/壁寄せ比率は55型が14%、65型以上が23%を占めるなど、「大画面ほど高い位置で観たい」という傾向にあるのに対して、現行モデルは55型のみだったため、「もっと大画面モデルがほしい」といった声を受けて今回投入に至ったと説明した。
ほかウォールフィットテレビでは、既存の55型モデルの新製品も投入。HDD内蔵チューナー付属モデル「TH-55LW2」(予想実売価格38万円前後)、HDD非内蔵チューナー付属モデル「TH-55LW2L」(予想実売価格32万円前後)の2種類をラインナップする。発売時期は5月下旬予定。
なお取り付け構造において、55型モデルが1つの穴に対してピンを10本指す構造であるのに対して、65型モデルでは1つの穴に12本のピンを指す構造になっているとのこと。ピンの形状等は全て同等のものになっているという。
新製品群を活用したインテリアコーディネート監修のリビング空間を提案
イベント会場となったパナソニック目黒ビルのプレスルーム内には、くらしスタイルシリーズ新製品群の実機展示や、新製品を活用したリビング空間における新しい「くらしスタイル」を提案した展示を用意。会場の一部には、日本の家具・インテリア企業・株式会社アクタスがインテリアコーディネートを担当した展示ブースも展開された。
イベント中には、(株)アクタス 店舗事業本部 プランナーの山本 さら氏のビデオメッセージが放映。フリーテレビの登場で、ベッドルームとリビング・ダイニングを仕切ることなく空間のつながりを活かしたままテレビを配置することや、ベッドルームからテレビを観れるといったより生活にフィットしたレイアウトが可能になったと述べた。
また、近年は壁紙などに白のみならず、白に近いライトグレーやベージュ色が多用されている点を挙げ、今回の新製品であるマットダークグレーの登場により、「どんなスタイルの部屋にも合わせやすく、より(コーディネートの)提案の幅が広がった」とコメントを寄せた。
そのほか会場内には、新製品ラインナップの実機の展示や、レイアウトフリーテレビの新旧比較エリア、そしてWireless Connectの体験コーナーなどが展開されていた。