【上海ショウ】アジア発の注目ブランドを一挙紹介。SHANLINGのCDプレーヤー、SOUNDAWARE、Lu Kang Audio他
筑井真奈上海オーディオショウには、中国や台湾、シンガポールのさまざまな新興オーディオメーカーが参集し、ヨーロッパやアメリカとはまた違った国際色豊かなオーディオショウとなっている。いくつか注目のブランドをピックアップしてご紹介したい。
SOUNDAWAREは、中国・南京に2011年に立ち上がったオーディオブランド。特にデジタル関連製品に強みを持ち、Windowsをベースにした独自OS「SAW OS」を搭載した据え置きオーディオからヘッドホン関連アイテムまで、幅広く展開している。
「USBやネットワーク周りのノイズ対策技術には自信があります」と創業者のリン氏。メインに据えられていた「D1X」は、SAW OS搭載のネットワークストリーマーで、WindowベースのためRoonやfoobar2000などさまざまなソフトをインストールすることができる模様。
アクセサリーも充実しており、USBノイズ除去機(と思われる)「PA1」のほか、今後はM.2 SSDの拡張アイテム、ネットワークハブなどの開発も進めているという。「わたしたちのブランドの総合力をぜひ世界中のオーディオファンに届けていきたいです」と世界戦略展開にも意欲を見せていた。
続いては、先日のOTOTENへの出展なども後押しとなり、日本でもじわじわと知名度を高めつつある台湾のLu Kang Audio(ルーカン・オーディオ)。上海のショウでは、同じく台湾メーカーであるアナログプレーヤーブランド・TIEN、パワーアンプやリニアパワーサプライなどを展開するKECESと合同ブースを展開していた。
メインスピーカーには、ブックシェルフ型の「Spoey 200」を使用し、アナログやストリーミング再生を実施。ちなみにLu Kang Audioは台湾における光城精工やサエクの代理店も担当している関係で、今回のデモでも光城精工の仮想アースも使ってくれていたそう。
代表のロックス氏も精力的に各国のショウに足を運びブランドの訴求に力を入れている。「Lu Kang Audioにとって一番大きな市場はもちろん本国の台湾ですが、中国も大きく成長してきています。ですが、一番力を入れたいのは日本です。日本のお客さんにもっと私達のスピーカーの魅力を伝えていきたいです」と話してくれた。
SHANLINGは日本ではポータブルオーディオのイメージが強いが、現在はフランスYBA、イギリスのONIXといった名門ハイエンドブランドを傘下に収め、据え置きも含め、精力的な製品開発を続けている。今回のデモは、先日のOTOTENで展示されていた宇宙船のようなデザインのフラグシップCDプレーヤー「CD-T35HP」に、大型プリメインアンプ「A3.2」を組み合わせて実施。
また「CD-S100 IV」はその名の通り4代目となるロングセラーCDプレーヤーの最新型機とのこと。ロームのDACチップ「BD345352」に加え、ネットワーク/USB入力も搭載しており、各種ハイレゾ再生にも対応する。これは日本でもぜひ聴きたい。
シンガポールの「Sound Machine」というスピーカーブランドも初めて見たブランド。もともとOEMを手掛けており、2020年代に入って自社ブランドを立ち上げたという新しいメーカーだそうだ。
スピーカーユニットそれぞれに対し最適なアンプで駆動したいという考えから、外部アクティブクロスオーバーも自社で専用設計。アンプも自社開発しており、スピーカーとセットで販売される製品ということだ。外側に配置された「SM1500MW」は4ウェイ構成の大型モデルだが、透明感ある雑味のないサウンドが印象的であった。
上海のオーディオショウの中で、ネットワーク再生として最もよく見かけたのはMYMEIというブランド。フロントにディスプレイを搭載、各種ネットワーク再生に対応するほか、内蔵ストレージからの再生もできる模様。WiiMも多く見かけたが、欧米系メーカーのブースではWiiM、中華系メーカーのブースではMYMEIをよく見かけた印象だ。
上海のオーディオショウでは、日本ではまったく見たことのない数ブランドに多く出会うことができた。全く情報がわからなくても、「オッ」と足を止めるブースに出会えるのも海外ショウの楽しみのひとつである。